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07 クライマックスまでカウントダウン。その前に可愛い妹分が婚姻届けにサインを強請ってきたんだが
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「兄様、お話は聞きました! リンと結婚してください!!」
冒頭から熱い求婚を俺に迫ってきているのはスザク家現当主のリン・スザクだ。
俺よりも2歳歳下ではあるが、その身体は成熟した女性の色香を纏い、胸は豊かに動く度に揺れ、鋭いスリットが入った民族衣裳をからは健康的な太ももがのぞいている。
しかし、彼女に下心を持って近寄る男で無事であった者はいない。その様な不埒な輩は全員、彼女の足で天高く蹴り飛ばされた後、気絶している間に去勢されるからだ。
リンも既に俺同様、当主としてスザク家を継いでいる。
アリシアとの婚約がなければ、俺とリンがこれまでの連綿と続いていた辺境伯家間の暗黙の流れから一緒になるはずだった。
しかし、先代と先々代スザク家当主達は諦めなかった。
リンが生まれると、彼女の身体を体に負担をかけないギリギリを見計らった早熟体質に作り変え、丈夫な子供が沢山産める様に頑健な身体にし、鍛えあげたのだ。
俺を兄と慕ってくれてもいるので可愛くない訳がないのだが、彼女の俺に向けてくる思慕、執着は尋常でないため、俺はリンの扱いに困っている。
当主教育の一環で、搦手も使わないわけではないが、リンはその気性により真っ向から敵を叩き潰すのをよしとしている。
「リンと兄様を邪魔していた泥棒猫は形だけみたいですが、馬鹿公爵に嫁ぎました。最早、愛するリン達を遮るものはなにもありません! さあ!!」
この様にグイグイくるのである。
「まぁ、待て、リン。先にクズ公爵に落とし前をつけないと駄目だ。それをしないでスザク家とセイロン家が結ばれると、中央の阿呆共がセイロン家を侮る。リンが俺と同じ立場だったら、それは絶対に許せないだろう?」
「当然です! 帝国から命を盾にして王国を守っている当家を含む四方四辺境伯家を侮る阿呆貴族に生きる価値はありません!! 分かりました。兄様が馬鹿公爵に引導を渡すまで、リンは待ちますよ」
俺が宥めると、力強い言葉で同意して、納得してくれた。
この様に、スザク家は情に厚い一族。身内には心強い味方で、敵にとっては脅威となる。
「それから、他の現辺境伯家当主と先代のスザク家当主の承認を得ていることだが、クズ公爵の被害者でもあるアリシアは王家の顔を立てて、第二夫人として、俺が娶ることになっている」
俺がそう言うと、リンは眉根を釣り上げた。
「なっ……なんでですか、兄様!?」
「落ち着け! 第二夫人と言っただろう? 俺の第一婦人は余程のことがない限り、リン、お前だ」
「本当ですか、兄様!?」
リンは表情を憤怒滾る般若から一転させて、満面の笑みに変えた。
「ああ、リンを第一夫人にすることは王家の了承を得ている。これがその証拠だ」
そう言って、俺は陛下の印璽が押された書類をリンに手渡した。リンはそれを食い入る様に読み進めた。
「アリシアと俺の婚姻は今後の四辺境伯家と王家の政治的な良好関係のためにどんな形であれ、絶対に結んでおきたいそうだ」
俺達の代を逃すと、今回のあのクズ公爵の所業の所為で、開いた王家・王族と四辺境伯家の溝が埋めるにはいつになるかわからなくなる。四辺境伯家内で親王家・王族だった当セイロン家内でも王家・王族に対して隔意をもつものが少なくない状態になってしまっている。
それもあって、四辺境伯家側の溜飲を下げるため、スザク家に納得してもらうためにアリシアの夫人としての序列を下げて婚姻することを王家に認めさせたのだ。
また、アリシアとクズ公爵の結婚は王命で白紙撤回してもらうが、流石にそのまますぐに俺とアリシアが結婚するのは外聞面で問題が出てくる。
如何にアリシアが貞操をクズから死守していても、阿呆な外野は重箱の隅を突くが如く、アリシアの身の潔白を疑う。彼女から生まれてくる第一子がクズ公爵の血を引いていると喚き立て、煮湯を飲まされているセイロン家を貶めにかかってくるのだ。
もっとも、アリシアが妊娠しているかの確認については王国最先端且つ随一の技術を持つスザク家の協力を上機嫌になったリンと確約し、書面も残したので問題はない。
冒頭から熱い求婚を俺に迫ってきているのはスザク家現当主のリン・スザクだ。
俺よりも2歳歳下ではあるが、その身体は成熟した女性の色香を纏い、胸は豊かに動く度に揺れ、鋭いスリットが入った民族衣裳をからは健康的な太ももがのぞいている。
しかし、彼女に下心を持って近寄る男で無事であった者はいない。その様な不埒な輩は全員、彼女の足で天高く蹴り飛ばされた後、気絶している間に去勢されるからだ。
リンも既に俺同様、当主としてスザク家を継いでいる。
アリシアとの婚約がなければ、俺とリンがこれまでの連綿と続いていた辺境伯家間の暗黙の流れから一緒になるはずだった。
しかし、先代と先々代スザク家当主達は諦めなかった。
リンが生まれると、彼女の身体を体に負担をかけないギリギリを見計らった早熟体質に作り変え、丈夫な子供が沢山産める様に頑健な身体にし、鍛えあげたのだ。
俺を兄と慕ってくれてもいるので可愛くない訳がないのだが、彼女の俺に向けてくる思慕、執着は尋常でないため、俺はリンの扱いに困っている。
当主教育の一環で、搦手も使わないわけではないが、リンはその気性により真っ向から敵を叩き潰すのをよしとしている。
「リンと兄様を邪魔していた泥棒猫は形だけみたいですが、馬鹿公爵に嫁ぎました。最早、愛するリン達を遮るものはなにもありません! さあ!!」
この様にグイグイくるのである。
「まぁ、待て、リン。先にクズ公爵に落とし前をつけないと駄目だ。それをしないでスザク家とセイロン家が結ばれると、中央の阿呆共がセイロン家を侮る。リンが俺と同じ立場だったら、それは絶対に許せないだろう?」
「当然です! 帝国から命を盾にして王国を守っている当家を含む四方四辺境伯家を侮る阿呆貴族に生きる価値はありません!! 分かりました。兄様が馬鹿公爵に引導を渡すまで、リンは待ちますよ」
俺が宥めると、力強い言葉で同意して、納得してくれた。
この様に、スザク家は情に厚い一族。身内には心強い味方で、敵にとっては脅威となる。
「それから、他の現辺境伯家当主と先代のスザク家当主の承認を得ていることだが、クズ公爵の被害者でもあるアリシアは王家の顔を立てて、第二夫人として、俺が娶ることになっている」
俺がそう言うと、リンは眉根を釣り上げた。
「なっ……なんでですか、兄様!?」
「落ち着け! 第二夫人と言っただろう? 俺の第一婦人は余程のことがない限り、リン、お前だ」
「本当ですか、兄様!?」
リンは表情を憤怒滾る般若から一転させて、満面の笑みに変えた。
「ああ、リンを第一夫人にすることは王家の了承を得ている。これがその証拠だ」
そう言って、俺は陛下の印璽が押された書類をリンに手渡した。リンはそれを食い入る様に読み進めた。
「アリシアと俺の婚姻は今後の四辺境伯家と王家の政治的な良好関係のためにどんな形であれ、絶対に結んでおきたいそうだ」
俺達の代を逃すと、今回のあのクズ公爵の所業の所為で、開いた王家・王族と四辺境伯家の溝が埋めるにはいつになるかわからなくなる。四辺境伯家内で親王家・王族だった当セイロン家内でも王家・王族に対して隔意をもつものが少なくない状態になってしまっている。
それもあって、四辺境伯家側の溜飲を下げるため、スザク家に納得してもらうためにアリシアの夫人としての序列を下げて婚姻することを王家に認めさせたのだ。
また、アリシアとクズ公爵の結婚は王命で白紙撤回してもらうが、流石にそのまますぐに俺とアリシアが結婚するのは外聞面で問題が出てくる。
如何にアリシアが貞操をクズから死守していても、阿呆な外野は重箱の隅を突くが如く、アリシアの身の潔白を疑う。彼女から生まれてくる第一子がクズ公爵の血を引いていると喚き立て、煮湯を飲まされているセイロン家を貶めにかかってくるのだ。
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