可愛すぎるキミ

事件発生

真実を告げる時

  俺が店から出てその男の家に向かおうとした時、俺の名前呼ぶ声がかすかに聞こえたが、俺は振り返ることなく前に進もうとすると、突然腕を掴まれ引き止められた。
  ｢優、別れるってどういう事。しかもそいつ誰？｣
  ｢･･･誰だっていいでしょ。もう大ちゃんには関係ないんだから。｣
  俺と大ちゃんがしばらく睨み合っていると、男が｢面倒事を解決したら俺の家においで｣と、ケータイ番号を渡してその場を去っていった。
  ｢とにかく１回家に帰ろう。｣
  ｢嫌だ。｣
  ｢あのなぁ、風邪引くのはお前だぞ。｣
  俺は明日の仕事にひびくのはまずいので、仕方なく俺達2人はとりあえず家に帰る事にした。
   家に着くと大ちゃんはホットコーヒーを俺に入れてくれた。とりあえず俺達はソファーに腰掛けた。
  ｢で、なんで優は別れたいの？｣
  ｢･･･大ちゃんが、大ちゃんが浮気してたから。｣
  大ちゃんはコーヒーを飲む手をピタッと止めた。
  ｢･･･は？浮気？｣
  ｢だって、一昨日の朝大ちゃんのお母さんに結婚を考えてる彼女がいるって言ってたじゃん！｣
  それを聞くと大ちゃんは急笑い出した。
  ｢何がおかしいんだよ！？俺は真剣に悩んで決めた答えなのに！｣
  そして大ちゃんはめいいっぱい俺を抱きしめてきた。
  ｢馬鹿だな。そもそもいきなり母親に俺は男と付き合ってるんですって、言いづらいだろ。彼女っていうのはお前の事だよ。ごめん俺も紛らわしい言い方して悪かったな。｣
  大ちゃんは俺を抱きしめて頭を優しく撫でてくれた。俺はホットしたので涙がポロポロと溢れ出てきた。
  ｢俺もごめん。ちゃんと直接聞けばよかった。もう大ちゃんは結婚してもおかしくない年齢だし、こんな俺なんかいつ振られてもおかしくないと思ってたから。｣
  ｢俺はずっと前から優に俺の人生の全部をあげるつもりで、今までずっと一緒にいたんだけど？優は違うの？｣
  大ちゃんは俺の泣いてぐちゃぐちゃになった顔を、覗き込んで俺に言った。
  ｢ずっと、ずっと･･･一緒にいだい～！うぅぅ･･･グスッ。｣
  ｢もう泣くなよ。化粧崩れてオバケになってるぞ。｣
  大ちゃんは笑いながら言ってきてうざかったので、俺は大ちゃんの腹を殴った。
   ｢グッ！ごめんよ。ほら一緒に風呂入ろ。｣
  ｢うん。大ちゃんお姫様抱っこして。｣
  ｢かしこまりました、俺のお姫様。｣
  そう言ってニコッと笑いお姫様抱っこをして俺をお風呂場に連れて行ってくれた。