クズ公爵を殺すに刃物はいらぬ

その日、新たに1組の夫婦が誕生した。新郎は家を継いだ美男子と評判の若き公爵。新婦は子爵家の才女。多くの式の参列者に祝福と新婦はそれ以上の嫉妬を参列者の女性陣から受けつつも式は恙無く終了。

誓いの言葉は交わされ、指輪の交換はなされたが、新郎は新婦のヴェールに触れなかった上、誓いの接吻もせずに式が終わり次第、新婦を置き去りにして愛人の元に馬車を走らせた。

自身が協力者達と共に取り返しのつかないことをしでかしたとも知らずに……
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