とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星

文字の大きさ
95 / 108
第4章 自由連合同盟都市国家メルキオール 首都メルキオール~北方封鎖地編

第95話 うちの回復薬作製事情の件

しおりを挟む
俺と飛鳥、クロエ、ベルは錬金術師ギルドに所属してから、毎日回復薬ポーション作成を行っていた成果で、中級回復薬ミドルポーションはもとより、作製が完全に不安定だった上級回復薬ハイポーションの作製が安定してできる数がわかる様になった。

保有している魔力総量の関係で、1日で安定して作製できる品質並以上の上級回復薬の数は飛鳥は10本前後、ベルは40本前後、俺は素材があれば100本以上というのがわかっている。

俺の上級回復薬作製可能数は保有していたはいの素材が117本作ったところで切れてしまったから、具体的な数は確認していない。それに上級回復薬を毎日100本作る必要は今の所ない。

日課として、俺は上級回復薬を30本、中級回復薬を60本、回復薬を90本、下級回復薬レッサーポーションを120本作っている。

月に俺達4人がギルドに納品する回復薬は品質が並のもの9000本。1日平均300本。

総魔力量が闇黒魔竜で人族より遥かに多いクロエが100本、そのクロエに次ぐ魔力量を異常にもつ俺が90本を担当し、ベルが70本、飛鳥が40本で分担して作っている。

ベルから聞かされて知ったが、並の錬金術師の総魔力量で1日に作れる回復薬の数は品質並のものが30本できれば上出来。前衛の戦士系職である飛鳥が回復薬を40本作れるのは通常ではありえないとのことだ。

ありえないと言われても現にできていることだ。飛鳥自身の素質と努力の賜物で、
適性がない職でもできているということで俺たちが異世界から召喚された存在だあるというの詳しい事情を知らない人たちには説明している。

また、俺は前倒しで納品する回復薬を【空間収納】に入れて、常に余裕があるようにしている。品質並以下は常備薬扱いで、品質良以上は緊急時用にストックしている。豚鬼事件のときに品質良以上は放出したが、溜まる一方だ。【空間収納】がなければ物置が必要になる量が既にストックされている。

この回復薬作製の依頼にも変化があり、ヘリオスさんとカイロスに行くまでは、錬金術師ギルドの冒険者ギルドへの下級回復薬~回復薬の納品依頼は俺達が全て担当していたが、順調に成長している俺達の後に錬金術師ギルドに加入した人達にも割り振られる様になった。

ミーネさん曰く、俺達の後続の育成にも冒険者ギルドへの納品の依頼は役立つため、俺達だけで回復薬の納品を続けるのは今後を考えるとよくない。

とはいえ、まだ品質が不安定な人も少なくないため、俺達の担当分量は全体の6割になって7200本。納品数は減っても日課の数を減らすことはせず、【空間収納】の強みである時間経過を発生しない枠の中にどんどん入れていき、必要数が揃ったら錬金術師ギルドに納品している。

冒険者ギルドへの納品も変わり、錬金術師ギルドこちらから所属員が持っていくのではなく、数が揃ったら、錬金術師ギルド長ミーネさんから冒険者ギルド長バルガスのとっつぁんへ連絡が行き、ミーネさん自ら受渡しに行くことになった。

ギルド長間の情報交換のためとミーネさんは言っているが、俺はミーネさんが冒険者ギルドの食堂のカレーを目当てにしていることも知っている。

薬品ギルドがなくなったとき、回復薬に関して冒険者ギルドと錬金術師ギルドの関係は元の鞘に納まった。

回復薬の冒険者達への流通もようやく元の正常な状態に戻ったと、とっつぁんは安堵していた。



『主さま、できました』

姉妹と見間違える程、白髪蒼眼のベルを幼くした容姿のルシィが自分で作製した下級回復薬を俺にみせてきた。

うちのメンバー全員に回復薬の作製は行ってもらっているので、当然ルシィにも、【錬金術】を覚えて回復薬の作製をやってもらっている。

これまでメンバー中総魔力量がもっとも多かったクロエを圧倒的な差で追い抜く程の魔力量をもつルシィ。

彼女もクロエと同じく、俺のスキルで基本となるスキルを覚えてもらい、【錬金術】と【回復薬作製】のスキルレベルを上げてもらっている。

ルシィは回復系【竜魔術】の適性が。その使える回復系の【竜魔術】の回復量が微々たるものであったため、ヒュドラ戦では全く役に立たず、大変歯がゆい思いをしたそうだ。

そのため、回復手段となる回復薬を【回復薬作製】で自分の手で作れるようになって、ルシィはとても喜んだ。

ルシィが回復薬を作ること自体には全く問題ない。しかし、別の問題が発生していた。

「品質は”極上”。下級回復薬なのに2つ格上の中級回復薬並の回復量って、すごいな」

俺はルシィが見せてくれた下級回復薬を【鑑定】し、その結果に感嘆した。

ルシィは魔力操作がまだつたないため、回復薬作製時に過剰に魔力を流してしまい、作製している回復薬を変質化させてしまうのだった。

『うう、申し訳ありません』

目標としている品質:並を作れず、失敗したルシィは悲しげに俯いて縮こまった。

「流石にコレを流通させると、市場が崩壊するからギルドに納品できない。
身内で使う分には問題ないから大丈夫だよ。同じことを繰り返すのではなく、やり方を変えてみるとできるかもしれないからいろいろ試してみよう」

そう言って、俺は俯くルシィの頭をなでてあげた。

「……はい!」

曇らせた表情からようやくルシィは笑顔を見せてくれた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい

冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。 何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。 「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。 その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。 追放コンビは不運な運命を逆転できるのか? (完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...