学校で流行ってる何人浮気できるかゲーム

学校で流行ってる何人浮気できるかゲーム

この学校の女子である私たちに、随分過酷なゲームが到来した。
彼氏いる勢対象者の、「何人浮気できるかゲーム」！
そう、彼氏を持つ者で、もしもより多くを求めるなら、より多くを望めと言うことである。
要は、たくさん浮気したものが勝ちというルール。
「……私、浮気なんかしたことないよ？」
「いや、あんたはしてるでしょ。私は知ってんだからね」
「えー？ うそぉ」
「……はぁ！？ なんなのその余裕は！」
あ、ヤバい。どうやらこの子には私がゲーム参加者だと分かっているらしい。
「だってぇ、私には彼氏がいるしぃ……」
「だから何よ！」
「いやいや、そんなこと言ってもねぇ……。もう、あの人としかキスとかできないっていうかさぁ……」
「じゃあ、あんたがこのゲームに参加したこと認めるってことでいいわよね？」
「意味わかんないんだけど！」
「だってあなたと交際してますって男、3人いるんだけど。」
「はぁ…誤魔化してごめん。私もゲームの参加者なの。」
認めざるを得ない。軽蔑されるだろうな。すると、その子は言った。
「私からすれば、そんなに男落とせるとか羨ましいわ。」
「え？」
そんなに気に病むことなんだろうか。私には分からない。
「男なんてちょっとセクシ－なことすれば一発だよ？」
「いや、でもさ、付き合ってるのは彼氏だけじゃないじゃん？ そういうのとは違う気がするけど……」
「別に本当に好きじゃないからこそ、そういうことで落ちるの。」
これはマジだ。セクシーなことすれば大抵こっちのこと見てくる。
脚組んだり、チラしたり、耳元で囁いたり。それで落ちた男は何人もいる。
なんでこのくだらないゲームに参加したのかは覚えていない。でも、今となっては参加してよかったと思っている。
「なるほど。じゃあさ、私にもチャンスあるかな？」
「えっ？」
予想外の返答だった。てっきり、もうやめなよとか言われると思っていた。
「え？やりたいの？このゲーム？」
「うん。男子と、そういう感じになったことないし。」
「そんなピュアな子はダメだよ…」
「でも、やってみたいの！お願い！」
そこまで言うなら仕方がない。協力しようではないか。
「分かったよ。私と一緒に頑張ろ？」
「ありがと！」
それからというもの、私は彼女のサポートをするようになった。ちょっと可愛らしくしてあげたり、ぎりぎり見えない脚組みの角度とかを考えてみたり、色々と。
そして1週間後、ついに彼女は、一人の男子を彼氏にすることに成功した。
私は少し嫉妬していたけれど、まあ彼女も満足しているようだし、良いとするか。
このゲームで度々起こるのが、ターゲットが被った場合だ。
あの人、彼氏にしたい！と思っても、別の女子がその人をターゲットにしている場合もあるのだ。私はその時、その人のことをよく知らなかったので、ターゲットを変えるように他の女子に言っていたのだが、まさかそれが私の彼氏になるとは思っていなかった。
本命の彼氏がたくさんの女子に狙われている…という状況になった時、彼はどんな気持ちになるんだろう。
私は気になって、ある日彼に聞いてみた。
「ねえ、もし私の他にたくさん女がいたらどう思う？」
「お前のことは好きだし、別れたくないから、お前一人で行く。」
「へぇ～……。」
正直、惚れ直した。こんなピュアな心ではゲームには勝てないけど。
私の方が彼を手放すことができなくなってしまった。
彼のことが大好きすぎて、他の人と浮気しても、結局は彼が一番好きなのだ。
普段しないようなことだが、久しぶりにイチャイチャしたくなったので、彼の腕に抱きついた。「ん？どーした？」
「なんでもないよ♪」
あぁ、幸せだなぁ。そう思った。
でも、でも…
なんでだろう。今、彼は違う子とイチャイチャしている。
この間、テクニックを教えたあの子にだ。あの子、もう積極的に男子を狙うようになって、とうとう私の彼氏まで奪ってしまった。
「うっ…うぅ…なんでぇ…」
どうしてこんなことに……
私はただ、ゲームをしていただけなのに。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
涙が止まらなかった。
すると、後ろから声をかけられた。
「……大丈夫？」
振り返ると、そこには彼女がいた。
「あんた！なんで私の彼氏を！」
「ねえ、私だってゲームをしていただけなの。悪く思わないでね。」
「……あんたがやったことは許せない！絶対に！」
「じゃあ、あなたも私と同じことしてきたんじゃない？他の子に」
「……どういう意味？」
「あなたは私よりも多くの男を落とした。だからあなたも同じようなことをしているのよ」
「…………っ！！」
もう、やめたい。嫌だ。こんな自分、嫌いだ。