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セクシー上司を助けないと

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仕事にならないのだ。あんな女上司がいては。見えそうな下半身。男なら誰だって気になるだろ?
「なによ! あたしの脚なんか見て!」
「あ、いや」
俺は言葉を飲み込んだ。
「ふーん……見たいんだ?」
「違いますって。」「じゃあなんで目逸らすのよ?」
「別に……」
「正直に言いなさいよっ!!」
彼女は俺を睨みつけた。その鋭い眼光に射抜かれて、俺の身体は硬直した。そして彼女の顔がゆっくりと近づいてくる。
「ちょ、ちょっと待った! 何するんですか!?」
「あんたの目を見つめるだけよ」
「いや、それはまずいでしょ……」
「まずくないわよ。ほら、ちゃんと見なさい」
そう言って、さらに顔を近づけてくる彼女。俺は目を閉じようとしたのだが、何故か金縛りにあったように動けなかった。息遣いも感じられるほどの距離まで来ると、彼女は言った。
「どう? 興奮してきた?」…….ああもうだめだ……。俺は観念して目を閉じた。
「あら残念。でも仕方ないか。初めてだったもんね」……え?
「いいのよ。あなたはまだ子供なんだから」
「はぁ……」
「これから大人になっていけばいいじゃない」
「はい」
そんな感じですっかり子供扱いされて働くのだが、やっぱり仕事にならない。上司はエッチすぎる。
日頃から、スカートが短いとか胸元が見えそうとか思ってたけどさ、今日なんて本当にパンツ見えたんだよ。白いヤツ。すげぇエロかった。
「ねぇ、これお願いできるかな?」
彼女は書類を差し出した。
「はい」
僕らの会社はちょっと不思議な組織だ。宇宙人とのメッセージを交わし、地球の平和を守っているという極秘組織なのだ。
「ありがとう」
彼女は微笑むと、再びパソコンに向かって作業を始めた。脚を組む動作が妙に艶めかしい。俺は思わず視線を奪われた。すると彼女がこちらを向いて、
「また見てる」と言った。
「あっすみません」
「まあいいわ。」
しかし、彼女は今、ピンチに陥っている。取引先の宇宙人と揉めて、地球侵略を宣言されてしまったのだ。この秘密組織は、地球人を守るためにあるのだが、宇宙人と戦う力はない。
「大丈夫ですかね?」
「心配しないで。私に任せておきなさい」
僕は少し不安になった。この人はいつも強気だが、無理をしているのではないかと。それに、額に汗が出ていたのも暗示させた。
「あの、無理しないほうが……」
「えっ!? 無理なんかしてないわよ! 失礼ね!」
そう言うと彼女は部屋を出ていった。
それから数時間後、突然サイレンが鳴り響いた。敵襲を告げる警報だ。
「みんな聞いて!奴らが攻めてきたわ!」
彼女は部下たちに指示を出した。
「地下にシェルターがあるから…あんっ!」その時、彼女の背後から何者かが現れた。
「動くな! おとなしくしろ!」
それは宇宙人だった。その手には銃のようなものを持っている。
「キャーッ!! 助けてぇ!!」
彼女は必死に抵抗するも、あっさり捕まってしまった。
「おい、そいつを捕まえろ!」
宇宙人たちは僕たちを捕え始めた。当然、僕は抵抗した。
「先輩!」
宇宙人を蹴散らして先輩の元へむかう。意外と体が動くな。
「た、助けてぇ…」彼女は涙目になっていた。
彼女を抱きかかえてその場を逃走する。なんとか脱出に成功したようだ。
「あ、ありがと……」
「いえ、それより、どうします?」
「そうね、とりあえず地下へ逃げるしかないわね」
僕らはエレベーターに乗り込んだ。しかし、運悪く故障中らしく動かない。
「階段を使います。」
「あの、いつまでお姫様抱っこなの?」
「僕はあなたが好きなんです! だから離しません! 絶対に守り抜きます!」
「…….わかった。お願いね」
こうして僕たちは地下へと降りていった。
数分後、ようやく到着した。急いで奥の部屋へと向かう。そこには巨大なカプセルがあった。
「早く入って!」僕は彼女に促され、カプセルに入った。そして扉を閉めると、天井の一部が開いて光が差し込んできた。どうやら逃げ切れそうだ。
「ふう……これでひと安心ですね」
「ええ、ありがとう。助かったわ」
彼女は笑顔を見せた。
「言葉は変だけど、今、あなたに、惚れた。」
「えっ!?」
彼女は今、すごいことを言った。
「私のこと、守ってくれるんでしょ? その……ずっと側にいてくれるってことでしょ?」
「もちろんですよ。」
「じゃあさ……結婚しよっか?」
「ええ!?」僕は戸惑った。でも嬉しかった。
「はい!よろしくお願いします!」
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