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第1章 王国の北方、アウロラ公爵領で家庭教師生活
第11話 王立学園入学試験概要とその主旨
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「では本日授業初日なので、まず今日は王立学園入学試験がどのような内容のものであるか確認をします。わからないことがあれば質問してください。それから、お2人の現在の実力を模擬試験で確認します」
シャル様とレティさんの姦しいじゃれあいがまた発生しそうだったので、俺は両手を叩いて、2人の注意をこちらに向けた。
「はい。ディー先生」
「失礼しました。ディー様。お話をお続けください」
表情を引き締めた2人は俺の言葉を聞き逃すまいと背筋を伸ばした。
子供だから概要の説明は必要ないと思う講師や家庭教師は多いらしい。しかし、そういう侮った姿勢は敏感な年齢の王立学園受験生には伝わってしまっている。
お互いの信頼を損なった状態で授業を進めて臨んだ結果が出せないのは問題なので、俺はきちんと説明することにしている。
「では王立学園の入学試験の大まかな内容と流れを説明します。事細かに覚えておく必要はありませんが、予め知っておくことで余裕をもって臨むことができます。
王立学園の入学試験は貴族だけでなく、学園の創設者であらせられる初代国王陛下の御意向により、平民でも受験料を支払えば受けることは可能です。
平民でも受験可能とは言っても受験料単体の料金は決して安くはなく、首尾よく入学できてもその後必要になる学費は簡単に平民が用意できる金額ではありません。そんな平民合格者を補助する奨学金という制度がありますが、話が大きく逸れてしまうので、ここでは割愛します。そういった金銭面の問題があるため、王立学園の入試を受験する平民の大半は貴族の後援があるレティさんの様に受験する貴族に付いていくのを希望している平民出身の従者もしくは商売に成功した資産に余裕のある商人の子供です。
受験資格は満12歳以上となっていますが、試験問題の内容を鑑みて一般的に受験するのは13歳が通例化しています。学園史上で12歳で合格した方はいません。
王立学園の入学試験は筆記、実技、面接の3部で構成されています。筆記と実技で合格点に到達した受験者が最終試験である面接に進む仕組みです。余程本人に問題がなければ面接まで進めばほぼ確実に入学できます」
貴族社会だから一部の名ばかりの貴族が使っている権力による圧力で、確かに筆記試験と実技試験で成績に下駄を履かせることは可能。
しかし、面接試験はそうはいかない。しかも、そう言った権力でねじ込んできた貴族子弟の面接官は厳しく辛めの評価をする学園長が担当することになっている。
「あのっ」
「ん? どうかしましたかレティさん?」
レティさんが挙手をして発言許可を求めてきたので俺は発言を促した。
「面接まで進んで不合格になった受験生はいるのですか?」
もっともな疑問をレティさんは俺にぶつけてきた。レティさんの隣の席に座っているシャル様もコクコクと頷いてその答えに興味津々のご様子。
「ええ、毎年必ず面接で無神経な発言をして不合格になる人はいるそうです。知り合いの王立学園の入試面接官の話によると、王国法で亜人種差別発言や他種族迫害は禁止されているにも関わらず、平然と入学の目的は亜人種の差別と迫害のために力をつけるためであるとか自慢気に言う貴族の子弟がいるそうです。王立学園は多種族融和を目的の1つに掲げているので、お2人もそれを絶対に忘れないでください」
言わずもがな、合格者発表後に貴族の権力で筆記試験と実技試験を突破したけれども、面接試験で学園長に落された連中のことだ。
しかも、親がほぼ必ず学園の職員室にまでやって来るので、入試案内の落第になる面接試験の禁句ページを開いて見せるのが恒例となっているらしい。そして、職員達は毎年暴れ出した親達を魔術で拘束して王城に報告して引き渡しているそうだ。
毎度言い掛かりも変わり映えしないから面倒だと毎年面接官をしている大戦を生き残った王国長寿番付で1、2を争っているエルフの学園長が入試後に俺に会う度に絡んできてぼやくのだ。
「話が逸れましたが、それら3つの試験を1日で終わらせる流れになっています。最初に行われる筆記試験の構成は半分が選択問題で、あとの3割が記述問題。最後の2割は通常、王立学園の入学を目指す年齢ではまず解けないレベルの難問が出題されます。昨年までの統計で、この筆記試験で受験者全体の6割程度が不合格になっています」
筆記試験で落ちた上級貴族の子弟子女達は次年度に行われる編入試験を目指して、専門の家庭教師を雇って雌伏の時を過ごすことになる。編入試験の内容は学園で実施する試験と同じもので筆記試験の合格基準は平均点以上とハードルは高い。これはシャル様とレティさんには敢えて教えない。
「筆記試験は試験時間いっぱいまで使うことも可能ですが、解答に自信があれば早期退出が認められています。但し、早期退出が合格評価に加わることはありません。
お2人はされないと思いますが、魔導具やスキルを使った不正行為は固く禁止されていて、発覚次第、強制退室させられた上、再受験資格の喪失と王城へ報告されます。
筆記試験を終えて退出した受験生から、控え室で休憩となります。そして、試験管が筆記試験の結果を伝えに来て、合格だった場合は次の実技試験の会場に移動します。実技試験の内容は武術と魔術どちらか選択が可能です。筆記試験の成績上位者であれば試験官を相手にした模擬戦。及第点付近であれば標的に対して、武技もしくは魔術を監督官の指示に従って行使するものとなっています」
過去に魔導具を使ってお互いの解答を教えあおうとしていた主従がいて、魔導具の使用で反応する学園長が仕込んだ術式が反応。魔導具の使用と同時に強面で怖い警備員の人たちがスタンバっている部屋に強制転移。持ち物を検められて発覚。受験資格を喪失した。そして、受験生の両親は王城に召喚されて爵位を下げられた。
筆記試験は解答用紙自体に術式が仕込まれていて、受験者が退出した時点で別室の試験官に選択問題の採点結果が伝わる様になっている。記述問題に関しては教員総出で対応しており、学園長と学園長が指名依頼で雇った魔術師2名の計3名が最終確認を行っている。
実技と聞いて、シャル様の表情が曇った。やはり、かなりの苦手意識をお持ちのようだ。
「実技試験が終わってから昼食休憩になります。大体2時間後に総合合否結果が別室で試験官から伝えられ、合格者はそのまま面接試験の会場へ案内されます。面接終了と共に王立学園の入学試験は終了。数日後の合格発表とともに入学式の案内が配布されて、入学試験から1週間前後で入学式が行われ、式後に学級が割り振られます。割り振られる学級は試験の成績がだけでなく、お2人の様な主従関係をもつ人達のことに配慮されて決められます」
誰かさんのおかげで俺がなぞることができず、後年入学して学園に通っている俺の義弟と義妹の通った正規の流れを未来の王立学園生を目指しているこの2人に説明した。
「教授の事前情報で、お2人は筆記よりも実技を重視した指導を行う必要があるようですが、それを鵜呑みにして、対策をなにもしないで筆記試験の点数が合格点にとどかなかったのが原因で落ちたとなっては話になりません。ですので、この今年の模擬試験でお2人の筆記試験の実力を診断します」
そう言って、俺は2人に封筒から取り出した模擬試験問題の紙束を見せた。
「……王立学園の入学試験は毎年傾向が異なっていて対策できないとディー様の前に勉強をみていただいていた教師の方が仰っていたのですが……」
レティさんが上目遣いでおずおずと俺にそう告げた。
「ああ、数年周期で見るとそう思っても仕方ないのですが、数十年周期で見ると、2~3年間の問題が組み換えられて使い回されて作られているんです。エルフ故に寿命が長いからバレことはないだろうって学園長そうして手を抜いているんですよ」
試験問題の作成が難しいのは分からないでもないが、王国エリートコースの登竜門でそれをやられていることを知ったとき、俺はなんとも言えない複雑な気持ちになった。
さて、筆記試験合格ラインは正答率6割以上。きちんと学習を重ねて選択問題で大きなミスをしないで、記述問題で余程常軌を逸した解答をしなければ、筆記試験の合格は実は充分可能。可能なのだが、毎年6割程度がケアレスミスを重ねるなどして選択問題で点を落してしまっているのが実状。
秘匿情報だが、筆記試験を少なくとも及第点で通過できれば実は実技試験の突破は難しいものではない。理由は明快なもので、学園入学後に磨くものだからだ成績上位者と試験官による模擬戦は試験官を務める学園長達の驕る成績上位者達の鼻っ柱を折ってやろうという意図の下に行われているのだ。
しかし、シャル様の様に、上級貴族で知識はありますが、武術も魔術もできませんでは王立学園の入学はできるかもしれないけれども、口さがない陰口の所為で学園生活が厳しいものになるのは想像に難くない。この点をアイザック様は懸念されている。
王立学園の入試は地球世界の現代日本の中学受験と似たようなものである。ただし、こちらの世界の方が識字率と学力格差が大きいのと専門性が強い内容を王立学園入試は含んでいるため、難易度の上下をつけることはできないし、それをする意味はないだろう。
「今日教える王立学園入試の概要は以上です。さて、これからお2人には模擬試験をしてもらうのですが、その前に僕はこの仕事を受けるに当たり、其々に必ず訊くと決めたことがあります。なぜ、王立学園に入学したいのですか? シャルロッ……シャル様からお答えください」
どうして俺がこんなことを訊くのかというと、当然試験に絡んでくるからだ。
筆記試験の記述問題が問うの様々な分野の専門知識が必要な問題を読み解いていく思考力。しかし、その裏に隠されているのは主に受験者自身の解答の思考過程で浮き彫りになる学園に入学する動機。
きちんとした目的意識と志を持った解答意志が見える受験者の解答に対しては、その意欲と内容に応じた評価がきちんとされる様になっている。
逆を言えば、ここが大きな篩にもなっていて、無解答はいうに及ばず、支離滅裂な解答だったら減点対象にもなる所だ。
シャル様とレティさんの姦しいじゃれあいがまた発生しそうだったので、俺は両手を叩いて、2人の注意をこちらに向けた。
「はい。ディー先生」
「失礼しました。ディー様。お話をお続けください」
表情を引き締めた2人は俺の言葉を聞き逃すまいと背筋を伸ばした。
子供だから概要の説明は必要ないと思う講師や家庭教師は多いらしい。しかし、そういう侮った姿勢は敏感な年齢の王立学園受験生には伝わってしまっている。
お互いの信頼を損なった状態で授業を進めて臨んだ結果が出せないのは問題なので、俺はきちんと説明することにしている。
「では王立学園の入学試験の大まかな内容と流れを説明します。事細かに覚えておく必要はありませんが、予め知っておくことで余裕をもって臨むことができます。
王立学園の入学試験は貴族だけでなく、学園の創設者であらせられる初代国王陛下の御意向により、平民でも受験料を支払えば受けることは可能です。
平民でも受験可能とは言っても受験料単体の料金は決して安くはなく、首尾よく入学できてもその後必要になる学費は簡単に平民が用意できる金額ではありません。そんな平民合格者を補助する奨学金という制度がありますが、話が大きく逸れてしまうので、ここでは割愛します。そういった金銭面の問題があるため、王立学園の入試を受験する平民の大半は貴族の後援があるレティさんの様に受験する貴族に付いていくのを希望している平民出身の従者もしくは商売に成功した資産に余裕のある商人の子供です。
受験資格は満12歳以上となっていますが、試験問題の内容を鑑みて一般的に受験するのは13歳が通例化しています。学園史上で12歳で合格した方はいません。
王立学園の入学試験は筆記、実技、面接の3部で構成されています。筆記と実技で合格点に到達した受験者が最終試験である面接に進む仕組みです。余程本人に問題がなければ面接まで進めばほぼ確実に入学できます」
貴族社会だから一部の名ばかりの貴族が使っている権力による圧力で、確かに筆記試験と実技試験で成績に下駄を履かせることは可能。
しかし、面接試験はそうはいかない。しかも、そう言った権力でねじ込んできた貴族子弟の面接官は厳しく辛めの評価をする学園長が担当することになっている。
「あのっ」
「ん? どうかしましたかレティさん?」
レティさんが挙手をして発言許可を求めてきたので俺は発言を促した。
「面接まで進んで不合格になった受験生はいるのですか?」
もっともな疑問をレティさんは俺にぶつけてきた。レティさんの隣の席に座っているシャル様もコクコクと頷いてその答えに興味津々のご様子。
「ええ、毎年必ず面接で無神経な発言をして不合格になる人はいるそうです。知り合いの王立学園の入試面接官の話によると、王国法で亜人種差別発言や他種族迫害は禁止されているにも関わらず、平然と入学の目的は亜人種の差別と迫害のために力をつけるためであるとか自慢気に言う貴族の子弟がいるそうです。王立学園は多種族融和を目的の1つに掲げているので、お2人もそれを絶対に忘れないでください」
言わずもがな、合格者発表後に貴族の権力で筆記試験と実技試験を突破したけれども、面接試験で学園長に落された連中のことだ。
しかも、親がほぼ必ず学園の職員室にまでやって来るので、入試案内の落第になる面接試験の禁句ページを開いて見せるのが恒例となっているらしい。そして、職員達は毎年暴れ出した親達を魔術で拘束して王城に報告して引き渡しているそうだ。
毎度言い掛かりも変わり映えしないから面倒だと毎年面接官をしている大戦を生き残った王国長寿番付で1、2を争っているエルフの学園長が入試後に俺に会う度に絡んできてぼやくのだ。
「話が逸れましたが、それら3つの試験を1日で終わらせる流れになっています。最初に行われる筆記試験の構成は半分が選択問題で、あとの3割が記述問題。最後の2割は通常、王立学園の入学を目指す年齢ではまず解けないレベルの難問が出題されます。昨年までの統計で、この筆記試験で受験者全体の6割程度が不合格になっています」
筆記試験で落ちた上級貴族の子弟子女達は次年度に行われる編入試験を目指して、専門の家庭教師を雇って雌伏の時を過ごすことになる。編入試験の内容は学園で実施する試験と同じもので筆記試験の合格基準は平均点以上とハードルは高い。これはシャル様とレティさんには敢えて教えない。
「筆記試験は試験時間いっぱいまで使うことも可能ですが、解答に自信があれば早期退出が認められています。但し、早期退出が合格評価に加わることはありません。
お2人はされないと思いますが、魔導具やスキルを使った不正行為は固く禁止されていて、発覚次第、強制退室させられた上、再受験資格の喪失と王城へ報告されます。
筆記試験を終えて退出した受験生から、控え室で休憩となります。そして、試験管が筆記試験の結果を伝えに来て、合格だった場合は次の実技試験の会場に移動します。実技試験の内容は武術と魔術どちらか選択が可能です。筆記試験の成績上位者であれば試験官を相手にした模擬戦。及第点付近であれば標的に対して、武技もしくは魔術を監督官の指示に従って行使するものとなっています」
過去に魔導具を使ってお互いの解答を教えあおうとしていた主従がいて、魔導具の使用で反応する学園長が仕込んだ術式が反応。魔導具の使用と同時に強面で怖い警備員の人たちがスタンバっている部屋に強制転移。持ち物を検められて発覚。受験資格を喪失した。そして、受験生の両親は王城に召喚されて爵位を下げられた。
筆記試験は解答用紙自体に術式が仕込まれていて、受験者が退出した時点で別室の試験官に選択問題の採点結果が伝わる様になっている。記述問題に関しては教員総出で対応しており、学園長と学園長が指名依頼で雇った魔術師2名の計3名が最終確認を行っている。
実技と聞いて、シャル様の表情が曇った。やはり、かなりの苦手意識をお持ちのようだ。
「実技試験が終わってから昼食休憩になります。大体2時間後に総合合否結果が別室で試験官から伝えられ、合格者はそのまま面接試験の会場へ案内されます。面接終了と共に王立学園の入学試験は終了。数日後の合格発表とともに入学式の案内が配布されて、入学試験から1週間前後で入学式が行われ、式後に学級が割り振られます。割り振られる学級は試験の成績がだけでなく、お2人の様な主従関係をもつ人達のことに配慮されて決められます」
誰かさんのおかげで俺がなぞることができず、後年入学して学園に通っている俺の義弟と義妹の通った正規の流れを未来の王立学園生を目指しているこの2人に説明した。
「教授の事前情報で、お2人は筆記よりも実技を重視した指導を行う必要があるようですが、それを鵜呑みにして、対策をなにもしないで筆記試験の点数が合格点にとどかなかったのが原因で落ちたとなっては話になりません。ですので、この今年の模擬試験でお2人の筆記試験の実力を診断します」
そう言って、俺は2人に封筒から取り出した模擬試験問題の紙束を見せた。
「……王立学園の入学試験は毎年傾向が異なっていて対策できないとディー様の前に勉強をみていただいていた教師の方が仰っていたのですが……」
レティさんが上目遣いでおずおずと俺にそう告げた。
「ああ、数年周期で見るとそう思っても仕方ないのですが、数十年周期で見ると、2~3年間の問題が組み換えられて使い回されて作られているんです。エルフ故に寿命が長いからバレことはないだろうって学園長そうして手を抜いているんですよ」
試験問題の作成が難しいのは分からないでもないが、王国エリートコースの登竜門でそれをやられていることを知ったとき、俺はなんとも言えない複雑な気持ちになった。
さて、筆記試験合格ラインは正答率6割以上。きちんと学習を重ねて選択問題で大きなミスをしないで、記述問題で余程常軌を逸した解答をしなければ、筆記試験の合格は実は充分可能。可能なのだが、毎年6割程度がケアレスミスを重ねるなどして選択問題で点を落してしまっているのが実状。
秘匿情報だが、筆記試験を少なくとも及第点で通過できれば実は実技試験の突破は難しいものではない。理由は明快なもので、学園入学後に磨くものだからだ成績上位者と試験官による模擬戦は試験官を務める学園長達の驕る成績上位者達の鼻っ柱を折ってやろうという意図の下に行われているのだ。
しかし、シャル様の様に、上級貴族で知識はありますが、武術も魔術もできませんでは王立学園の入学はできるかもしれないけれども、口さがない陰口の所為で学園生活が厳しいものになるのは想像に難くない。この点をアイザック様は懸念されている。
王立学園の入試は地球世界の現代日本の中学受験と似たようなものである。ただし、こちらの世界の方が識字率と学力格差が大きいのと専門性が強い内容を王立学園入試は含んでいるため、難易度の上下をつけることはできないし、それをする意味はないだろう。
「今日教える王立学園入試の概要は以上です。さて、これからお2人には模擬試験をしてもらうのですが、その前に僕はこの仕事を受けるに当たり、其々に必ず訊くと決めたことがあります。なぜ、王立学園に入学したいのですか? シャルロッ……シャル様からお答えください」
どうして俺がこんなことを訊くのかというと、当然試験に絡んでくるからだ。
筆記試験の記述問題が問うの様々な分野の専門知識が必要な問題を読み解いていく思考力。しかし、その裏に隠されているのは主に受験者自身の解答の思考過程で浮き彫りになる学園に入学する動機。
きちんとした目的意識と志を持った解答意志が見える受験者の解答に対しては、その意欲と内容に応じた評価がきちんとされる様になっている。
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注意
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感想は受け付けていません。
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