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00 新たな新郎新婦の門出と公爵家没落の始まり
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「新郎ケイよ、貴方は病めるときも健やかなるときも彼女、アリシアを愛することを女神アルティナに誓いますか?」
「誓います」
誠実さを体現した様な精悍な神父の問いかけに新郎である眉目秀麗な金髪青眼の若き公爵が即答すると、
「では、新婦アリシアよ、貴女は病めるときも健やかなるときも彼、ケイを愛することを女神アルティナに誓いますか?」
神父は続いて新郎の横にいる真っ白なウェディングドレスを身に纏った亜麻色髪の少女に問いかけた。
「……誓います」
少女が答えた。
「では誓いの……」
「……これでいいのだろう?」
神父が慣習である誓いの口づけを指示する前に新郎は新婦の左手首を取り、手に持つ結婚指輪を力任せに左手の薬指に嵌めた。
そして、新婦の手を強引に掴んで、その手にある指輪を自分の左手の同じ箇所に新婦に強引に嵌めさせた。
新郎の破天荒な行動に参列者からどよめきがあがる。
「くっ……ここに誓いは成されました。新たな新郎新婦の門出です! 皆さまご祝福ください!!」
既に段取りの最後を無理矢理終わらせられたため、とばされた行為を遡って強要することはできない。神父は強引に式を終えざるをえなかった。
参列者達も神父の苦渋の選択を感じ取り、拍手と祝福の言葉を新郎新婦に送った。
かくして、王国に新たな1組の夫婦が誕生した。この日が、参列者達の祝福を受けた彼等の新たな門出となった……はずだった。
しかし、その初夜で新郎は新婦のいる寝室を夜が明けても訪れず、その姿は別邸の寝室の寝台で彼の愛人と共にあった。
後に、この結婚が新郎の公爵家の没落の原因になるのだが、元凶である新郎、そして新郎の愛人は今は微睡みの中に落ちていた。
「誓います」
誠実さを体現した様な精悍な神父の問いかけに新郎である眉目秀麗な金髪青眼の若き公爵が即答すると、
「では、新婦アリシアよ、貴女は病めるときも健やかなるときも彼、ケイを愛することを女神アルティナに誓いますか?」
神父は続いて新郎の横にいる真っ白なウェディングドレスを身に纏った亜麻色髪の少女に問いかけた。
「……誓います」
少女が答えた。
「では誓いの……」
「……これでいいのだろう?」
神父が慣習である誓いの口づけを指示する前に新郎は新婦の左手首を取り、手に持つ結婚指輪を力任せに左手の薬指に嵌めた。
そして、新婦の手を強引に掴んで、その手にある指輪を自分の左手の同じ箇所に新婦に強引に嵌めさせた。
新郎の破天荒な行動に参列者からどよめきがあがる。
「くっ……ここに誓いは成されました。新たな新郎新婦の門出です! 皆さまご祝福ください!!」
既に段取りの最後を無理矢理終わらせられたため、とばされた行為を遡って強要することはできない。神父は強引に式を終えざるをえなかった。
参列者達も神父の苦渋の選択を感じ取り、拍手と祝福の言葉を新郎新婦に送った。
かくして、王国に新たな1組の夫婦が誕生した。この日が、参列者達の祝福を受けた彼等の新たな門出となった……はずだった。
しかし、その初夜で新郎は新婦のいる寝室を夜が明けても訪れず、その姿は別邸の寝室の寝台で彼の愛人と共にあった。
後に、この結婚が新郎の公爵家の没落の原因になるのだが、元凶である新郎、そして新郎の愛人は今は微睡みの中に落ちていた。
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