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異世界到着編
山田一家の決意 3
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時間は少し遡り、ラルフさんを見送った後、私は彼女達の様子を見に家へ向かった。
家の前ではブルーシートに座り、食事と傷の手当てが済んだことで安心したのか、小さな子達はウトウトし始めていた。
「優希、ルルちゃん、彼女達を家に入れてあげて」
ちょうどゴミの片付けが終わった優希達に彼女達の事をお願いして、私はタブレットを手に小さく気合を入れて、Fac◯Timeでミミエルさん連絡を入れた。
「洋一さんですか?どうかされましたか?」
ミミエルさんが画面に出てきて不思議そうな顔をしている。周りでは人の声や車の音が聞こえる事から外にいるらしい。
「お忙しいところ申し訳ない。少しお時間を頂けますか?」
「えぇ、ちょうど優希さんからの注文で、ルルちゃんのお洋服の買出しをしていたところですから大丈夫ですよ」
おー、それは申し訳ない。
「色々ご迷惑をお掛けして申し訳ないです。ただ、また緊急事態になりまして、実は・・・」
私はミミエルさんに、雄介が現地の冒険者達一緒にエルフの女性達を助けた話を簡単に話した。
「そうですか・・・そんな事があったのですね・・・。判りました。エルフの女性達用にお布団を十五組と大型のテント二組を本日中にご用意しますね」
ミミエルさんはニコっと笑顔で快諾してくれる。
「本当に申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
私は画面越しにミミエルさんへ頭を下げて通話を切ろうとしたところで、ミミエルさんが話しかけてきた。
「洋一さん、余計な事かも知れませんが雄介さんのことでお話があります」
ミミエルさんが前置きをしてから話し出す。
「雄介さんは今回初めての戦闘・・・いえ、魔物とはいえ生き物の命を奪いました。私達の世界では当たり前の事ですが、雄介さんにとっては精神的なダメージがあるかも知れません」
PTSD ー心的外傷後ストレス障害ー 雄介が自衛隊に入隊した時に「絶対にない」と思いつつ、ネットで調べた記憶を思い出した。
「お気遣いに感謝します。充分に注意しておきます」
「ええ、それと雄介さんはゴブリンとゴブリンジェネラルを倒したそうですから、レベルが一気に上がって今夜はその影響で頭痛、目眩、吐き気、節々の痛みに苦しまれると思いますので、そちらの様子も見てあげて下さいね。」
ん?レベルアップ?
「えっと、そのレベルアップ?する時は毎回その様な症状になるのですか?」
「いえいえ、今回は特別です」
「レベルアップは、本来は段階を追って上がっていく事で身体の作りを少しずつ変えていくので、大概の人はその変化に気づきませんが、稀に今回の様な相当な格上の相手を倒した時は、レベルが一気に上がるため身体の変化も急激になってしまい体調不良を起こしてしまうのです」
私は驚きつつレベルについて聞こうとしたが、ミミエルさんの時間をこれ以上邪魔する訳にもいかないので、お礼を言って通話を切った。
・・・PTSDにレベルアップ・・・か。私は雄介の事が心配になり姿を探して辺りを見渡すと、丁度ブルーシートを片付けている姿を見つけたので、さり気なく話しかけた。
「雄介、ミミエルさんに布団とテントを頼んだぞ。後で届くから家に運ぶの手伝ってくれっ・・・お前顔色悪いぞ?体調は大丈夫か?」
「ん?顔色わるい?うーん、こりゃ本格的に風邪ひいちゃったかな?」
雄介がブルーシートを畳みながら風邪の症状を訴えてきたので、先ほどミミエルさんから聞いたレベルアップの話を伝える。
「おぉ!マジで!なるほど!これはレベルアップ酔いってやつか!」
雄介は体調が悪いにも関わらず、両手を挙げて喜びのダンスをし始めた。
PTSDは・・・大丈夫?・・いや、まだ安心できない!
辺りが夕焼けに染まる頃、ミミエルさんから連絡が入り、家の横に布団十五組みと大型のテントが二つ転送されてきた。
ミミエルさん曰く、ニ○リの店員さんが驚いていたそうだ。
ほんと申し訳ない。
私は布団が届いた事を伝えに玄関に入ると、優希とルル、確かラナさんと名乗った女性がお茶を飲みながら話をしていた。
「優希、今布団が届いたんだが、何処に運ぶ?」
私の問いかけで気がついたラナさんが立ち上がり、「色々とご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と深々と頭を下げる。
「さっきから言ってるけど、そんな事気にしなくて良いわよ。ね、あなた?」
優希の言葉に「ええ、困ったときはお互い様ですからね、気にしないでください」とラナさんに頭を上げて貰いながら伝える。
その姿を見ながらルルが「フトンって何?」と聞いてきたので、日本古来からの寝具だとラナさんも交えて説明した。
「床で使う寝具ですか。毛皮とは違うのですね」
ラナさんが感心しながら呟き、みんなを起こして運ばせますと言って二階へ上がっていった。
「大きさの割には軽いですね」
エルフの女性たちがワラワラと布団袋の前に集まりワイワイ言いながら運んでいく。
そんな光景を横目に私と雄介は自分たちの寝るテントを組み立てる。
流石に体調が悪くなってきたのか、雄介はテントを組み立て「もう寝る」と言うや否や寝袋に入って寝てしまった。
私も自分のテントを組み立て、折り畳みチェアーに腰掛けながら晩ご飯の心配をしていると、ルルが「ご飯だよ~」と呼びに来てくれた。
ルルと一緒に家に戻ると、リビングにエルフの女性たちが思い思いに座り、菓子パンを「美味しい!」「こんなの初めて!」などと喜びながら食べていた。
おぉ、美女達の花園がここにある。
私はエルフ達の神秘的な美しさにドギマギしながらオドオドと端の方へ寄って壁のシミとかす。そこへ優希が「はい、晩ご飯」と言いながら菓子パンを持ってやってきた。
「お、ありがとう」
私は菓子パンを食べながら「明日からの食料とかは大丈夫か?」と優希に問いかける。
「明日の朝用に食パンも買ってきてもらったし、お米とかの材料も追加して、ついでに炊き出し用の鍋やらお釜なんかも頼んでおいから大丈夫だと思うわ」
流石に優希も疲れているのか軽くため息をつきながら、まぁなんとかなるでしょ!と気合を込めて呟やく。
苦労をかけてすまないなぁ。
私の考えが顔に出てたのか、優希は「別にあなたが悪い訳じゃないんだから気にしないの!」と言いながら背中をポンポンと叩き、「それに、ちょうど皆んな居るんだから、私達の事やこれからの事をさっさと話しちゃいなさいよ」と言って背中をバン!と叩いた。
家の前ではブルーシートに座り、食事と傷の手当てが済んだことで安心したのか、小さな子達はウトウトし始めていた。
「優希、ルルちゃん、彼女達を家に入れてあげて」
ちょうどゴミの片付けが終わった優希達に彼女達の事をお願いして、私はタブレットを手に小さく気合を入れて、Fac◯Timeでミミエルさん連絡を入れた。
「洋一さんですか?どうかされましたか?」
ミミエルさんが画面に出てきて不思議そうな顔をしている。周りでは人の声や車の音が聞こえる事から外にいるらしい。
「お忙しいところ申し訳ない。少しお時間を頂けますか?」
「えぇ、ちょうど優希さんからの注文で、ルルちゃんのお洋服の買出しをしていたところですから大丈夫ですよ」
おー、それは申し訳ない。
「色々ご迷惑をお掛けして申し訳ないです。ただ、また緊急事態になりまして、実は・・・」
私はミミエルさんに、雄介が現地の冒険者達一緒にエルフの女性達を助けた話を簡単に話した。
「そうですか・・・そんな事があったのですね・・・。判りました。エルフの女性達用にお布団を十五組と大型のテント二組を本日中にご用意しますね」
ミミエルさんはニコっと笑顔で快諾してくれる。
「本当に申し訳ありませんが、よろしくお願いします」
私は画面越しにミミエルさんへ頭を下げて通話を切ろうとしたところで、ミミエルさんが話しかけてきた。
「洋一さん、余計な事かも知れませんが雄介さんのことでお話があります」
ミミエルさんが前置きをしてから話し出す。
「雄介さんは今回初めての戦闘・・・いえ、魔物とはいえ生き物の命を奪いました。私達の世界では当たり前の事ですが、雄介さんにとっては精神的なダメージがあるかも知れません」
PTSD ー心的外傷後ストレス障害ー 雄介が自衛隊に入隊した時に「絶対にない」と思いつつ、ネットで調べた記憶を思い出した。
「お気遣いに感謝します。充分に注意しておきます」
「ええ、それと雄介さんはゴブリンとゴブリンジェネラルを倒したそうですから、レベルが一気に上がって今夜はその影響で頭痛、目眩、吐き気、節々の痛みに苦しまれると思いますので、そちらの様子も見てあげて下さいね。」
ん?レベルアップ?
「えっと、そのレベルアップ?する時は毎回その様な症状になるのですか?」
「いえいえ、今回は特別です」
「レベルアップは、本来は段階を追って上がっていく事で身体の作りを少しずつ変えていくので、大概の人はその変化に気づきませんが、稀に今回の様な相当な格上の相手を倒した時は、レベルが一気に上がるため身体の変化も急激になってしまい体調不良を起こしてしまうのです」
私は驚きつつレベルについて聞こうとしたが、ミミエルさんの時間をこれ以上邪魔する訳にもいかないので、お礼を言って通話を切った。
・・・PTSDにレベルアップ・・・か。私は雄介の事が心配になり姿を探して辺りを見渡すと、丁度ブルーシートを片付けている姿を見つけたので、さり気なく話しかけた。
「雄介、ミミエルさんに布団とテントを頼んだぞ。後で届くから家に運ぶの手伝ってくれっ・・・お前顔色悪いぞ?体調は大丈夫か?」
「ん?顔色わるい?うーん、こりゃ本格的に風邪ひいちゃったかな?」
雄介がブルーシートを畳みながら風邪の症状を訴えてきたので、先ほどミミエルさんから聞いたレベルアップの話を伝える。
「おぉ!マジで!なるほど!これはレベルアップ酔いってやつか!」
雄介は体調が悪いにも関わらず、両手を挙げて喜びのダンスをし始めた。
PTSDは・・・大丈夫?・・いや、まだ安心できない!
辺りが夕焼けに染まる頃、ミミエルさんから連絡が入り、家の横に布団十五組みと大型のテントが二つ転送されてきた。
ミミエルさん曰く、ニ○リの店員さんが驚いていたそうだ。
ほんと申し訳ない。
私は布団が届いた事を伝えに玄関に入ると、優希とルル、確かラナさんと名乗った女性がお茶を飲みながら話をしていた。
「優希、今布団が届いたんだが、何処に運ぶ?」
私の問いかけで気がついたラナさんが立ち上がり、「色々とご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と深々と頭を下げる。
「さっきから言ってるけど、そんな事気にしなくて良いわよ。ね、あなた?」
優希の言葉に「ええ、困ったときはお互い様ですからね、気にしないでください」とラナさんに頭を上げて貰いながら伝える。
その姿を見ながらルルが「フトンって何?」と聞いてきたので、日本古来からの寝具だとラナさんも交えて説明した。
「床で使う寝具ですか。毛皮とは違うのですね」
ラナさんが感心しながら呟き、みんなを起こして運ばせますと言って二階へ上がっていった。
「大きさの割には軽いですね」
エルフの女性たちがワラワラと布団袋の前に集まりワイワイ言いながら運んでいく。
そんな光景を横目に私と雄介は自分たちの寝るテントを組み立てる。
流石に体調が悪くなってきたのか、雄介はテントを組み立て「もう寝る」と言うや否や寝袋に入って寝てしまった。
私も自分のテントを組み立て、折り畳みチェアーに腰掛けながら晩ご飯の心配をしていると、ルルが「ご飯だよ~」と呼びに来てくれた。
ルルと一緒に家に戻ると、リビングにエルフの女性たちが思い思いに座り、菓子パンを「美味しい!」「こんなの初めて!」などと喜びながら食べていた。
おぉ、美女達の花園がここにある。
私はエルフ達の神秘的な美しさにドギマギしながらオドオドと端の方へ寄って壁のシミとかす。そこへ優希が「はい、晩ご飯」と言いながら菓子パンを持ってやってきた。
「お、ありがとう」
私は菓子パンを食べながら「明日からの食料とかは大丈夫か?」と優希に問いかける。
「明日の朝用に食パンも買ってきてもらったし、お米とかの材料も追加して、ついでに炊き出し用の鍋やらお釜なんかも頼んでおいから大丈夫だと思うわ」
流石に優希も疲れているのか軽くため息をつきながら、まぁなんとかなるでしょ!と気合を込めて呟やく。
苦労をかけてすまないなぁ。
私の考えが顔に出てたのか、優希は「別にあなたが悪い訳じゃないんだから気にしないの!」と言いながら背中をポンポンと叩き、「それに、ちょうど皆んな居るんだから、私達の事やこれからの事をさっさと話しちゃいなさいよ」と言って背中をバン!と叩いた。
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