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1巻
1-2
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VIP会員しか選べない特別なレンタル彼氏である清道は、女性の扱いに関してはプロ中のプロだ。
それに清道とは、これが終われば二度と会う事はないだろう。そんなふうに考えてみると、にわかに気持ちが楽になってきた。
勧められるままソファに腰を下ろし、前にあるテーブルに置かれたシャンパングラスを手に取る。
ひと口飲んでみると、想像以上に美味しかった。目をパチクリさせながら、桃色の泡が底から立ち上っているグラスを眺める。
「美味しい……」
テーブルの向こうには一人掛けのソファがあり、清道がそこに腰を下ろした。
「気に入ったようでよかった。よかったら、これも一緒にどうぞ」
清道がテーブルの上に置いたプレートには、ピンク色の焼き菓子が載せられている。
スティッククッキーのようだが、上に粉砂糖が掛かっていて見た目も可愛らしい。
「ありがとう」
ひとつ手に取って口に入れようとした時、清道が手に持ったクッキーを軽く振って注意を引いてきた。彼はクッキーをシャンパングラスに浸すと、奈緒が見ている前でそれを齧った。
「これ、そうやって食べるものなの?」
「一応ね。もちろん、そのまま食べても構わないよ」
清道が言うには、奈緒がクッキーだと思っていたのはビスキュイ・ローズというビスケットであるらしい。フランスのシャンパーニュ地方で作られているそれは、材料のひとつにシャンパンが使われているという。
「へえ……もしかしてシャンパンって、シャンパーニュって地名が由来なの?」
「シャンパンは、シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインの事をさすからね。だから、そこ以外で作られたものはシャンパンとは言わないんだ」
「あ、なんだかそれ、聞いた事があるかも」
それからしばらくの間、ワインやお菓子について話をした。
アルコールはもとより、スイーツに関してもさほど詳しくない奈緒に対して、清道は驚くほど知識が豊富だった。
シャンパンを飲み進めながら興味深く話を聞いているうちに、話題が原材料にまで及んだ。
「人に押し付けたり意見したりするつもりはないが、何を作るにしても材料にはある程度こだわったほうがいいのは確かだ」
「私もそう思う。自然派を謳って極端な話をするつもりはないけど、これだけはと思うものにはとことんこだわりたいし、ぜったいに譲れない信念があるもの」
清道が大きく頷くのを見て、奈緒は我知らず前のめりになった。
「もちろん、そう言い切れるだけの理由も自信もある。だからこそ続けられるし、頑張って築き上げてきたものの良さを全国の人にわかってもらいたいと――」
つい熱くなって、うっかり仕事モードになって自社製品をアピールしそうになってしまった。
せっかくの誕生日デートに、いったい何をしているんだか……
つくづく可愛げも面白みもない女だ。
きっと、こんなだから浮気された挙句、一方的に別れを告げられてしまうのだろう。
「ふふっ……」
我知らず苦笑して、グラスに残っていたシャンパンをグイと飲み干す。なんだかんだ言って、未だに元カレとの別れを引きずりまくっている自分が情けなさすぎる。
空のグラスを持つ手が止まった時、急に涙が込み上げてきた。唇を噛みしめて我慢していると、立ち上がった清道が腰かけていたソファを離れ奈緒の隣に移動してきた。
「大丈夫か? 何か吐き出したい事があるなら遠慮なく話してくれ」
清道が座ったのはソファの端で、奈緒がいる位置から一人分距離が離れている。
彼の話す声は落ち着いており、気遣いを感じつつも押し付けがましくない。おそらく、これまでに何百人という女性の相手をして、たくさんの愚痴や泣き言を聞かされたはずだ。
清道なら、ぜんぶ吐き出しても受け入れてくれるに違いない。
元カレの事を少しでも忘れる事ができるなら――
そう思った奈緒は、こくりと頷いたあとゆっくりと口を開いた。
「実はね……」
奈緒は思いつくままに元カレとの出会いから別れまでのいきさつを話し始める。
はじめて会ったのは、大学の友達がセッティングした食事会という名の合コン。たまたま正面に座っていた事もあり、話をして連絡先を交換した。
それからなんとなく付き合い始め、互いに結婚を意識したのをきっかけに同棲がスタートした。
でも、はしゃいでいたのは最初だけで、徐々にときめきがなくなってマンネリ化した関係に陥っていた。
今思えば、そうと気づきながら放置していたのがいけなかったのだろう……
そのうちスキンシップすらしなくなり、セックスレスになっていた。
だからといって仲が悪くなったわけではないが、いつの間にか恋人というよりは仲のいい異性の同居人と化していただけだ。
「私だって、最初はおしゃれしてメイクも頑張ってたんだけどなぁ。でも、一緒にショッピングに行ってよさそうなワンピースを試着してもまるで興味なさそうだし、そのうち私服なんかどうでもいいやって思うようになっちゃって」
その分、仕事用の洋服にお金をかけるようになった。いいものを着ていると思えば自然と自信がつき、士気も上がった。
「そしたら、不思議と交渉も上手くいくようになって、業績がアップしたのよ。そうなると仕事に対する意欲がグーンと上がっちゃって、わき目もふらずに頑張ったらもっと成果が出て、どんどんビジネス脳が活性化されて――」
元カレの話から仕事の話に移った途端に、どんよりとしていた気持ちが晴れやかになる。
「いいものを着ていれば気分が上がるのは当然だ。それは仕事や言動にも作用するし、一緒にいる相手にも伝わる。奈緒の仕事が上手くいくようになったのは、君が自分を正しくコーディネイトしたからだよ」
「あ……ありがとう」
清道の言葉を聞いたあと、別れ話を切り出した元カレに言われた台詞がフラッシュバックする。
『奈緒は仕事ばかりしてたじゃないか。だから、寂しくて浮気してしまったんだ』
『僕に対して気を遣わなくなったっていうか、家では女を捨ててたよね』
『家事もおろそかになってたし、正直言って一緒にいる意味がわからなくなってた』
今思えば、それらしき事は普段からそれとなく伝えられていた。けれど、忙しさにかまけてそれをスルーしていたのは自分自身だ。
「確かに元カレよりも仕事を優先してたし、休みの日はノーメイクで一日中だらだらしてた時もある。気も遣えてなかっただろうし、家事も行き届いてなかった。でも、この数年がむしゃらに頑張ってきたからこそ、今があるの。だから、後悔はしてないわ」
清道は時折相槌を打ちながら、黙って耳を傾けてくれている。そして、話が途切れたのを待っていたように、奈緒のグラスにシャンパンを注ぎ足してくれた。
「奈緒が仕事を優先させた気持ちもわかるし、君がそれに納得しているのなら元カレとの別れは必然だったんだと思う」
清道から差し出されたビスキュイ・ローズを受け取って、グラスの中のシャンパンに浸した。
生地がほろりと溶けて、ふんわりとした甘さと優しいほろ苦さが口の中いっぱいに広がる。
「それに、自分に対して気を遣わなくなっただの、家事がおろそかになってただの、元カレは王様か何かか? 子供じゃないんだから自分の面倒は自分で見るべきだ。おおかた奈緒にいろいろと依存した生活をしていたんだろうな」
呆れを通り越したような表情を浮かべる清道を見て、心がふっと和んだ。
元カレはさておき、仕事以外で男性とこんなふうに話すのは、どれくらいぶりの事だろうか。
「もしかして奈緒は、元カレの浮気の原因は自分にあると思っているんじゃないか? もしそうなら、その考えは改めるべきだ。どんな理由があるにせよ、浮気は相手に対する裏切り行為だ。悪いのは元カレであって、奈緒じゃない」
頭では元カレに対して激しく憤っていたし、最悪の別れ方を選んだ最低の男だと思っていた。
けれど、心のどこかでは、浮気の原因は自分にあると思っているところがあったみたいだ。
「不満があるなら話し合って解決すべきだろう? それをせずに浮気に走った元カレは、男として最低のやつだ。少なくとも、俺はそう思うね」
きっぱりと断言され、元カレと別れて以来ずっと引きずっていた錘のようなものがふっと消えてなくなったような気がした。
「奈緒は外見だけじゃなく中身も魅力的な女性だ。元カレは器が小さい上に、審美眼を持たないやつのようだな。今聞いただけでもかなり自分本位な考えの持ち主だし、その程度の男とは別れて正解だったんじゃないか」
そう言ってグラスを傾ける清道に倣って、シャンパンを立て続けに二口飲む。
ずっと胸にあった苦い思い出が清道の言葉で浄化され、シュワシュワと音が立つシャンパンの泡とともに消えていく。
「男の人の口からそう言ってもらえて、すごく嬉しい。元カレと別れて以来ずっと動けずにいたけど、ようやく目の前の扉が開いたって感じがする」
奈緒が微笑むと、清道も同じように口元を綻ばせた。
「それはよかった」
清道は短く返事をして、それ以上余計な事は言わない。そんなところも好感が持てたし、さりげなくこちらを気遣ってくれているのがよくわかった。
「清道ってすごいね。今夜会ったばかりなのに、あなたのおかげで救われた気がする。……本当は、待ち合わせの場所に行こうか行くまいか、すごく悩んだのよ。でも、思い切って来てよかった。美夏に感謝しなきゃね」
「美夏?」
「そう、私の親友で、『GJ倶楽部』のVIP会員なの。聞いてなかった?」
清道が頷き、空になったグラスをテーブルの上に戻した。
「ああ、それは聞いてなかったな。じゃあ、今日俺達が会えたのは美夏さんのおかげって事か」
「そうよ。だって私、『GJ倶楽部』の会員じゃないもの。それに、清道はVIP会員用のレンタル彼氏なんでしょ? 美夏は出張先で一人ぼっちの誕生日を過ごしている私を可哀想に思って、清道を派遣してくれたの」
「なるほど……そういう事だったんだな」
何杯目かのシャンパンを注ぐと、清道が奈緒を見つめながら華やかな微笑みを浮かべた。
「奈緒、誕生日おめでとう。今日という日を君と過ごせて光栄に思うよ」
清道がグラスを掲げ、奈緒もそれに倣った。
「ありがとう」
極上のシャンパンと、どこを取ってもパーフェクトな美男子。
奈緒の口元に自然な笑みが零れた。
「出張先と言っていたが、こっちには仕事で来たのか?」
「そうなの。明日の朝早くに東京へ帰るつもり――だったけど、清道は明日の昼まで私の彼氏でいてくれるんだよね?」
「ああ、そうだ」
「だったら、もう少しゆっくりしてから帰ろうかな……なんて思ったりして……。あっ、べ、別に深い意味はないのよ? ただ、もっと話したいなって思っただけで……美夏もそうするだけでもいいって言ってたし、本当に他意はないの!」
焦るあまり、しどろもどろになり、なんだかおかしな感じになってしまった。ありのままを話そうとしているだけなのに、やけに意味深長に聞こえてしまうのはどうしてだろう?
それとも、言っている自分が自意識過剰なだけなのか……
清道はといえば、そんな奈緒を眺めながら謎めいた微笑みを浮かべている。
「美夏さんは、ほかにどんな事を言っていた? つまり、俺が所属してる倶楽部のシステムの話はしたのかな?」
「少しだけ……会って話をするだけでもいいし、本当の恋人同士みたいにイチャイチャするのもいい。あとは、その場の雰囲気と個人の裁量かなって……。向こうが上手くリードしてくれるから心配いらないと――」
「そうか」
清道が、おもむろにスーツのジャケットを脱いだ。
真っ白なシャツの下で、筋肉が盛り上がりながら動く。今まで比較的普通に話せていたのに、そんなしぐさを見せられたせいか、ふいに胸が高らかに鳴り響き始める。
「少し立ち入った事を聞くけど、いいかな?」
脱いだジャケットをソファの背もたれにかけたあと、指をネクタイにかける。
そして、結び目を左右に動かしながら、ゆっくりとネクタイを緩めてシャツの一番上のボタンを外した。
自然と彼の手元に目がいき、そこから視線を外せなくなる。
清道の手は大きく、指が長い。爪は綺麗に切り揃えられており、手の甲には太い血管が浮き出ている。首元のボタンを二つ外したあと、彼は左右のシャツの袖口を緩めた。
ようやくそこでハッと我に返ると、奈緒は視線を彼の顔に戻して咳払いをする。
「どうぞ」
「奈緒は、ついひと月前に恋人と別れてメンタルがズタボロになった。結婚の約束までしていたんだから当たり前だし、ものすごく辛かったと思う。それでも仕事は放棄せず、ギリギリで精神力を保ちながら頑張ってきた――そんな感じだった?」
「そうね」
短く返事をする声が震え、奈緒は喉元に込み上げてくるものをグッと呑み下した。
「誕生日の今日も、仕事のため出張先で一人過ごしている。だけど、仕事の満足感は得られても、奈緒が負った心の傷はそう簡単に癒えるものじゃない。そうじゃないか?」
訊ねられて、奈緒は深く頷いて唇をきつく結んだ。
「忙しさはメンタルを保つのに役立つが、仕事ばかりしていたら身体がもたないぞ。遅かれ早かれ皺寄せがくるし、そうなる前に別の逃げ道を見つけたほうがいい」
確かに、仕事に逃げている自覚はあった。
けれど、仕事のほかにフラれた現実から目を背ける術がなかった。だから、毎年二人で祝っていた誕生日にわざと出張を入れて、元カレから少しでも遠い場所に逃げ出したのだ。
今頃元カレは、新しい彼女と一緒にいる。そして、元カノの誕生日などすっかり忘れて、新しく手に入れた幸せを目一杯満喫しているに違いない――
彼に対する愛情なんかもう残っていないはずなのに、どうしてそんな事を思ったり、未だに心が痛くて仕方がなかったりするのだろう?
「私だって、そうしたい……。でも、ほかにどうすればいいの? 美夏は男で受けた傷は、男で癒すしかないって言うけど、忙しくて新しい出会いを求めてる暇なんかないし、そんな気力すら残ってないわ」
奈緒は項垂れて下を向いた。
「だから、俺がここにいるんじゃないのか?」
問いかけるようにそう言われて、奈緒は顔を上げて清道を見た。
「男で受けた傷は、男で癒すしかない――美夏さんは、奈緒を現状から救い出すために、俺をレンタルしてくれたんだろう?」
清道が奈緒に向かって手を差し伸べてきた。
目の前にいる男性はこの上なく魅力的で、きっと受けた傷を一瞬で忘れさせてくれるだろう。
奈緒は、おずおずと彼の手の上に自分の掌を重ねた。
その手を強く握られて、身体中にビリビリとした電流が走る。繋いだ手を引かれ、あっという間に清道との距離が近くなった。
間近でじっと見つめられ、声が出せなくなる。
力強い彼の手と、優しい微笑み。
今まで見た事もないほど魅惑的な目と、匂い立つほどの男性的な色香。それに、触れてみてはじめてわかる肌の質感と温度――
ついさっきまで普通に話せていたのが嘘みたいだった。
萎縮してしまいそうなほど圧倒的なオーラに全身を包み込まれ、奈緒はただ呆けたように清道の目を見つめ続けた。
「レンタル彼氏とは会って話をするだけでもいいし、本当の恋人同士みたいにイチャイチャするのもいい。あとは、その場の雰囲気と個人の裁量……そう言ったね?」
繋いでいた掌が少しだけ離れたと思ったら、すぐに指が絡んできた。掌を合わせたままギュッと強く手を握られる。
たったそれだけの事なのに、もう身体ばかりか心まで清道に囚われたようになってしまう。
「言った……」
ようやくそれだけ返事をすると、彼の顔が近づいてきた。
遠くからではわかりにくかったが、清道の目はやや緑がかった焦げ茶色だ。そんな色の目を見たのははじめてだし、これほど強い胸のときめきを感じた事もなかった。
「ずるいようだが、俺から仕掛けるわけにはいかない。……だけど、もし奈緒が今の雰囲気を良しとして、個人の裁量を俺に委ねてくれるなら……俺ともっと親密な関係にならないか? そうすれば、元カレの事なんか綺麗さっぱり忘れさせてやる。嫌か?」
まるで身体が頭からガラガラと音を立てて崩れていくみたいだった。
今までどうにか保っていた理性がどこかに飛んでいき、体面などかなぐり捨てて清道に縋り付きたくなってしまう。
「嫌じゃない……清道っ……」
言い終わると同時に背中を抱き寄せられ、唇にキスされた。
すぐに舌が絡み合い、息を弾ませながら互いの唇を貪り合う。
キスを続けながら二人の手は忙しく動き回る。背中のジッパーを下ろされ、ネクタイを外す手を止めてワンピースの袖から腕を引き抜く。
清道が着ているシャツの前を開け、ベルトのバックルを外した。
想像していた以上に引き締まった身体を前にして、奈緒の手が一瞬だけ止まる。
イケメンレンタル彼氏のルックスの良さは、顔だけではなく全身にまで及んでいた。
奈緒は、いつの間にか緩んでいたブラジャーをかなぐり捨て、彼の手を借りながらショーツを脱いで床に放る。
ここまできて、キスだけで終わるはずもない。
双方とも裸になり、ソファの上に折り重なるようにして横になった。
唇を合わせたまま大きな掌で乳房を揉み込まれ、早々にあられもない声を上げる。
座面はゆったりとしており、転げ落ちる心配はない。
奈緒は清道の背中に腕を回し、口の端から唾液が伝い下りるほど激しくキスを交わし続けた。
「ぁ、んっ……!」
彼の唇が奈緒の首筋を下り、肌を舐め回しながらデコルテを経て乳房に移った。
胸元を見ると、上目遣いに奈緒を見つめる清道の視線とぶつかる。
彼は薄く開けた唇の隙間から舌を覗かせ、乳暈をなぞるようにゆっくりと乳房を舐め始めた。
「あっ……あ……」
見つめられながら胸を舌で愛撫され、頭の芯がジンジンと痺れてくる。
これほどいやらしく胸を舐められた事なんかなかったし、ましてや目を合わせながらなんて……
そろそろと先端に近づいていく舌先が乳嘴を捕らえて、先端をピンと弾いた。
「ひっ……」
思わず声が漏れ、目の周りが熱くなって視界がぼやけた。
乳房をやわやわと揉み込んでくる指が白い肌にめり込み、硬くなり始めた乳嘴をツンと上向かせる。
「や……らし……」
震える声で呟くと、清道のキスが唇に戻ってきた。ねっとりと舌を絡められて、息をするのもやっとになる。
「いやらしいな。だけど、奈緒はこれからもっと、いやらしい事をする。そうだろ?」
今日会ったばかりの男性とこんなふうになるなんて、どうかしている――
そう考えた途端、美夏の教えが神の啓示のように頭の中に浮かび上がった。
『男で受けた傷は、男で癒すしかないのよ』
どこか運命のようなものを感じて、奈緒は自分から清道の唇にキスをした。
「どうせなら、思いっきりいやらしくして。少しくらい乱暴でもいい……気持ちよくて、何もかも忘れてしまうような、破廉恥で呆れるくらい大胆なセックスがしたい」
きっと、こんな台詞を口にするのもこれが最初で最後だ。
思いつめたような目で見つめる奈緒に、清道がゆっくりと頷いた。
「いいよ」
低く響く声が、奈緒の長く枯れていた欲望のスイッチをオンにする。
「奈緒の言うとおりにしてあげるよ」
彼の優しさが肌に染み入り、すべてを委ねてしまいたいという願望が奈緒の心をいっぱいにする。
たちまち血流がよくなり、全身の肌がふつふつと熱く沸き上がった。
唇に貪るようなキスをされ、どちらのものかわからなくなるほど舌を絡め合う。
こんなキスをしたのははじめてだし、性急に求められる感じが忘れかけていた官能を呼び起こしていくみたいだった。
「奈緒のぜんぶ、見せてくれるか?」
清道に囁かれ、頷くと同時に身体から余分な力が抜けていく。
キスが乳房に戻ってきて、まるでリンゴでも齧るように肌をそっと歯で引っ掻かれる。
「綺麗な胸だね。口の中で蕩けそうに柔らかくて、ずっと舐めていたくなるよ」
「あ、んっ……」
元カレの愛撫は長くても五分程度で、その間にスムーズに挿入できるよう濡れておかなければならなかった。
キスの合間に会話をするわけでもなく、優しい言葉や淫らな台詞で気持ちを盛り上げるわけでもない。ただ単に唇を合わせ、おざなりに乳房を舐めるだけだった。そんな状況で自然に濡れるのはかなり難しく、時には湿度が足らないまま挿れられる事もあった。
そうかといって、こちらから何かしてほしいわけでもないようで、愛撫が終わるとすぐに挿入の準備をして上にのしかかってくる。目的は射精であり、愛撫などあってないようなものだった。
けれど、清道のキスと愛撫はぜんぜん違う。言葉どおりに奈緒の乳房を執拗に舐め回し、口全体で味わうように食んだり、吸い付いたりしてくる。
「今、ちょっと上の空になってただろう。もしかして、元カレの事を考えてた?」
清道が両方の乳房に手を添え、舌で乳嘴をつつきながらそう訊ねてきた。
「ご、ごめん……。だって、こんなふうにされた事がなくって……」
奈緒が見ている前で、彼がこれ見よがしに舌先で乳暈の周りをなぞり始める。
「大丈夫。気を悪くしたわけじゃないから、謝ったりしなくてもいい。そうか……こんなふうにされた事がないのなら、もっとしてあげないといけないな。余計な事なんか考えている余裕がなくなるくらい、気持ちよくしてあげるよ――」
言い終えるや否や乳房にぢゅっと吸い付かれ、上顎と舌で乳嘴をすり潰すように挟み込まれる。
仰け反った背中を左腕ですくわれると同時に、キスが下腹に移動した。
右の掌が奈緒の左太ももを、ゆっくりと撫で下ろす。
閉じた脚の間を少しずつ広げられて、左脚をソファの背もたれに引っかけるような姿勢を取らされた。
奈緒はハッとして肘を立て、上体を起こそうとする。
けれど、思うように力が入らず、ただもがくだけに終わってしまった。
「やっ……こんな格好、恥ずかしいっ……」
「奈緒は恥ずかしがり屋だな。これから、もっと恥ずかしい事をしようと思ったのに、もう降参か?」
いかにも残念そうな顔をされて、起きようとする気持ちが瞬時に消えた。じっと見つめられているうちに、だんだんと息が上がってくる。触ってもいないのに、脚の間がしっとりと濡れてきたのがわかった。
きっと清道もそれに気づいているに違いない――
いずれにせよ、今さら後戻りする気なんかなかった。
「俺は奈緒を癒したいんだ。奈緒の全身にキスをして、外だけじゃなく中も奥もすべて俺のものにする。奈緒が降参するまで何度でもイカせて、これからは俺とのセックスしか思い出さなくなるように、特別に淫らで一生忘れられないほどいやらしいセックスをしてやるよ」
あからさまに誘われ、奈緒は大きく胸を上下させながら清道を見つめた。
「……わかった。もう邪魔しない。私のすべてをあなたのものにして……」
蚊の鳴くような声でようやくそれだけ言うと、奈緒は立てた肘をソファの座面に戻した。
けれど、自分が何をされているのか直視する勇気はない。
奈緒が目を閉じて覚悟を決めると、ふいに額に温かな呼気を感じて目蓋を上げた。
「ベッドに行こう。ソファだと思いきり暴れられないだろう? さて、どうやって奈緒を連れて行ってあげようか。お姫様抱っこがいいかな? それとも、荷物みたいに肩に担がれたい? なんなら、おんぶでもいいよ」
ジェスチャーまじりでそう言われ、思わずクスッと笑ってしまった。
きっとこれも、気持ちをほぐそうとする彼の気遣いなのだろう。
「じゃあ……お姫様抱っこで。あ、でも……おんぶがいいかも。……ううん、やっぱり肩に担がれたほうが――ん、っ……」
迷いまくる唇をキスで封じられ、ほんの数センチの距離で目が合った。
「ふっ……さては、裸を見られたくないんだな? だったら、目を閉じたままベッドまで行くから安心してお姫様になろうか」
それに清道とは、これが終われば二度と会う事はないだろう。そんなふうに考えてみると、にわかに気持ちが楽になってきた。
勧められるままソファに腰を下ろし、前にあるテーブルに置かれたシャンパングラスを手に取る。
ひと口飲んでみると、想像以上に美味しかった。目をパチクリさせながら、桃色の泡が底から立ち上っているグラスを眺める。
「美味しい……」
テーブルの向こうには一人掛けのソファがあり、清道がそこに腰を下ろした。
「気に入ったようでよかった。よかったら、これも一緒にどうぞ」
清道がテーブルの上に置いたプレートには、ピンク色の焼き菓子が載せられている。
スティッククッキーのようだが、上に粉砂糖が掛かっていて見た目も可愛らしい。
「ありがとう」
ひとつ手に取って口に入れようとした時、清道が手に持ったクッキーを軽く振って注意を引いてきた。彼はクッキーをシャンパングラスに浸すと、奈緒が見ている前でそれを齧った。
「これ、そうやって食べるものなの?」
「一応ね。もちろん、そのまま食べても構わないよ」
清道が言うには、奈緒がクッキーだと思っていたのはビスキュイ・ローズというビスケットであるらしい。フランスのシャンパーニュ地方で作られているそれは、材料のひとつにシャンパンが使われているという。
「へえ……もしかしてシャンパンって、シャンパーニュって地名が由来なの?」
「シャンパンは、シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインの事をさすからね。だから、そこ以外で作られたものはシャンパンとは言わないんだ」
「あ、なんだかそれ、聞いた事があるかも」
それからしばらくの間、ワインやお菓子について話をした。
アルコールはもとより、スイーツに関してもさほど詳しくない奈緒に対して、清道は驚くほど知識が豊富だった。
シャンパンを飲み進めながら興味深く話を聞いているうちに、話題が原材料にまで及んだ。
「人に押し付けたり意見したりするつもりはないが、何を作るにしても材料にはある程度こだわったほうがいいのは確かだ」
「私もそう思う。自然派を謳って極端な話をするつもりはないけど、これだけはと思うものにはとことんこだわりたいし、ぜったいに譲れない信念があるもの」
清道が大きく頷くのを見て、奈緒は我知らず前のめりになった。
「もちろん、そう言い切れるだけの理由も自信もある。だからこそ続けられるし、頑張って築き上げてきたものの良さを全国の人にわかってもらいたいと――」
つい熱くなって、うっかり仕事モードになって自社製品をアピールしそうになってしまった。
せっかくの誕生日デートに、いったい何をしているんだか……
つくづく可愛げも面白みもない女だ。
きっと、こんなだから浮気された挙句、一方的に別れを告げられてしまうのだろう。
「ふふっ……」
我知らず苦笑して、グラスに残っていたシャンパンをグイと飲み干す。なんだかんだ言って、未だに元カレとの別れを引きずりまくっている自分が情けなさすぎる。
空のグラスを持つ手が止まった時、急に涙が込み上げてきた。唇を噛みしめて我慢していると、立ち上がった清道が腰かけていたソファを離れ奈緒の隣に移動してきた。
「大丈夫か? 何か吐き出したい事があるなら遠慮なく話してくれ」
清道が座ったのはソファの端で、奈緒がいる位置から一人分距離が離れている。
彼の話す声は落ち着いており、気遣いを感じつつも押し付けがましくない。おそらく、これまでに何百人という女性の相手をして、たくさんの愚痴や泣き言を聞かされたはずだ。
清道なら、ぜんぶ吐き出しても受け入れてくれるに違いない。
元カレの事を少しでも忘れる事ができるなら――
そう思った奈緒は、こくりと頷いたあとゆっくりと口を開いた。
「実はね……」
奈緒は思いつくままに元カレとの出会いから別れまでのいきさつを話し始める。
はじめて会ったのは、大学の友達がセッティングした食事会という名の合コン。たまたま正面に座っていた事もあり、話をして連絡先を交換した。
それからなんとなく付き合い始め、互いに結婚を意識したのをきっかけに同棲がスタートした。
でも、はしゃいでいたのは最初だけで、徐々にときめきがなくなってマンネリ化した関係に陥っていた。
今思えば、そうと気づきながら放置していたのがいけなかったのだろう……
そのうちスキンシップすらしなくなり、セックスレスになっていた。
だからといって仲が悪くなったわけではないが、いつの間にか恋人というよりは仲のいい異性の同居人と化していただけだ。
「私だって、最初はおしゃれしてメイクも頑張ってたんだけどなぁ。でも、一緒にショッピングに行ってよさそうなワンピースを試着してもまるで興味なさそうだし、そのうち私服なんかどうでもいいやって思うようになっちゃって」
その分、仕事用の洋服にお金をかけるようになった。いいものを着ていると思えば自然と自信がつき、士気も上がった。
「そしたら、不思議と交渉も上手くいくようになって、業績がアップしたのよ。そうなると仕事に対する意欲がグーンと上がっちゃって、わき目もふらずに頑張ったらもっと成果が出て、どんどんビジネス脳が活性化されて――」
元カレの話から仕事の話に移った途端に、どんよりとしていた気持ちが晴れやかになる。
「いいものを着ていれば気分が上がるのは当然だ。それは仕事や言動にも作用するし、一緒にいる相手にも伝わる。奈緒の仕事が上手くいくようになったのは、君が自分を正しくコーディネイトしたからだよ」
「あ……ありがとう」
清道の言葉を聞いたあと、別れ話を切り出した元カレに言われた台詞がフラッシュバックする。
『奈緒は仕事ばかりしてたじゃないか。だから、寂しくて浮気してしまったんだ』
『僕に対して気を遣わなくなったっていうか、家では女を捨ててたよね』
『家事もおろそかになってたし、正直言って一緒にいる意味がわからなくなってた』
今思えば、それらしき事は普段からそれとなく伝えられていた。けれど、忙しさにかまけてそれをスルーしていたのは自分自身だ。
「確かに元カレよりも仕事を優先してたし、休みの日はノーメイクで一日中だらだらしてた時もある。気も遣えてなかっただろうし、家事も行き届いてなかった。でも、この数年がむしゃらに頑張ってきたからこそ、今があるの。だから、後悔はしてないわ」
清道は時折相槌を打ちながら、黙って耳を傾けてくれている。そして、話が途切れたのを待っていたように、奈緒のグラスにシャンパンを注ぎ足してくれた。
「奈緒が仕事を優先させた気持ちもわかるし、君がそれに納得しているのなら元カレとの別れは必然だったんだと思う」
清道から差し出されたビスキュイ・ローズを受け取って、グラスの中のシャンパンに浸した。
生地がほろりと溶けて、ふんわりとした甘さと優しいほろ苦さが口の中いっぱいに広がる。
「それに、自分に対して気を遣わなくなっただの、家事がおろそかになってただの、元カレは王様か何かか? 子供じゃないんだから自分の面倒は自分で見るべきだ。おおかた奈緒にいろいろと依存した生活をしていたんだろうな」
呆れを通り越したような表情を浮かべる清道を見て、心がふっと和んだ。
元カレはさておき、仕事以外で男性とこんなふうに話すのは、どれくらいぶりの事だろうか。
「もしかして奈緒は、元カレの浮気の原因は自分にあると思っているんじゃないか? もしそうなら、その考えは改めるべきだ。どんな理由があるにせよ、浮気は相手に対する裏切り行為だ。悪いのは元カレであって、奈緒じゃない」
頭では元カレに対して激しく憤っていたし、最悪の別れ方を選んだ最低の男だと思っていた。
けれど、心のどこかでは、浮気の原因は自分にあると思っているところがあったみたいだ。
「不満があるなら話し合って解決すべきだろう? それをせずに浮気に走った元カレは、男として最低のやつだ。少なくとも、俺はそう思うね」
きっぱりと断言され、元カレと別れて以来ずっと引きずっていた錘のようなものがふっと消えてなくなったような気がした。
「奈緒は外見だけじゃなく中身も魅力的な女性だ。元カレは器が小さい上に、審美眼を持たないやつのようだな。今聞いただけでもかなり自分本位な考えの持ち主だし、その程度の男とは別れて正解だったんじゃないか」
そう言ってグラスを傾ける清道に倣って、シャンパンを立て続けに二口飲む。
ずっと胸にあった苦い思い出が清道の言葉で浄化され、シュワシュワと音が立つシャンパンの泡とともに消えていく。
「男の人の口からそう言ってもらえて、すごく嬉しい。元カレと別れて以来ずっと動けずにいたけど、ようやく目の前の扉が開いたって感じがする」
奈緒が微笑むと、清道も同じように口元を綻ばせた。
「それはよかった」
清道は短く返事をして、それ以上余計な事は言わない。そんなところも好感が持てたし、さりげなくこちらを気遣ってくれているのがよくわかった。
「清道ってすごいね。今夜会ったばかりなのに、あなたのおかげで救われた気がする。……本当は、待ち合わせの場所に行こうか行くまいか、すごく悩んだのよ。でも、思い切って来てよかった。美夏に感謝しなきゃね」
「美夏?」
「そう、私の親友で、『GJ倶楽部』のVIP会員なの。聞いてなかった?」
清道が頷き、空になったグラスをテーブルの上に戻した。
「ああ、それは聞いてなかったな。じゃあ、今日俺達が会えたのは美夏さんのおかげって事か」
「そうよ。だって私、『GJ倶楽部』の会員じゃないもの。それに、清道はVIP会員用のレンタル彼氏なんでしょ? 美夏は出張先で一人ぼっちの誕生日を過ごしている私を可哀想に思って、清道を派遣してくれたの」
「なるほど……そういう事だったんだな」
何杯目かのシャンパンを注ぐと、清道が奈緒を見つめながら華やかな微笑みを浮かべた。
「奈緒、誕生日おめでとう。今日という日を君と過ごせて光栄に思うよ」
清道がグラスを掲げ、奈緒もそれに倣った。
「ありがとう」
極上のシャンパンと、どこを取ってもパーフェクトな美男子。
奈緒の口元に自然な笑みが零れた。
「出張先と言っていたが、こっちには仕事で来たのか?」
「そうなの。明日の朝早くに東京へ帰るつもり――だったけど、清道は明日の昼まで私の彼氏でいてくれるんだよね?」
「ああ、そうだ」
「だったら、もう少しゆっくりしてから帰ろうかな……なんて思ったりして……。あっ、べ、別に深い意味はないのよ? ただ、もっと話したいなって思っただけで……美夏もそうするだけでもいいって言ってたし、本当に他意はないの!」
焦るあまり、しどろもどろになり、なんだかおかしな感じになってしまった。ありのままを話そうとしているだけなのに、やけに意味深長に聞こえてしまうのはどうしてだろう?
それとも、言っている自分が自意識過剰なだけなのか……
清道はといえば、そんな奈緒を眺めながら謎めいた微笑みを浮かべている。
「美夏さんは、ほかにどんな事を言っていた? つまり、俺が所属してる倶楽部のシステムの話はしたのかな?」
「少しだけ……会って話をするだけでもいいし、本当の恋人同士みたいにイチャイチャするのもいい。あとは、その場の雰囲気と個人の裁量かなって……。向こうが上手くリードしてくれるから心配いらないと――」
「そうか」
清道が、おもむろにスーツのジャケットを脱いだ。
真っ白なシャツの下で、筋肉が盛り上がりながら動く。今まで比較的普通に話せていたのに、そんなしぐさを見せられたせいか、ふいに胸が高らかに鳴り響き始める。
「少し立ち入った事を聞くけど、いいかな?」
脱いだジャケットをソファの背もたれにかけたあと、指をネクタイにかける。
そして、結び目を左右に動かしながら、ゆっくりとネクタイを緩めてシャツの一番上のボタンを外した。
自然と彼の手元に目がいき、そこから視線を外せなくなる。
清道の手は大きく、指が長い。爪は綺麗に切り揃えられており、手の甲には太い血管が浮き出ている。首元のボタンを二つ外したあと、彼は左右のシャツの袖口を緩めた。
ようやくそこでハッと我に返ると、奈緒は視線を彼の顔に戻して咳払いをする。
「どうぞ」
「奈緒は、ついひと月前に恋人と別れてメンタルがズタボロになった。結婚の約束までしていたんだから当たり前だし、ものすごく辛かったと思う。それでも仕事は放棄せず、ギリギリで精神力を保ちながら頑張ってきた――そんな感じだった?」
「そうね」
短く返事をする声が震え、奈緒は喉元に込み上げてくるものをグッと呑み下した。
「誕生日の今日も、仕事のため出張先で一人過ごしている。だけど、仕事の満足感は得られても、奈緒が負った心の傷はそう簡単に癒えるものじゃない。そうじゃないか?」
訊ねられて、奈緒は深く頷いて唇をきつく結んだ。
「忙しさはメンタルを保つのに役立つが、仕事ばかりしていたら身体がもたないぞ。遅かれ早かれ皺寄せがくるし、そうなる前に別の逃げ道を見つけたほうがいい」
確かに、仕事に逃げている自覚はあった。
けれど、仕事のほかにフラれた現実から目を背ける術がなかった。だから、毎年二人で祝っていた誕生日にわざと出張を入れて、元カレから少しでも遠い場所に逃げ出したのだ。
今頃元カレは、新しい彼女と一緒にいる。そして、元カノの誕生日などすっかり忘れて、新しく手に入れた幸せを目一杯満喫しているに違いない――
彼に対する愛情なんかもう残っていないはずなのに、どうしてそんな事を思ったり、未だに心が痛くて仕方がなかったりするのだろう?
「私だって、そうしたい……。でも、ほかにどうすればいいの? 美夏は男で受けた傷は、男で癒すしかないって言うけど、忙しくて新しい出会いを求めてる暇なんかないし、そんな気力すら残ってないわ」
奈緒は項垂れて下を向いた。
「だから、俺がここにいるんじゃないのか?」
問いかけるようにそう言われて、奈緒は顔を上げて清道を見た。
「男で受けた傷は、男で癒すしかない――美夏さんは、奈緒を現状から救い出すために、俺をレンタルしてくれたんだろう?」
清道が奈緒に向かって手を差し伸べてきた。
目の前にいる男性はこの上なく魅力的で、きっと受けた傷を一瞬で忘れさせてくれるだろう。
奈緒は、おずおずと彼の手の上に自分の掌を重ねた。
その手を強く握られて、身体中にビリビリとした電流が走る。繋いだ手を引かれ、あっという間に清道との距離が近くなった。
間近でじっと見つめられ、声が出せなくなる。
力強い彼の手と、優しい微笑み。
今まで見た事もないほど魅惑的な目と、匂い立つほどの男性的な色香。それに、触れてみてはじめてわかる肌の質感と温度――
ついさっきまで普通に話せていたのが嘘みたいだった。
萎縮してしまいそうなほど圧倒的なオーラに全身を包み込まれ、奈緒はただ呆けたように清道の目を見つめ続けた。
「レンタル彼氏とは会って話をするだけでもいいし、本当の恋人同士みたいにイチャイチャするのもいい。あとは、その場の雰囲気と個人の裁量……そう言ったね?」
繋いでいた掌が少しだけ離れたと思ったら、すぐに指が絡んできた。掌を合わせたままギュッと強く手を握られる。
たったそれだけの事なのに、もう身体ばかりか心まで清道に囚われたようになってしまう。
「言った……」
ようやくそれだけ返事をすると、彼の顔が近づいてきた。
遠くからではわかりにくかったが、清道の目はやや緑がかった焦げ茶色だ。そんな色の目を見たのははじめてだし、これほど強い胸のときめきを感じた事もなかった。
「ずるいようだが、俺から仕掛けるわけにはいかない。……だけど、もし奈緒が今の雰囲気を良しとして、個人の裁量を俺に委ねてくれるなら……俺ともっと親密な関係にならないか? そうすれば、元カレの事なんか綺麗さっぱり忘れさせてやる。嫌か?」
まるで身体が頭からガラガラと音を立てて崩れていくみたいだった。
今までどうにか保っていた理性がどこかに飛んでいき、体面などかなぐり捨てて清道に縋り付きたくなってしまう。
「嫌じゃない……清道っ……」
言い終わると同時に背中を抱き寄せられ、唇にキスされた。
すぐに舌が絡み合い、息を弾ませながら互いの唇を貪り合う。
キスを続けながら二人の手は忙しく動き回る。背中のジッパーを下ろされ、ネクタイを外す手を止めてワンピースの袖から腕を引き抜く。
清道が着ているシャツの前を開け、ベルトのバックルを外した。
想像していた以上に引き締まった身体を前にして、奈緒の手が一瞬だけ止まる。
イケメンレンタル彼氏のルックスの良さは、顔だけではなく全身にまで及んでいた。
奈緒は、いつの間にか緩んでいたブラジャーをかなぐり捨て、彼の手を借りながらショーツを脱いで床に放る。
ここまできて、キスだけで終わるはずもない。
双方とも裸になり、ソファの上に折り重なるようにして横になった。
唇を合わせたまま大きな掌で乳房を揉み込まれ、早々にあられもない声を上げる。
座面はゆったりとしており、転げ落ちる心配はない。
奈緒は清道の背中に腕を回し、口の端から唾液が伝い下りるほど激しくキスを交わし続けた。
「ぁ、んっ……!」
彼の唇が奈緒の首筋を下り、肌を舐め回しながらデコルテを経て乳房に移った。
胸元を見ると、上目遣いに奈緒を見つめる清道の視線とぶつかる。
彼は薄く開けた唇の隙間から舌を覗かせ、乳暈をなぞるようにゆっくりと乳房を舐め始めた。
「あっ……あ……」
見つめられながら胸を舌で愛撫され、頭の芯がジンジンと痺れてくる。
これほどいやらしく胸を舐められた事なんかなかったし、ましてや目を合わせながらなんて……
そろそろと先端に近づいていく舌先が乳嘴を捕らえて、先端をピンと弾いた。
「ひっ……」
思わず声が漏れ、目の周りが熱くなって視界がぼやけた。
乳房をやわやわと揉み込んでくる指が白い肌にめり込み、硬くなり始めた乳嘴をツンと上向かせる。
「や……らし……」
震える声で呟くと、清道のキスが唇に戻ってきた。ねっとりと舌を絡められて、息をするのもやっとになる。
「いやらしいな。だけど、奈緒はこれからもっと、いやらしい事をする。そうだろ?」
今日会ったばかりの男性とこんなふうになるなんて、どうかしている――
そう考えた途端、美夏の教えが神の啓示のように頭の中に浮かび上がった。
『男で受けた傷は、男で癒すしかないのよ』
どこか運命のようなものを感じて、奈緒は自分から清道の唇にキスをした。
「どうせなら、思いっきりいやらしくして。少しくらい乱暴でもいい……気持ちよくて、何もかも忘れてしまうような、破廉恥で呆れるくらい大胆なセックスがしたい」
きっと、こんな台詞を口にするのもこれが最初で最後だ。
思いつめたような目で見つめる奈緒に、清道がゆっくりと頷いた。
「いいよ」
低く響く声が、奈緒の長く枯れていた欲望のスイッチをオンにする。
「奈緒の言うとおりにしてあげるよ」
彼の優しさが肌に染み入り、すべてを委ねてしまいたいという願望が奈緒の心をいっぱいにする。
たちまち血流がよくなり、全身の肌がふつふつと熱く沸き上がった。
唇に貪るようなキスをされ、どちらのものかわからなくなるほど舌を絡め合う。
こんなキスをしたのははじめてだし、性急に求められる感じが忘れかけていた官能を呼び起こしていくみたいだった。
「奈緒のぜんぶ、見せてくれるか?」
清道に囁かれ、頷くと同時に身体から余分な力が抜けていく。
キスが乳房に戻ってきて、まるでリンゴでも齧るように肌をそっと歯で引っ掻かれる。
「綺麗な胸だね。口の中で蕩けそうに柔らかくて、ずっと舐めていたくなるよ」
「あ、んっ……」
元カレの愛撫は長くても五分程度で、その間にスムーズに挿入できるよう濡れておかなければならなかった。
キスの合間に会話をするわけでもなく、優しい言葉や淫らな台詞で気持ちを盛り上げるわけでもない。ただ単に唇を合わせ、おざなりに乳房を舐めるだけだった。そんな状況で自然に濡れるのはかなり難しく、時には湿度が足らないまま挿れられる事もあった。
そうかといって、こちらから何かしてほしいわけでもないようで、愛撫が終わるとすぐに挿入の準備をして上にのしかかってくる。目的は射精であり、愛撫などあってないようなものだった。
けれど、清道のキスと愛撫はぜんぜん違う。言葉どおりに奈緒の乳房を執拗に舐め回し、口全体で味わうように食んだり、吸い付いたりしてくる。
「今、ちょっと上の空になってただろう。もしかして、元カレの事を考えてた?」
清道が両方の乳房に手を添え、舌で乳嘴をつつきながらそう訊ねてきた。
「ご、ごめん……。だって、こんなふうにされた事がなくって……」
奈緒が見ている前で、彼がこれ見よがしに舌先で乳暈の周りをなぞり始める。
「大丈夫。気を悪くしたわけじゃないから、謝ったりしなくてもいい。そうか……こんなふうにされた事がないのなら、もっとしてあげないといけないな。余計な事なんか考えている余裕がなくなるくらい、気持ちよくしてあげるよ――」
言い終えるや否や乳房にぢゅっと吸い付かれ、上顎と舌で乳嘴をすり潰すように挟み込まれる。
仰け反った背中を左腕ですくわれると同時に、キスが下腹に移動した。
右の掌が奈緒の左太ももを、ゆっくりと撫で下ろす。
閉じた脚の間を少しずつ広げられて、左脚をソファの背もたれに引っかけるような姿勢を取らされた。
奈緒はハッとして肘を立て、上体を起こそうとする。
けれど、思うように力が入らず、ただもがくだけに終わってしまった。
「やっ……こんな格好、恥ずかしいっ……」
「奈緒は恥ずかしがり屋だな。これから、もっと恥ずかしい事をしようと思ったのに、もう降参か?」
いかにも残念そうな顔をされて、起きようとする気持ちが瞬時に消えた。じっと見つめられているうちに、だんだんと息が上がってくる。触ってもいないのに、脚の間がしっとりと濡れてきたのがわかった。
きっと清道もそれに気づいているに違いない――
いずれにせよ、今さら後戻りする気なんかなかった。
「俺は奈緒を癒したいんだ。奈緒の全身にキスをして、外だけじゃなく中も奥もすべて俺のものにする。奈緒が降参するまで何度でもイカせて、これからは俺とのセックスしか思い出さなくなるように、特別に淫らで一生忘れられないほどいやらしいセックスをしてやるよ」
あからさまに誘われ、奈緒は大きく胸を上下させながら清道を見つめた。
「……わかった。もう邪魔しない。私のすべてをあなたのものにして……」
蚊の鳴くような声でようやくそれだけ言うと、奈緒は立てた肘をソファの座面に戻した。
けれど、自分が何をされているのか直視する勇気はない。
奈緒が目を閉じて覚悟を決めると、ふいに額に温かな呼気を感じて目蓋を上げた。
「ベッドに行こう。ソファだと思いきり暴れられないだろう? さて、どうやって奈緒を連れて行ってあげようか。お姫様抱っこがいいかな? それとも、荷物みたいに肩に担がれたい? なんなら、おんぶでもいいよ」
ジェスチャーまじりでそう言われ、思わずクスッと笑ってしまった。
きっとこれも、気持ちをほぐそうとする彼の気遣いなのだろう。
「じゃあ……お姫様抱っこで。あ、でも……おんぶがいいかも。……ううん、やっぱり肩に担がれたほうが――ん、っ……」
迷いまくる唇をキスで封じられ、ほんの数センチの距離で目が合った。
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