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異世界到着編
山田一家の決意 2
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ユースケ達と別れ穏やかな森を歩き、しばらくすると膜を抜ける感覚がした後、森の空気がガラッと変わった。
(うん。やはり俺たちが使っている魔物避けの結界と根本的に違うな)
ラルフは自分たちが野営の時に使用する魔物避けの結界との違いを考えながら、マシュー達の元へ急いだ。
しばらく進むと、前方でマシュー達がゴブリンの死体を焼却するために山積みになっている死骸と、ゴブリンの足を持ってズルズル引きずっているマシューを見つけた。
「おう、お疲れさん。後始末の調子はどうだ?」
ラルフが右手を上げ挨拶しながら、ゴブリンの死体を放りこみ終わったマシューに話しかける。
「おう!ラルフか、今ダンゴが運んでるので最後だな。で、ユースケ達の方はは大丈夫か?」
「ああ、ユースケ達は問題ない。不思議な結界で守られてる場所で安全に過ごせそうだし、メシも美味かったしな」
「何じゃ?その不思議な結界ってのは」
ダンゴが、ゴブリンの腕やら足やらをポイっと死骸の山へ放り投げながら結界について聞いてくる。
「まぁまぁ、そこら辺も含めて晩飯の時にでも話すよ。これで最後なんだろ?とっととミリーに焼いてもらっちまおうぜ」
マシューとダンゴが話の続きを聞きたいと不満気な顔を無視して、ラルフはミリーに声をかけながら今晩の話のネタにひとりほくそ笑んだ。
『ファイヤストーム!』
ミリーの魔法でひと塊りになったゴブリンの死骸を焼却処分し、マシュー達が最後の後始末を終えて一息ついた時はもう夕暮れになっており、森の中は既に見通せない程の暗闇になっていた。
マシュー達はそんな中、テントの設営や焚き火の準備を手慣れた感じでテキパキと進めていく。
「んじゃ、この辺で結界を張るぞ」
ラルフは一辺を十歩ほど歩いて四隅にそれぞれ赤い宝石の着いた杭を挿していいき、その中央付近に五本目の杭を挿して宝石に魔力を流す。すると、中心以外の杭も順番に輝き始め結界が完成する。
ラルフは、出来上がった結界の中から外へと行ったり来たりしながらユースケ達の結界との違いを確かめていた。
そんなラルフを不思議そうに眺めながら、マシューが干し肉を噛みちぎりながらラルフに問いかける。
「んで、ユースケ達の居るところってどんな感じなんだよ、後メシが美味いって言ってなかったか?」
ラルフはマシュー達の元に戻り自分の背負い袋から干し肉を取り出して、昼のアレを食っちまった後でこの干し肉は食えねぇなぁ。などと考えつつナイフで小さく割いて口に放り込みながら、マシューの質問に答える。
「おう、それな、ユースケ達のいる場所なんだが、ここにくる時に見つけたあの変な印を覚えてるか?あの印、犯人はユースケだったんだが、そこを目印に魔物避けの結界が張られていて、しばらく歩くと大きな広場に出るんだわ」
ラルフは皮袋のワインを一口飲み喉を潤し続きを話す。
「で、その広場にポツンと家が建ってよ、そこにユースケの両親と狼人族の少女が待ってたんだよ」
「ユースケの両親と狼人族?」ミリーが不思議そうに質問する。
「あぁ、なんでも口減らしで村を出されて彷徨ってるところを保護したんだってよ」
ラルフを除く全員がほうと感心する。
「まぁ、それからエルフ達を保護する事になるんだけど、ユースケの親父、ヨーイチさんて言うんだが、エルフ達に巻かれていた鎖をさ、悔しそうな顔で泣きながら切るんだわ。んで、切りながら「大丈夫ですか?」「痛くないですか?」って泣きながら言うもんだから、順番待ちしてるエルフ達も含めて全員号泣さ」
「・・・優しい人なのね」とミリーが木の実をポリポリ食べながらポツリと呟く。
「そんで鎖を外されたエルフ達は、ユースケの母親、ユーキさんに治療してもらいながらお互いに号泣。いやぁ良いもん見させて貰ったよ」
「・・・いい家族だな」マシューが少し寂しそうに呟き、ミリーがそっとマシューに手を添える。
ラルフは一息つき、干し肉を口に放り込む。ラルフの話がひと段落したところで、ミリーとマシューが顔を見合わせお互いに頷き、マシューがラルフに問いかける。
「なぁ、俺たちもユースケ達の土地に入っても大丈夫かな」
ラルフは予想通りの展開にニヤッと笑ってマシュー達に「あぁ、ヨーイチさんに聞いたら是非来て欲しいってよ」と答え、ワインを一口飲だあと、「どのみち俺たちには行くあてが無くなっちまったからな、魔物避けの結界も広いし出来れば一緒に住まわしてもらいたいんだが・・・」
そこで、一人一人を見回す。
「俺とミリーはラルフの意見に賛成だ。もういい歳だしな、出来れば早く腰を落ち着けたい」
「ワシは見てから考えるわい。面白そうなモノがあれば話は別じゃがな」
今まで黙々と干し肉を食べエールで流し込んでいたダンゴが答える。
全員を見回したラルフはニヤッと笑い「まっ明日の交渉次第だけどな」と言いながら、残りの干し肉を口に放り込んだ。
「あ!そう言えば!なんか美味しいもん食ったって言ってなかったか?」
「お!そうじゃ!不思議な結界って何じゃ!?」
「まあまあ焦るなって、じゃ先ずは美味いもんの話な・・・・」
冒険者パーティー「深淵の翼」の夜はまだまだ続くのであった。
(うん。やはり俺たちが使っている魔物避けの結界と根本的に違うな)
ラルフは自分たちが野営の時に使用する魔物避けの結界との違いを考えながら、マシュー達の元へ急いだ。
しばらく進むと、前方でマシュー達がゴブリンの死体を焼却するために山積みになっている死骸と、ゴブリンの足を持ってズルズル引きずっているマシューを見つけた。
「おう、お疲れさん。後始末の調子はどうだ?」
ラルフが右手を上げ挨拶しながら、ゴブリンの死体を放りこみ終わったマシューに話しかける。
「おう!ラルフか、今ダンゴが運んでるので最後だな。で、ユースケ達の方はは大丈夫か?」
「ああ、ユースケ達は問題ない。不思議な結界で守られてる場所で安全に過ごせそうだし、メシも美味かったしな」
「何じゃ?その不思議な結界ってのは」
ダンゴが、ゴブリンの腕やら足やらをポイっと死骸の山へ放り投げながら結界について聞いてくる。
「まぁまぁ、そこら辺も含めて晩飯の時にでも話すよ。これで最後なんだろ?とっととミリーに焼いてもらっちまおうぜ」
マシューとダンゴが話の続きを聞きたいと不満気な顔を無視して、ラルフはミリーに声をかけながら今晩の話のネタにひとりほくそ笑んだ。
『ファイヤストーム!』
ミリーの魔法でひと塊りになったゴブリンの死骸を焼却処分し、マシュー達が最後の後始末を終えて一息ついた時はもう夕暮れになっており、森の中は既に見通せない程の暗闇になっていた。
マシュー達はそんな中、テントの設営や焚き火の準備を手慣れた感じでテキパキと進めていく。
「んじゃ、この辺で結界を張るぞ」
ラルフは一辺を十歩ほど歩いて四隅にそれぞれ赤い宝石の着いた杭を挿していいき、その中央付近に五本目の杭を挿して宝石に魔力を流す。すると、中心以外の杭も順番に輝き始め結界が完成する。
ラルフは、出来上がった結界の中から外へと行ったり来たりしながらユースケ達の結界との違いを確かめていた。
そんなラルフを不思議そうに眺めながら、マシューが干し肉を噛みちぎりながらラルフに問いかける。
「んで、ユースケ達の居るところってどんな感じなんだよ、後メシが美味いって言ってなかったか?」
ラルフはマシュー達の元に戻り自分の背負い袋から干し肉を取り出して、昼のアレを食っちまった後でこの干し肉は食えねぇなぁ。などと考えつつナイフで小さく割いて口に放り込みながら、マシューの質問に答える。
「おう、それな、ユースケ達のいる場所なんだが、ここにくる時に見つけたあの変な印を覚えてるか?あの印、犯人はユースケだったんだが、そこを目印に魔物避けの結界が張られていて、しばらく歩くと大きな広場に出るんだわ」
ラルフは皮袋のワインを一口飲み喉を潤し続きを話す。
「で、その広場にポツンと家が建ってよ、そこにユースケの両親と狼人族の少女が待ってたんだよ」
「ユースケの両親と狼人族?」ミリーが不思議そうに質問する。
「あぁ、なんでも口減らしで村を出されて彷徨ってるところを保護したんだってよ」
ラルフを除く全員がほうと感心する。
「まぁ、それからエルフ達を保護する事になるんだけど、ユースケの親父、ヨーイチさんて言うんだが、エルフ達に巻かれていた鎖をさ、悔しそうな顔で泣きながら切るんだわ。んで、切りながら「大丈夫ですか?」「痛くないですか?」って泣きながら言うもんだから、順番待ちしてるエルフ達も含めて全員号泣さ」
「・・・優しい人なのね」とミリーが木の実をポリポリ食べながらポツリと呟く。
「そんで鎖を外されたエルフ達は、ユースケの母親、ユーキさんに治療してもらいながらお互いに号泣。いやぁ良いもん見させて貰ったよ」
「・・・いい家族だな」マシューが少し寂しそうに呟き、ミリーがそっとマシューに手を添える。
ラルフは一息つき、干し肉を口に放り込む。ラルフの話がひと段落したところで、ミリーとマシューが顔を見合わせお互いに頷き、マシューがラルフに問いかける。
「なぁ、俺たちもユースケ達の土地に入っても大丈夫かな」
ラルフは予想通りの展開にニヤッと笑ってマシュー達に「あぁ、ヨーイチさんに聞いたら是非来て欲しいってよ」と答え、ワインを一口飲だあと、「どのみち俺たちには行くあてが無くなっちまったからな、魔物避けの結界も広いし出来れば一緒に住まわしてもらいたいんだが・・・」
そこで、一人一人を見回す。
「俺とミリーはラルフの意見に賛成だ。もういい歳だしな、出来れば早く腰を落ち着けたい」
「ワシは見てから考えるわい。面白そうなモノがあれば話は別じゃがな」
今まで黙々と干し肉を食べエールで流し込んでいたダンゴが答える。
全員を見回したラルフはニヤッと笑い「まっ明日の交渉次第だけどな」と言いながら、残りの干し肉を口に放り込んだ。
「あ!そう言えば!なんか美味しいもん食ったって言ってなかったか?」
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