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82 君と楽しみたい

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ー翌朝ー

目が覚めるといつもジェレミーの方が早く起きている筈なのに死んだように眠っていた。

恐らくジェレミーの身体には薬の負担が大きかったのだろう。

「ジェレミーおはよう…大丈夫?」

身体を優しく揺するとようやくジェレミーは起きた。

「うぅ…あれん…」

「お薬ちょっとジェレミーには強すぎたかな?もう少し休んでていいよ」

「ううん…あれんがぎゅーってしてくれたら僕なんだって頑張れちゃう…」

ゆっくりジェレミーは状態を起こしそのまま俺にもたれかかるように甘えてくる。

ふわりとジェレミーのシャンプーみたいな香りが漂うのを合図にそのまま俺もぎゅっと抱きしめた。

「ジェレミー今日はバイト休みでしょ?俺の家で待っててよ、終わったら迎えに行くから映画のレイトショーでも見に行こ?」

「いいの~?!いく…!!映画デート!」

そんな会話をしながら俺たちは準備を済ませる。

そうしてホテルを後にし車に乗り込んだ。

「ふぁぁ…僕まだねむい…身体がすごく重くて変なの…」

「薬抜けるまで時間かかるからお家で寝てていいよ、ご飯食べたくないかもしれないけど水は飲んで」

「あ…うん…」

ジェレミーは少しボーッとしているが表情と声色は幸せそうだ… 

そんなジェレミーを乗せて車を発進させる。

「昨日はちょっとやりすぎちゃったから今日はもっと優しくするよ、ごめんねジェレミー」

「あれんがそれで嬉しいなら僕も嬉しいからいいの、えへ…」

「ふふ、今日はジェレミーが望むような時間にしようね…さてもうすぐ着くよ」

「あ…あのね、あれん…」

「どうしたの?」

「えっと…行ってらっしゃいのちゅ…しよ?」

可愛い…
自分からせがむジェレミーがたまらなく可愛かった。
不意なその発言にドキッとしてしまう。

「いいよジェレミー、帰ったらもっと沢山しよっか」

「優しくしてくれる…?」

「今日はいっぱい甘やかしてあげる」

「えへ、嬉しい…行ってらっしゃいあれん」

ジェレミーがそのまま俺の服の袖を引っ張ってキスをする。

そうしてからジェレミーを下ろし職場へ向かった。

ー職場にてー

ジェレミーが楽しみにしていたのと同じくらい俺もこの後のデートが楽しみだった。

経験則だが恐らく薬に耐性があまりなくとも夕方頃には抜けきっている筈…

今日はジェレミーが好きであろうサメ映画でも見せてあげようかと思う。

思えば今まで完全に甘々なデートというのはした事がなかったが、ジェレミーが俺と一緒にデートして嬉しいというならそれだけで幸せを感じられるし楽しみだった。

そうぼんやり考えながら仕事をしていると帰る時間となる。

「あら、やけに楽しそうじゃない?」

「エイプリルさん!お疲れ様です」

「デートでしょ」

「はい、まあ…ジェレミーが珍しく乗り気なので」

「ニヤついちゃって~!!楽しんできなさいよ!」

「ありがとうございます」

さすが女の勘というやつか、鋭い…
それか俺の感情がダダ漏れなだけかもしれないが。

さてジェレミーを迎えに行こうか…

車に乗りこみそのままジェレミーの待つ俺の家へと直行した。

到着しジェレミーが降りてくるようにドアホンを押す。

ピンポーン…

「ジェレミー、行こ」

ドタドタと走る音と共にドアがガチャっと開いた。

「んあ~!!あれん~!!おかえりっ!!」
ジェレミーは俺に笑顔で飛びつくようにぎゅっとしながら幸せそうにしている。

正直この時点で俺はもうジェレミーに完全にやられた。
可愛すぎ…

「ジェレミー寂しかった?キスする?」
甘やかすように優しく話しかけるとジェレミーは笑顔で頷きそのままキスをした。
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