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異世界到着編
エルフ救出作戦
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ラルフを先頭に歩きながら簡単に状況のすり合わせを行う。
ゴブリン達はこの森を先にある開けた場所に三十匹ほど確認できた。その場所には建物らしきものが数軒立っており、出入りしているホブゴブリンを複数体確認した。たぶん上位種である、ゴブリンジェネラルがいると予想される。また、連れていかれたエルフ達は建物の外にまとめられており、鎖に繋がれてはいたが、暴力や乱暴はされていない様子だった。
「ユースケ・・・あの子供は残念ながらダメだった・・・すまねぇ」
ゴブリンに引き摺られていた子供は既に死亡していたらしく、ゴブリン達に喰われてしまったそうで、その状況を見ていたラルフが悔しそうに教えてくれた。
「喰う・・・・ですか・・・ラルフさんが悪いわけじゃないんですから、謝らないでください」
雄介は、そのおぞましさと悔しさで泣きそうになったが、奥歯を噛み締めて絞り出す様に答えた。
そんな重苦しい雰囲気の中、更に森の中を進み、雄介がスプレーで目印をつけた木が見えてきた。
「おっあった!このよく解んねぇ目印みたいなところを右だ」
ラルフは木に着けた目印から右方向へ足を向ける。雄介は結界のことを伝えるべきか悩みつつラルフ達の後を追った。
「ここだ・・・見えるか?」
ラルフがしゃがんだ姿勢で木の陰から様子を伺う。
雄介はラルフとは反対側からそっと前方を確認し、おおよそ50メートル先にウロウロ、ギャアギャア言っているゴブリンを確認した。
「見えます。アレは見張りですかね?」
「多分そうだろう」
二人は一旦その場を離れマシュー達の元へ戻り状況報告を行う。
「もう少し奥までの状況が知りたいな・・・ラルフ、木に登って偵察してくれるか?」
マシューがラルフに指示を出したところに雄介がストップをかけ、カバンからドローンを取り出して準備を始める。
「なんだそれは?」
「魔道具か!?」
マシュー達は不思議そうに、ダンゴはギラギラした目で雄介の手で組み立てられていくドローンを見つめる。準備が整った雄介は、「音が大きいので遠まりで近づけます」と言いながらドローンを起動させた。
ビィィィィ
ドローン特有のモーター音を響かせてドローンが浮かびあがり、ゴブリン達に気づかれない様に飛行していく。
その光景を見ていた深淵の翼のメンバーは、ポカーンと口を開けたまま飛んでいったドローンを見ていた。
ハッと、我に返ったマシューは雄介に詰め寄る勢いで話し出す。
「おいおいおい!なんだよアレ!空飛んでんぞ!」
「シッ!声が大きい!ユースケアレはなんだ?魔道具か!?」
そんなマシューを抑えて、ラルフが驚きつつも雄介に聞いてきた。
雄介は操縦に集中しながら、空中から見える光景を映す魔道具だと説明する。
「飛んでる先が見える魔道具・・・」ダンゴが目をギラギラさせながらコントロラーを触ろうとしている姿にミリーが気付き、杖で頭を殴りつけながら「落ち着きなさい!」と小声で怒鳴っていた。
雄介の操作するドローンは、ゴブリン達に気づかれる事なく、いくつかの小屋の中心にある建物の上空に到着し、地上の映像を映し出す。
「見えました」雄介の言葉に、マシューが雄介の頭越しに画面を見ておぉ!!と驚き、ラルフは横から画面を覗き、ミリーがその反対側からグイグイと画面に顔を近づけてくる。
因みにダンゴは・・・もはや語るまい・・・。
「ちょっミリーさん近い!動かせませんて!えっと、これが中央の建物かな?」
画面を覗きこんでいたマシューがあっ!と声を上げる。
「出てきた!あれは・・・ゴブリンジェネラルか?」
マシューがラルフに問いかけるとラルフは無言で頷く。
「まっ楽勝だな。ユースケ、アイツがどこに向かってるか見せてくれ」
雄介はマシューの指示に従い、ゴブリンジェネラルの後を追うようにドローンをゆっくりと旋回させる。
建物から離れたゴブリンジェネラルは、鎖に繋がっているエルフ達の方へ向い、エルフ達に近ずくと、威嚇しながら一人の女性の鎖を握り、無理やり引き摺り出して女性を殴りつけた。
殴られた女性はその場に倒れて動かない。
ゴブリンジェネラルは持っていた鎖を手放し、次の女性の鎖を引っ張りまた殴りつける。
音の無いその映像は余りにも凄惨だった。
雄介とミリーは余りの出来事に言葉を失い、ラルフは舌打ちをしながら「ああやって恐怖を植え付けて反抗心を無くさせるんだ」と説明する。
雄介の頭上から、ギリッと歯軋りの音とドスの効いた声で、「クソ野郎どもが!チマチマ作戦なんて立ててる場合じゃねぇ!俺はいくぞ!」とマシューはひとりでゴブリンの方へ走り出した。
「同感じゃ!」ダンゴも両手斧を持ってマシューの後を追う。
ラルフは走り出した二人を追うため、雄介とミリーに「俺達が奴らを引きつけるからミリーは援護を頼む。ユースケはミリーの側にいてくれ、後は出たとこ勝負ってことで!」と指示を出して走り出した。
三人の動きに雄介はドローンの回収を諦め、銃を持って走り出そうとしてミリーの様子を伺う。
ミリーは雄介にもっと近づかないと魔法が届かないことを伝え一緒に走り出した。
ゴブリン達はこの森を先にある開けた場所に三十匹ほど確認できた。その場所には建物らしきものが数軒立っており、出入りしているホブゴブリンを複数体確認した。たぶん上位種である、ゴブリンジェネラルがいると予想される。また、連れていかれたエルフ達は建物の外にまとめられており、鎖に繋がれてはいたが、暴力や乱暴はされていない様子だった。
「ユースケ・・・あの子供は残念ながらダメだった・・・すまねぇ」
ゴブリンに引き摺られていた子供は既に死亡していたらしく、ゴブリン達に喰われてしまったそうで、その状況を見ていたラルフが悔しそうに教えてくれた。
「喰う・・・・ですか・・・ラルフさんが悪いわけじゃないんですから、謝らないでください」
雄介は、そのおぞましさと悔しさで泣きそうになったが、奥歯を噛み締めて絞り出す様に答えた。
そんな重苦しい雰囲気の中、更に森の中を進み、雄介がスプレーで目印をつけた木が見えてきた。
「おっあった!このよく解んねぇ目印みたいなところを右だ」
ラルフは木に着けた目印から右方向へ足を向ける。雄介は結界のことを伝えるべきか悩みつつラルフ達の後を追った。
「ここだ・・・見えるか?」
ラルフがしゃがんだ姿勢で木の陰から様子を伺う。
雄介はラルフとは反対側からそっと前方を確認し、おおよそ50メートル先にウロウロ、ギャアギャア言っているゴブリンを確認した。
「見えます。アレは見張りですかね?」
「多分そうだろう」
二人は一旦その場を離れマシュー達の元へ戻り状況報告を行う。
「もう少し奥までの状況が知りたいな・・・ラルフ、木に登って偵察してくれるか?」
マシューがラルフに指示を出したところに雄介がストップをかけ、カバンからドローンを取り出して準備を始める。
「なんだそれは?」
「魔道具か!?」
マシュー達は不思議そうに、ダンゴはギラギラした目で雄介の手で組み立てられていくドローンを見つめる。準備が整った雄介は、「音が大きいので遠まりで近づけます」と言いながらドローンを起動させた。
ビィィィィ
ドローン特有のモーター音を響かせてドローンが浮かびあがり、ゴブリン達に気づかれない様に飛行していく。
その光景を見ていた深淵の翼のメンバーは、ポカーンと口を開けたまま飛んでいったドローンを見ていた。
ハッと、我に返ったマシューは雄介に詰め寄る勢いで話し出す。
「おいおいおい!なんだよアレ!空飛んでんぞ!」
「シッ!声が大きい!ユースケアレはなんだ?魔道具か!?」
そんなマシューを抑えて、ラルフが驚きつつも雄介に聞いてきた。
雄介は操縦に集中しながら、空中から見える光景を映す魔道具だと説明する。
「飛んでる先が見える魔道具・・・」ダンゴが目をギラギラさせながらコントロラーを触ろうとしている姿にミリーが気付き、杖で頭を殴りつけながら「落ち着きなさい!」と小声で怒鳴っていた。
雄介の操作するドローンは、ゴブリン達に気づかれる事なく、いくつかの小屋の中心にある建物の上空に到着し、地上の映像を映し出す。
「見えました」雄介の言葉に、マシューが雄介の頭越しに画面を見ておぉ!!と驚き、ラルフは横から画面を覗き、ミリーがその反対側からグイグイと画面に顔を近づけてくる。
因みにダンゴは・・・もはや語るまい・・・。
「ちょっミリーさん近い!動かせませんて!えっと、これが中央の建物かな?」
画面を覗きこんでいたマシューがあっ!と声を上げる。
「出てきた!あれは・・・ゴブリンジェネラルか?」
マシューがラルフに問いかけるとラルフは無言で頷く。
「まっ楽勝だな。ユースケ、アイツがどこに向かってるか見せてくれ」
雄介はマシューの指示に従い、ゴブリンジェネラルの後を追うようにドローンをゆっくりと旋回させる。
建物から離れたゴブリンジェネラルは、鎖に繋がっているエルフ達の方へ向い、エルフ達に近ずくと、威嚇しながら一人の女性の鎖を握り、無理やり引き摺り出して女性を殴りつけた。
殴られた女性はその場に倒れて動かない。
ゴブリンジェネラルは持っていた鎖を手放し、次の女性の鎖を引っ張りまた殴りつける。
音の無いその映像は余りにも凄惨だった。
雄介とミリーは余りの出来事に言葉を失い、ラルフは舌打ちをしながら「ああやって恐怖を植え付けて反抗心を無くさせるんだ」と説明する。
雄介の頭上から、ギリッと歯軋りの音とドスの効いた声で、「クソ野郎どもが!チマチマ作戦なんて立ててる場合じゃねぇ!俺はいくぞ!」とマシューはひとりでゴブリンの方へ走り出した。
「同感じゃ!」ダンゴも両手斧を持ってマシューの後を追う。
ラルフは走り出した二人を追うため、雄介とミリーに「俺達が奴らを引きつけるからミリーは援護を頼む。ユースケはミリーの側にいてくれ、後は出たとこ勝負ってことで!」と指示を出して走り出した。
三人の動きに雄介はドローンの回収を諦め、銃を持って走り出そうとしてミリーの様子を伺う。
ミリーは雄介にもっと近づかないと魔法が届かないことを伝え一緒に走り出した。
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