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村づくり 初級編
村の現状 3
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「ここがラナの家か・・・」
ラナの家は、ここに来るまでに見た半壊した建物より一回り大きく、破壊されている箇所も壁面の一部だけだった。
雄介は家の周りをしげしげと見ながら破壊された壁から中を覗くと、ディダンと話し込んでいたマシューと目が合った。
雄介に気付いたマシューは、目線で玄関から入ってこいと雄介達に指示をする。
「失礼します・・・!」
雄介達が玄関から入って直ぐに、ベッドにいる三名の怪我人を見て思わず息を飲む。
「エリサちゃん!?」
「ルーおばさん!」
三人の内、左腕の肘から先が切断され、痛々しく包帯が巻かれている女性がエリサを見つけ、驚きの声をあげる。
声を掛けられたエリサも、バネッサの母親と気づき驚きと喜びの声をあげ、ルーへ駆け寄る。
「あぁ!無事で良かった!」
「えぇ!バネッサも無事よ!・・・おばさん、その、怪我は・・・」
エリサはルーへ抱きつこうとして、切断された腕を見て言葉を失う。
「バネッサが連れて行かれそうになって、主人と一緒に戦った時にね・・・」
ルーが包帯が巻かれた腕を見詰めながら、悔しそうな顔をして事情を話し出す。
エリサは、掛ける言葉が見当たらず黙って俯いてしまう。
「ごめんなさい・・・あなた達を守る事が出来なくて・・・」
俯いたエリサにルーは苦しそうに謝る。そんなルーをみて、エリサは慌ててルーの肩に手を置いて話しかける。
「おばさんは何も悪くないんだから、謝らないで・・・ね?」
「エリサちゃん・・・」
二人は涙を流しながら、そっと抱きしめあった。
エリサがルーとの再会を喜び合っている横で、雄介はマシューに呼ばれ、ディダンと話し合いを始めていた。
「こいつが、さっき話した雄介だ」
「山田雄介と申します。よろしくお願いします」
マシューに紹介された雄介はディダンに挨拶をする。
「ディダンだ。村では狩りと人間の街との交易を担当していた」
ディダンは右手を出して雄介と握手をする。
「人間の街との交易・・・ですか?」
雄介が不思議そうな顔をすると、ディダンは苦笑いをして肩を窄める。
「一応な。まぁ、森で取れる木の実や果物、毛皮なんかを村で使う調味料や日用品と交換しているだけだけどな」
「あっすみません!そういう意味では無くて、人間の治める街が近くにあるんですか?」
雄介は慌ててデイダンの誤解を解きつつ、人間の街に関して質問すると、今度はディダンが不思議そうな顔をする。
「君はマシュー達と一緒に人間の街から来た冒険者ではないのか?」
「えっと、何て言えばいいのかなぁ、取り敢えずその説明は後でします、ちょっと時間が掛るので」
雄介は何と説明したものかと困っていると、マシューが雄介に助け舟をだす。
「雄介、その説明は後でゆっくりしようや。それよりも先ずは、生存者の名簿を出してくれ」
「あ!そうですね!ちょっと待って下さい」
雄介は自分のリュックからエルフ娘達の名簿を取り出し、ディダンへ手渡す。
「ありがとう。先程ラナから口頭では聴いていたが、名簿で貰えると助かる」
雄介ら受け取った名簿を確認しながらディダンは怪我人のところへ向かい、ルー以外の男性二名へ話しかけ始めた。
ディダンの様子を見ていた雄介は、ふとラナが居ない事に気が付き、マシューに話しかける。
「マシューさん、ラナが居ないみたいなんですが、どうかしましたか?」
「あぁ、ラナなら一旦自分の部屋に行くって言って二階へ上がったぜ?」
「そうですか・・・」
マシューの言葉に頷きつつ、二階を見詰めている雄介に「ちょっと様子を見て来てくれるか」とマシューが声をかける。
「そう・・・ですね、ちょっと行って来ます」
雄介は頷き、二階へ上がっていった。
一方、結界柱から戻ってきたラルフ達は、念のために他の結界柱に埋め込まれている魔石を確認するため、二ヶ所目の結界柱の場所まで来ていた。
「こっちは問題ねぇな」
「ですね」
ラルフが見上げている先にある魔石は、本来の姿である色鮮やかなブルーの輝きを放っている。
「よし、念の為、他のも確認したら一旦戻るか」
「そうだな・・・。あー、それにお前さん達も泊まるんだろ?」
「あぁ、そのつもりだが?」
ヤークの歯切れの悪い言い回しにラルフが不思議そうな顔をする。
「いや、歓迎したいのは山々なんだが、実はさ、俺たちの食料も残りが乏しくてな・・・」
ヤークがバツの悪そうな顔をして頭を掻く。
「あぁ、そんなの気にすんなよ。別に俺たちも、ただ遊びに来たんじゃねぇぜ?」
ラルフの話に、今度はヤークが不思議そうな顔をする。
「なんだ?ラナ達を連れて来てくれた、だけじゃ無いのか?」
「あぁ、今頃マシューからディダン達に説明してると思うが、助けたのはラナとエリサ意外にも十名以上いるんだよ」
ラルフの説明にヤークは目を見開き、嬉しそうな顔をする。
「本当か!そうか・・・良かった・・・」
そんなヤークの肩をポンポンと叩きながら、ラルフは今回の目的を話し始める。
「まぁ、細かい話は戻ってからになるが、俺たちがココに来た目的は、お前ら全員を俺たちが住んでいる村へ来ないかと誘いに来たんだよ」
ラナの家は、ここに来るまでに見た半壊した建物より一回り大きく、破壊されている箇所も壁面の一部だけだった。
雄介は家の周りをしげしげと見ながら破壊された壁から中を覗くと、ディダンと話し込んでいたマシューと目が合った。
雄介に気付いたマシューは、目線で玄関から入ってこいと雄介達に指示をする。
「失礼します・・・!」
雄介達が玄関から入って直ぐに、ベッドにいる三名の怪我人を見て思わず息を飲む。
「エリサちゃん!?」
「ルーおばさん!」
三人の内、左腕の肘から先が切断され、痛々しく包帯が巻かれている女性がエリサを見つけ、驚きの声をあげる。
声を掛けられたエリサも、バネッサの母親と気づき驚きと喜びの声をあげ、ルーへ駆け寄る。
「あぁ!無事で良かった!」
「えぇ!バネッサも無事よ!・・・おばさん、その、怪我は・・・」
エリサはルーへ抱きつこうとして、切断された腕を見て言葉を失う。
「バネッサが連れて行かれそうになって、主人と一緒に戦った時にね・・・」
ルーが包帯が巻かれた腕を見詰めながら、悔しそうな顔をして事情を話し出す。
エリサは、掛ける言葉が見当たらず黙って俯いてしまう。
「ごめんなさい・・・あなた達を守る事が出来なくて・・・」
俯いたエリサにルーは苦しそうに謝る。そんなルーをみて、エリサは慌ててルーの肩に手を置いて話しかける。
「おばさんは何も悪くないんだから、謝らないで・・・ね?」
「エリサちゃん・・・」
二人は涙を流しながら、そっと抱きしめあった。
エリサがルーとの再会を喜び合っている横で、雄介はマシューに呼ばれ、ディダンと話し合いを始めていた。
「こいつが、さっき話した雄介だ」
「山田雄介と申します。よろしくお願いします」
マシューに紹介された雄介はディダンに挨拶をする。
「ディダンだ。村では狩りと人間の街との交易を担当していた」
ディダンは右手を出して雄介と握手をする。
「人間の街との交易・・・ですか?」
雄介が不思議そうな顔をすると、ディダンは苦笑いをして肩を窄める。
「一応な。まぁ、森で取れる木の実や果物、毛皮なんかを村で使う調味料や日用品と交換しているだけだけどな」
「あっすみません!そういう意味では無くて、人間の治める街が近くにあるんですか?」
雄介は慌ててデイダンの誤解を解きつつ、人間の街に関して質問すると、今度はディダンが不思議そうな顔をする。
「君はマシュー達と一緒に人間の街から来た冒険者ではないのか?」
「えっと、何て言えばいいのかなぁ、取り敢えずその説明は後でします、ちょっと時間が掛るので」
雄介は何と説明したものかと困っていると、マシューが雄介に助け舟をだす。
「雄介、その説明は後でゆっくりしようや。それよりも先ずは、生存者の名簿を出してくれ」
「あ!そうですね!ちょっと待って下さい」
雄介は自分のリュックからエルフ娘達の名簿を取り出し、ディダンへ手渡す。
「ありがとう。先程ラナから口頭では聴いていたが、名簿で貰えると助かる」
雄介ら受け取った名簿を確認しながらディダンは怪我人のところへ向かい、ルー以外の男性二名へ話しかけ始めた。
ディダンの様子を見ていた雄介は、ふとラナが居ない事に気が付き、マシューに話しかける。
「マシューさん、ラナが居ないみたいなんですが、どうかしましたか?」
「あぁ、ラナなら一旦自分の部屋に行くって言って二階へ上がったぜ?」
「そうですか・・・」
マシューの言葉に頷きつつ、二階を見詰めている雄介に「ちょっと様子を見て来てくれるか」とマシューが声をかける。
「そう・・・ですね、ちょっと行って来ます」
雄介は頷き、二階へ上がっていった。
一方、結界柱から戻ってきたラルフ達は、念のために他の結界柱に埋め込まれている魔石を確認するため、二ヶ所目の結界柱の場所まで来ていた。
「こっちは問題ねぇな」
「ですね」
ラルフが見上げている先にある魔石は、本来の姿である色鮮やかなブルーの輝きを放っている。
「よし、念の為、他のも確認したら一旦戻るか」
「そうだな・・・。あー、それにお前さん達も泊まるんだろ?」
「あぁ、そのつもりだが?」
ヤークの歯切れの悪い言い回しにラルフが不思議そうな顔をする。
「いや、歓迎したいのは山々なんだが、実はさ、俺たちの食料も残りが乏しくてな・・・」
ヤークがバツの悪そうな顔をして頭を掻く。
「あぁ、そんなの気にすんなよ。別に俺たちも、ただ遊びに来たんじゃねぇぜ?」
ラルフの話に、今度はヤークが不思議そうな顔をする。
「なんだ?ラナ達を連れて来てくれた、だけじゃ無いのか?」
「あぁ、今頃マシューからディダン達に説明してると思うが、助けたのはラナとエリサ意外にも十名以上いるんだよ」
ラルフの説明にヤークは目を見開き、嬉しそうな顔をする。
「本当か!そうか・・・良かった・・・」
そんなヤークの肩をポンポンと叩きながら、ラルフは今回の目的を話し始める。
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