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15. 朝のケンカ
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新人退魔師研修のあった次の日の朝、佳奈子は学校に向かっていた。
「ふぁ~。昨日はいつもの修行に加えて、研修もあったからな~。すごく疲れちゃった…。まだ眠いよ~」
佳奈子はそう言って、目をこすって歩く。
すると…。
「おっはよ~!か~なちゃん!」
「!多恵ちゃん!おはよう!」
佳奈子は、多恵に肩を叩かれ、後ろを振り向く。
「今日、数学の小テストだね~。私、自信ないよ~。あっ、英語の宿題もあったよね?やってきた?」
「うん。一応ね…。文字がところどころ、くにゃっとなっちゃったけど…」
「くにゃっと…?」
「昨日、退魔師の新人研修があったから、ちょっと疲れてウトウトしちゃったんだ…」
「あっ、そっか。佳奈ちゃん、退魔師の研修があったんだ…。どうだった?誰か、気になる人とかいた?」
「うん…。それがさ…」
佳奈子は昨日の研修の事を話した。
「へぇ~。そんな剣士がいたんだ~。その人、ウチの高校の学ラン着てたんでしょ?どんな感じの人だったの?」
興味をひかれたのか、多恵が聞いてくる。
「う~ん…。クールで、ちょっとトゲがある感じ、かな…。背が高くて、大人っぽかったから、たぶん2年生か、3年生だとは思うんだけど…」
佳奈子は昨日の剣士を思い出して語る。
「ふ~ん…。クールな謎の剣士か…。ちょっとカッコイイね!…そうだ!あとで、2組の情報通に、その人の事、聞きに行こうよ!」
「えっ?情報通がいるの?」
「うん。この前、佳奈ちゃん、この学校に、大人顔負けの退魔師がいるって言ってたでしょ?実は気になってさ、2組のソイツに話を聞きに行ったんだ。その時に、大まかな情報は聞いたんだけど、剣士の話までは聞いてないからさ」
「そうだったんだ…。私もちょっと気になるから、話を聞きに行きたいな…」
「!そう来なくっちゃ!じゃあ昼休み、一緒に話を聞きに行こうよ!」
「うん!」
佳奈子は笑顔で返事をする。
するとその時…。
「あれ…?あそこ、人だかりが出来てる…。どうしたんだろう…?」
佳奈子たちは校舎へ入る手前に、人だかりを見つけた。
「何かあったみたいだね…。よしっ!見に行こう!」
「えっ?!多恵ちゃん!ちょっと…!」
佳奈子は野次馬の多恵に手を引かれ、人垣をかいくぐった。
「ちょっと失礼っと…。!…なぁんだ…。ウチのクラスのバカ山コンビが、バカ騒ぎしてるだけじゃない」
多恵は怒鳴り声を上げるクラスメイトを見て、そう表現する。
「バカ山コンビって…、山崎くんと、山田君の事?その呼び方はちょっと…。あっ!あの2人が絡んでる人、昨日の剣士だ…!」
佳奈子は謎の剣士を見つけて驚く。
「えっ?!あの人がそうなの?!あの美男子なら、私、知ってるよ!同じ1年生で、2組の人だよ!」
「えっ?!あの人、1年生なの?!」
「うん。この前聞いた情報じゃ、あの人、この町で退魔師デビューする為に、わざわざ引っ越して来たんだって。確か名前は…、クヌギ君…、だったかな?どういう字を書くのかは知らないけど…」
「…クヌギ君…。まさか同じ1年生だったなんて…」
佳奈子は驚いて、クヌギを見る。
すると彼は、山崎と山田の2人に、殴りかかられる所だった。
「!」
周りで見ていた観衆は、過激な展開に息をのむ。
しかし殴られる寸前のクヌギは、スッ…と、いともたやすく、拳をかわした。
一方、殴りかかった方は、かわされるのが予想外だったのだろう、よろめいて、倒れ込みそうになっている。
しかし、よろめいた2人は、怒りが治まらないのか、すぐに体勢を立て直し、
「くそっ!このやろー!」
「はあぁぁぁぁ~!」
大声を上げて、なおもクヌギに向かって行く…。
「…いい加減しつこいな…。俺は遅刻したくないんだ」
クヌギはそう言うと、今度は攻撃をかわしつつ、その勢いを使って2人を投げ飛ばした。
「ぐぁ!」
「ガハッ!」
山崎と山田の2人は投げ飛ばされ、地面にたたきつけられる。
そして地面の上で苦悶の声を上げている2人を、クヌギは冷たく見下ろして、
「ふんっ!ザコが」
そう捨て台詞を吐いてから、2人に背を向け、校舎に向かって歩いて行った…。
「…ザコ…」
佳奈子たちは、クヌギの冷たい言葉に驚きを隠せない。
一方、山崎と山田の2人は、
「!…くっそ~!」」
「…ちっくしょ~っ!」
今にも泣きそうな顔で悔しがる。
けれどそんな2人も、周りの観衆たちに気づいたらしく、
「…何見てんだよ…。お前ら…。見てんじゃね~!」
「ぶっとばすぞ!」
そう言って、観衆たちを脅し始めた。
ケンカを見ていた観衆たちは、危険を感じて、ざわめきながらも校舎へと向かい始める。
「……。…バカ山コンビは、バカだとは思うけど…、クヌギ君も、なにもあんなに挑発しなくてもいいのに…」
「うん…」
佳奈子たちは、校舎に入って行くクヌギを、微妙な気分で見送った…。
ちなみに昼休み、佳奈子たちは、2組の情報通・井住くんに、クヌギの事を聞きに行った。
そしてクヌギ君の名字は、漢字で、功刀、と書くのだと知ったのだ。
ちなみに彼の下の名前は、刀馬だった。
「へぇ…。クヌギって、こういう字を書くんだ…。それにしても、苗字と名前の両方に、刀って字が入ってるなんて…、さすがは剣士…」
佳奈子たちは彼の名前に、妙に感心したのであった。
「ふぁ~。昨日はいつもの修行に加えて、研修もあったからな~。すごく疲れちゃった…。まだ眠いよ~」
佳奈子はそう言って、目をこすって歩く。
すると…。
「おっはよ~!か~なちゃん!」
「!多恵ちゃん!おはよう!」
佳奈子は、多恵に肩を叩かれ、後ろを振り向く。
「今日、数学の小テストだね~。私、自信ないよ~。あっ、英語の宿題もあったよね?やってきた?」
「うん。一応ね…。文字がところどころ、くにゃっとなっちゃったけど…」
「くにゃっと…?」
「昨日、退魔師の新人研修があったから、ちょっと疲れてウトウトしちゃったんだ…」
「あっ、そっか。佳奈ちゃん、退魔師の研修があったんだ…。どうだった?誰か、気になる人とかいた?」
「うん…。それがさ…」
佳奈子は昨日の研修の事を話した。
「へぇ~。そんな剣士がいたんだ~。その人、ウチの高校の学ラン着てたんでしょ?どんな感じの人だったの?」
興味をひかれたのか、多恵が聞いてくる。
「う~ん…。クールで、ちょっとトゲがある感じ、かな…。背が高くて、大人っぽかったから、たぶん2年生か、3年生だとは思うんだけど…」
佳奈子は昨日の剣士を思い出して語る。
「ふ~ん…。クールな謎の剣士か…。ちょっとカッコイイね!…そうだ!あとで、2組の情報通に、その人の事、聞きに行こうよ!」
「えっ?情報通がいるの?」
「うん。この前、佳奈ちゃん、この学校に、大人顔負けの退魔師がいるって言ってたでしょ?実は気になってさ、2組のソイツに話を聞きに行ったんだ。その時に、大まかな情報は聞いたんだけど、剣士の話までは聞いてないからさ」
「そうだったんだ…。私もちょっと気になるから、話を聞きに行きたいな…」
「!そう来なくっちゃ!じゃあ昼休み、一緒に話を聞きに行こうよ!」
「うん!」
佳奈子は笑顔で返事をする。
するとその時…。
「あれ…?あそこ、人だかりが出来てる…。どうしたんだろう…?」
佳奈子たちは校舎へ入る手前に、人だかりを見つけた。
「何かあったみたいだね…。よしっ!見に行こう!」
「えっ?!多恵ちゃん!ちょっと…!」
佳奈子は野次馬の多恵に手を引かれ、人垣をかいくぐった。
「ちょっと失礼っと…。!…なぁんだ…。ウチのクラスのバカ山コンビが、バカ騒ぎしてるだけじゃない」
多恵は怒鳴り声を上げるクラスメイトを見て、そう表現する。
「バカ山コンビって…、山崎くんと、山田君の事?その呼び方はちょっと…。あっ!あの2人が絡んでる人、昨日の剣士だ…!」
佳奈子は謎の剣士を見つけて驚く。
「えっ?!あの人がそうなの?!あの美男子なら、私、知ってるよ!同じ1年生で、2組の人だよ!」
「えっ?!あの人、1年生なの?!」
「うん。この前聞いた情報じゃ、あの人、この町で退魔師デビューする為に、わざわざ引っ越して来たんだって。確か名前は…、クヌギ君…、だったかな?どういう字を書くのかは知らないけど…」
「…クヌギ君…。まさか同じ1年生だったなんて…」
佳奈子は驚いて、クヌギを見る。
すると彼は、山崎と山田の2人に、殴りかかられる所だった。
「!」
周りで見ていた観衆は、過激な展開に息をのむ。
しかし殴られる寸前のクヌギは、スッ…と、いともたやすく、拳をかわした。
一方、殴りかかった方は、かわされるのが予想外だったのだろう、よろめいて、倒れ込みそうになっている。
しかし、よろめいた2人は、怒りが治まらないのか、すぐに体勢を立て直し、
「くそっ!このやろー!」
「はあぁぁぁぁ~!」
大声を上げて、なおもクヌギに向かって行く…。
「…いい加減しつこいな…。俺は遅刻したくないんだ」
クヌギはそう言うと、今度は攻撃をかわしつつ、その勢いを使って2人を投げ飛ばした。
「ぐぁ!」
「ガハッ!」
山崎と山田の2人は投げ飛ばされ、地面にたたきつけられる。
そして地面の上で苦悶の声を上げている2人を、クヌギは冷たく見下ろして、
「ふんっ!ザコが」
そう捨て台詞を吐いてから、2人に背を向け、校舎に向かって歩いて行った…。
「…ザコ…」
佳奈子たちは、クヌギの冷たい言葉に驚きを隠せない。
一方、山崎と山田の2人は、
「!…くっそ~!」」
「…ちっくしょ~っ!」
今にも泣きそうな顔で悔しがる。
けれどそんな2人も、周りの観衆たちに気づいたらしく、
「…何見てんだよ…。お前ら…。見てんじゃね~!」
「ぶっとばすぞ!」
そう言って、観衆たちを脅し始めた。
ケンカを見ていた観衆たちは、危険を感じて、ざわめきながらも校舎へと向かい始める。
「……。…バカ山コンビは、バカだとは思うけど…、クヌギ君も、なにもあんなに挑発しなくてもいいのに…」
「うん…」
佳奈子たちは、校舎に入って行くクヌギを、微妙な気分で見送った…。
ちなみに昼休み、佳奈子たちは、2組の情報通・井住くんに、クヌギの事を聞きに行った。
そしてクヌギ君の名字は、漢字で、功刀、と書くのだと知ったのだ。
ちなみに彼の下の名前は、刀馬だった。
「へぇ…。クヌギって、こういう字を書くんだ…。それにしても、苗字と名前の両方に、刀って字が入ってるなんて…、さすがは剣士…」
佳奈子たちは彼の名前に、妙に感心したのであった。
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