26 / 27
26.平和な日常に、一筋の風が吹く
しおりを挟む
マリアの誘拐事件から二ヶ月が経過した。
「お嬢様、おはようございます。今日も暑くなりそうですよ」
「おはようリラ。すっかり夏らしい気候になったわね」
(とはいえ、日本の夏に比べたらかなりマシなんだよね!)
日本の猛暑の中ドレスを着るのはかなりしんどいだろう。
この世界の夏は手心が加えられていて、正直助かる。
「今日は早めに出られるのでしたよね?」
「えぇ。クリス様が王城のスイレンを見せてくださるの」
「ふふっ、クリストファー殿下はすっかりお嬢様にご執心ですね」
「もう、リラってば。勝手なことを言ってはダメよ」
あの事件を経て信頼関係が深まった私たちは、同学年では一番親しくしていると言っても過言ではないだろう。共に生徒会を盛り立てる同志だと、私は思っている。
(すっかり平和な日常って感じだ。あー、本当によかった!)
◇◇◇
私が女神の導き手だと知ったイザークは、すっかり大人しくなった。
『マリアは自分が亡国の王女だということも、実の両親だと思っていた人たちが養父母だったということも、知ったばかりです。そんな状況でご自分の都合ばかり押し付けるのはいかがなものかしら?』
『大変申し訳ございません!』
『せめて母国の事や、既に亡き実のご両親のことを知ってからでないと、ナダル公国へは向かわせられません。悠長にしていられない状況とは理解しておりますが、まずはマリアに時間をください』
『全ては女神の御心のままに!』
私の言うことをなんでも聞いてくれるようになったので、そこからは話が早かった。
イザークの身柄はアレクシス殿下が引き受けることになり、殿下とジェイドのサポートの元、国王陛下に謁見し母国の窮状を訴えた。
その間にマリアは、育ての親と話し合い自らの出自を改めて教えられ、全て受け入れた上でナダル公国へ向かうことを決めた。
『ナダル公国には、お父さんとお母さんの親戚も居るって聞いたんです。私を生んでくれた人……亡くなったお母様のことも、もっと知りたいって思いました。それに、神聖力は人を助けるための力ですから!』
笑顔でそう話してくれたマリアには、アレクシス殿下が同行してくれた。本来ならマリアはクリス様ついていくべきだけど、第二王子が事情も明かさず何日も学園を欠席するのは難しい。同じ理由で、私も同行を断念した。
『ヴィオレッタ嬢、マリアが無茶しないよう俺がしっかり見張っているから。どうか安心して欲しい。その間君はクリスのことをよろしく頼む』
『私に出来ることなんて、特にないと思いますが……』
『今までマリアはクリスの管轄だったんだ。急に俺に代わることで、寂しい想いをするだろう。学園では出来る限り一緒に過ごしてあげて欲しいし、放課後は二人で仲良く生徒会活動に励んで欲しい。なんなら休日も共に過ごす時間を持ってもいいんじゃないかな?』
その言葉に従って、クリス様と多くの時間を共に過ごした。ちょうどいいので、生徒会業務の見直しや今後の活動について話し合うなど、マリア不在の淋しさと不安を埋めるように生徒会活動に励んだ。
一か月後に無事戻ってきたマリアとアレクシス殿下は、恋仲になっていた。
そのままマリアはクリス様からアレクシス殿下の管轄に移り、寮を出て王城で暮らし始める。
『マリアに弱った身体を治療してもらって、イザーク公子に魔力制御の手ほどきを受けた。まだまだ体力が足りないけど、すっかり健康そのものだ。皆には本当に感謝している』
ナダル公国から帰ってきたアレクシス殿下は、かの国の王族にすっかり気に入られたそうだ。距離が離れているのでそう簡単に行き来は出来ないけど、マリアとアレクシス殿下が居る限り両国は良き関係を築けるだろう。
(全部いい感じに、収まるところに収まったなぁ)
マリアとアレクシス殿下は、きっとこのまま婚約するだろう。ゲームのアレクルートとは異なる展開だけど、二人とも幸せそうだ。
(私が思い出したゲームの内容よりも、素敵な展開になってると思う。ここが私にとってのトゥルーエンドの世界、かな)
馬車に揺られながら最近の出来事を思い返していると、王城が見えてきた。
◇◇◇
「ヴィオ、来てくれてありがとう。早くからすまないね」
「クリス様、こちらこそお招きいただきありがとうございます。王城のスイレン、きっと素敵でしょうね。楽しみにしておりましたの」
出迎えてくれたのは、クリス様だけだ。珍しくカイル様が不在だし、マリアの姿も見えない。何かあったのだろうか。
「実は、今日はヴィオしか呼んでいないんだ。君と二人で話がしたくて」
「あら、そうだったのですね」
キョロキョロしていたら、クリス様が教えてくれた。
(なんだろう?秋の生徒会選挙についての相談かな?事前に教えてくれてたら、色々考えて来たのに……)
つい先日、ヴィオレッタは生徒会庶務から副会長に昇格した。誰よりも真面目に生徒会に取り組んできたし、順当だろう。
「先に言っておくけど、生徒会の話ではないから。もっとこう、なんというか、個人的な話がしたいんだ」
最近こういう風に、私の考えていることが言わなくてもバレているときがある。ヴィオレッタは感情が顔に出にくいハズなのに、何故だかクリス様にはわかるようだ。
「ほら、行こう。こっちだよ」
「っ、クリス様!?」
(え、急にどしたの!?なんで手を……!?)
同級生では一番親しい間柄だと自負しているけど、手を繋がれるなんて今までなかった。
そもそもクリス様は第二王子殿下だ。特定の令嬢とこんな形で親しくしては、あらぬ誤解を生んでしまう。振りほどこうにも、思いの外強く握られていて離せない。
(ていうかここ王城だよ?使用人も見てるよ??こんな風に手を繋いで歩くなんて、そんなっ、ちょっと、マズくない―――!?)
身内じゃない異性と手を繋ぐなんて、今世では初めてだし前世を合わせても相当久しぶりだ。
ましてや相手は王子様ときた。
色んな意味でドキドキが止まらないまま、クリス様に手を引かれ中庭へ向かった。
◇◇◇
「わぁ……っ!凄いです!素敵!!」
さっきまでのドキドキを忘れる程、目の前の幻想的な景色に一瞬で心を奪われた。目の前に広がる池には、ピンクと白のスイレンが一面に咲き誇っている。
「王城にこんな場所があるなんて、知りませんでした……」
「ここは王太后が作らせた池なんだ。王家の縁者以外しか出入りしないから、恐らくミラン公爵も知らないんじゃないかな」
「そんな場所に、私を連れてきてしまっていいのですか?」
「ここでなら、誰にも邪魔されず話せるからね。それに、ヴィオはこういう花が好きそうだと思ったんだ」
そう言って微笑むクリス様を見て、なんとなく、初めて会った時のことを思い出す。
(生徒会室の窓際、日当たりのいい席で居眠りをしてたんだよね。あの時は『超絶イケメンがいる!』って思ったし、今もそれは変わらないんだけど……)
木漏れ日が落ちるベンチに2人並んで腰掛けたら、繋いでいた手が離れた。何故だかそれが名残惜しい。
「君に、伝えたいことが沢山あるんだ」
「お嬢様、おはようございます。今日も暑くなりそうですよ」
「おはようリラ。すっかり夏らしい気候になったわね」
(とはいえ、日本の夏に比べたらかなりマシなんだよね!)
日本の猛暑の中ドレスを着るのはかなりしんどいだろう。
この世界の夏は手心が加えられていて、正直助かる。
「今日は早めに出られるのでしたよね?」
「えぇ。クリス様が王城のスイレンを見せてくださるの」
「ふふっ、クリストファー殿下はすっかりお嬢様にご執心ですね」
「もう、リラってば。勝手なことを言ってはダメよ」
あの事件を経て信頼関係が深まった私たちは、同学年では一番親しくしていると言っても過言ではないだろう。共に生徒会を盛り立てる同志だと、私は思っている。
(すっかり平和な日常って感じだ。あー、本当によかった!)
◇◇◇
私が女神の導き手だと知ったイザークは、すっかり大人しくなった。
『マリアは自分が亡国の王女だということも、実の両親だと思っていた人たちが養父母だったということも、知ったばかりです。そんな状況でご自分の都合ばかり押し付けるのはいかがなものかしら?』
『大変申し訳ございません!』
『せめて母国の事や、既に亡き実のご両親のことを知ってからでないと、ナダル公国へは向かわせられません。悠長にしていられない状況とは理解しておりますが、まずはマリアに時間をください』
『全ては女神の御心のままに!』
私の言うことをなんでも聞いてくれるようになったので、そこからは話が早かった。
イザークの身柄はアレクシス殿下が引き受けることになり、殿下とジェイドのサポートの元、国王陛下に謁見し母国の窮状を訴えた。
その間にマリアは、育ての親と話し合い自らの出自を改めて教えられ、全て受け入れた上でナダル公国へ向かうことを決めた。
『ナダル公国には、お父さんとお母さんの親戚も居るって聞いたんです。私を生んでくれた人……亡くなったお母様のことも、もっと知りたいって思いました。それに、神聖力は人を助けるための力ですから!』
笑顔でそう話してくれたマリアには、アレクシス殿下が同行してくれた。本来ならマリアはクリス様ついていくべきだけど、第二王子が事情も明かさず何日も学園を欠席するのは難しい。同じ理由で、私も同行を断念した。
『ヴィオレッタ嬢、マリアが無茶しないよう俺がしっかり見張っているから。どうか安心して欲しい。その間君はクリスのことをよろしく頼む』
『私に出来ることなんて、特にないと思いますが……』
『今までマリアはクリスの管轄だったんだ。急に俺に代わることで、寂しい想いをするだろう。学園では出来る限り一緒に過ごしてあげて欲しいし、放課後は二人で仲良く生徒会活動に励んで欲しい。なんなら休日も共に過ごす時間を持ってもいいんじゃないかな?』
その言葉に従って、クリス様と多くの時間を共に過ごした。ちょうどいいので、生徒会業務の見直しや今後の活動について話し合うなど、マリア不在の淋しさと不安を埋めるように生徒会活動に励んだ。
一か月後に無事戻ってきたマリアとアレクシス殿下は、恋仲になっていた。
そのままマリアはクリス様からアレクシス殿下の管轄に移り、寮を出て王城で暮らし始める。
『マリアに弱った身体を治療してもらって、イザーク公子に魔力制御の手ほどきを受けた。まだまだ体力が足りないけど、すっかり健康そのものだ。皆には本当に感謝している』
ナダル公国から帰ってきたアレクシス殿下は、かの国の王族にすっかり気に入られたそうだ。距離が離れているのでそう簡単に行き来は出来ないけど、マリアとアレクシス殿下が居る限り両国は良き関係を築けるだろう。
(全部いい感じに、収まるところに収まったなぁ)
マリアとアレクシス殿下は、きっとこのまま婚約するだろう。ゲームのアレクルートとは異なる展開だけど、二人とも幸せそうだ。
(私が思い出したゲームの内容よりも、素敵な展開になってると思う。ここが私にとってのトゥルーエンドの世界、かな)
馬車に揺られながら最近の出来事を思い返していると、王城が見えてきた。
◇◇◇
「ヴィオ、来てくれてありがとう。早くからすまないね」
「クリス様、こちらこそお招きいただきありがとうございます。王城のスイレン、きっと素敵でしょうね。楽しみにしておりましたの」
出迎えてくれたのは、クリス様だけだ。珍しくカイル様が不在だし、マリアの姿も見えない。何かあったのだろうか。
「実は、今日はヴィオしか呼んでいないんだ。君と二人で話がしたくて」
「あら、そうだったのですね」
キョロキョロしていたら、クリス様が教えてくれた。
(なんだろう?秋の生徒会選挙についての相談かな?事前に教えてくれてたら、色々考えて来たのに……)
つい先日、ヴィオレッタは生徒会庶務から副会長に昇格した。誰よりも真面目に生徒会に取り組んできたし、順当だろう。
「先に言っておくけど、生徒会の話ではないから。もっとこう、なんというか、個人的な話がしたいんだ」
最近こういう風に、私の考えていることが言わなくてもバレているときがある。ヴィオレッタは感情が顔に出にくいハズなのに、何故だかクリス様にはわかるようだ。
「ほら、行こう。こっちだよ」
「っ、クリス様!?」
(え、急にどしたの!?なんで手を……!?)
同級生では一番親しい間柄だと自負しているけど、手を繋がれるなんて今までなかった。
そもそもクリス様は第二王子殿下だ。特定の令嬢とこんな形で親しくしては、あらぬ誤解を生んでしまう。振りほどこうにも、思いの外強く握られていて離せない。
(ていうかここ王城だよ?使用人も見てるよ??こんな風に手を繋いで歩くなんて、そんなっ、ちょっと、マズくない―――!?)
身内じゃない異性と手を繋ぐなんて、今世では初めてだし前世を合わせても相当久しぶりだ。
ましてや相手は王子様ときた。
色んな意味でドキドキが止まらないまま、クリス様に手を引かれ中庭へ向かった。
◇◇◇
「わぁ……っ!凄いです!素敵!!」
さっきまでのドキドキを忘れる程、目の前の幻想的な景色に一瞬で心を奪われた。目の前に広がる池には、ピンクと白のスイレンが一面に咲き誇っている。
「王城にこんな場所があるなんて、知りませんでした……」
「ここは王太后が作らせた池なんだ。王家の縁者以外しか出入りしないから、恐らくミラン公爵も知らないんじゃないかな」
「そんな場所に、私を連れてきてしまっていいのですか?」
「ここでなら、誰にも邪魔されず話せるからね。それに、ヴィオはこういう花が好きそうだと思ったんだ」
そう言って微笑むクリス様を見て、なんとなく、初めて会った時のことを思い出す。
(生徒会室の窓際、日当たりのいい席で居眠りをしてたんだよね。あの時は『超絶イケメンがいる!』って思ったし、今もそれは変わらないんだけど……)
木漏れ日が落ちるベンチに2人並んで腰掛けたら、繋いでいた手が離れた。何故だかそれが名残惜しい。
「君に、伝えたいことが沢山あるんだ」
185
あなたにおすすめの小説
私、魅了魔法なんて使ってません! なのに冷徹魔道士様の視線が熱すぎるんですけど
紗幸
恋愛
社畜女子だったユイは、気づけば異世界に召喚されていた。
慣れない魔法の世界と貴族社会の中で右往左往しながらも、なんとか穏やかに暮らし始めたある日。
なぜか王立魔道士団の団長カイルが、やたらと家に顔を出すようになる。
氷のように冷静で、美しく、周囲の誰もが一目置く男。
そんな彼が、ある日突然ユイの前で言い放った。
「……俺にかけた魅了魔法を解け」
私、そんな魔法かけてないんですけど!?
穏やかなはずの日々に彼の存在が、ユイの心を少しずつ波立たせていく。
まったりとした日常の中に、時折起こる小さな事件。
人との絆、魔法の力、そして胸の奥に芽生え始めた“想い”
異世界で、ユイは少しずつ——この世界で生きる力と、誰かを想う心を知っていく。
※タイトルのシーンは7話辺りからになります。
ゆったりと話が進みますが、よろしければお付き合いください。
※カクヨム様にも投稿しています。
引きこもり少女、御子になる~お世話係は過保護な王子様~
浅海 景
恋愛
オッドアイで生まれた透花は家族から厄介者扱いをされて引きこもりの生活を送っていた。ある日、双子の姉に突き飛ばされて頭を強打するが、目を覚ましたのは見覚えのない場所だった。ハウゼンヒルト神聖国の王子であるフィルから、世界を救う御子(みこ)だと告げられた透花は自分には無理だと否定するが、御子であるかどうかを判断するために教育を受けることに。
御子至上主義なフィルは透花を大切にしてくれるが、自分が御子だと信じていない透花はフィルの優しさは一時的なものだと自分に言い聞かせる。
「きっといつかはこの人もまた自分に嫌悪し離れていくのだから」
自己肯定感ゼロの少女が過保護な王子や人との関わりによって、徐々に自分を取り戻す物語。
乙女ゲームに転生した悪役令嬢、断罪を避けるために王太子殿下から逃げ続けるも、王太子殿下はヒロインに目もくれず悪役令嬢を追いかける。結局断罪さ
みゅー
恋愛
乙女ゲーム内に転生していると気づいた悪役令嬢のジョゼフィーヌ。このままではどうやっても自分が断罪されてしまう立場だと知る。
それと同時に、それまで追いかけ続けた王太子殿下に対する気持ちが急速に冷めるのを感じ、王太子殿下を避けることにしたが、なぜか逆に王太子殿下から迫られることに。
それは王太子殿下が、自分をスケープゴートにしようとしているからなのだと思ったジョゼフィーヌは、焦って王太子殿下から逃げ出すが……
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
転生令嬢シルヴィアはシナリオを知らない
潮海璃月
恋愛
片想い相手を卑怯な手段で同僚に奪われた、その日に転生していたらしい。――幼いある日、令嬢シルヴィア・ブランシャールは前世の傷心を思い出す。もともと営業職で男勝りな性格だったこともあり、シルヴィアは「ブランシャール家の奇娘」などと悪名を轟かせつつ、恋をしないで生きてきた。
そんなある日、王子の婚約者の座をシルヴィアと争ったアントワネットが相談にやってきた……「私、この世界では婚約破棄されて悪役令嬢として破滅を迎える危機にあるの」。さらに話を聞くと、アントワネットは前世の恋敵だと判明。
そんなアントワネットは破滅エンドを回避するため周囲も驚くほど心優しい令嬢になった――が、彼女の“推し”の隣国王子の出現を機に、その様子に変化が現れる。二世に渡る恋愛バトル勃発。
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる