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幕開け
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グラウンド整備を挟んで何人か別の参加者の様子を見た後、観客席をあとにする。特にすることもないので、参加者専用の待合室に行く。
待合室の中では、他の参加者が軽く動いていたり、使用するであろう武器の確認をしたりしていた。なんだか、みんなが強そうに見えてくるな…。まぁ、実際強いんだろうけど…。
僕もとりあえず落ち着くために、空いているベンチに座り弓と矢の確認をし、メルロス殿下との特訓で僕なりにポイントとかをまとめたメモ帳を取り出す。こういう攻撃をされかけた時は、こうやって回避して………もしこれされたときは、すかさずこの攻撃をしよう…。みたいに測定テストでのシュミレーションをすることで緊張がいくらか紛れるのを感じる。
ふと、近くにいるはずのお兄ちゃんを探すと、腕立て伏せをしていた。僕も出場までに体、温めておこうかな。
ストレッチで体をほぐしていたりすると、心は完全に平静を取り戻す。今の状態なら、僕無敵だぞ…!!出場している番号を確認する。うん、そろそろ会場の入り口に行っておこうかな。
「アラン、ちょっと…。」改めて武器の確認をし、会場へ向かおうとした矢先、ロストさんがお兄ちゃんを呼ぶ。
「…アル、すまないが先に行っててくれ。」そう言ってそのまま、待合室の部屋に出てしまうお兄ちゃん。
「え、ちょ、ちょっと…。」てっきりぎりぎりまで近くにいてくれると思っていたからか、さっきまで忘れていたはずの緊張が蘇る。
と、とにかく会場に行かないと…。
会場の入り口に近づくにつれ、歓声が大きく聞こえるようになり、より一層緊張が高まる。すれ違う参加者の視線も心なしか怖く、『なんでこいつが出場するんだ?』と言われているような錯覚に陥る。場違いだな…。
とりあえず適当な場所をみつけ、心を落ち着かせるべくメモ帳を取り出す。が、文章を読もうとしても目が滑って一向に内容が入ってこない。
どうしよう…。……深呼吸…そうだ深呼吸をしよう…。………あれ…息が、うまく吸えない…?ちょっと、まずいかも…これ…。
その時目の前に誰かが立つ。お兄ちゃんが来てくれたのかと思い顔を上げる。そこには、
「…り、リュークさん…!?」
長い前髪の間から真っ黒な瞳をのぞかせているリュークさんが立っていた。
「大丈夫か…?」僕の顔色をうかがうためか、こちらに顔を近づけるリュークさん。
「あ、大丈夫です…!リュークさんはなぜこちらに…?」
「いや…なんかその…様子を見に…。……ひゃく…130番…。あと、6人か。」リュークさんが僕の首にかかっている番号札を見る。そういうリュークさんの首には番号札がかかっていなかった。……やっぱり出場しないのかな?
「緊張してるのか…?」
「え、えぇ…ちょっと…。」
「そういう時は手のひらに文字を書いてそれを食べるといい、らしい…。こうやって…。」と、実際に手を取って教えてくれる。それがなんだかかわいく思えて思わず「ふふっ。」と声が出ていた。
それに気づいたリュークさんは気まずそうに頬をぽりぽりとかき、おもむろに僕の頭をわしゃわしゃとかきまぜた。
「お前ならいけるはずだ…。じゃあな。」
そう言い、リュークさんはどこかへ消えていった。
「アル?大丈夫か?」
「へ?あ、だ、大丈夫!!」いつの間にかお兄ちゃんが戻っていた。
「そろそろだな…。」気づけば僕の出番は次に迫っていた。でも、不思議と緊張は感じていなかった。
「行ってこい。」お兄ちゃんに背中を押されて僕は試合の会場に出て行った。
待合室の中では、他の参加者が軽く動いていたり、使用するであろう武器の確認をしたりしていた。なんだか、みんなが強そうに見えてくるな…。まぁ、実際強いんだろうけど…。
僕もとりあえず落ち着くために、空いているベンチに座り弓と矢の確認をし、メルロス殿下との特訓で僕なりにポイントとかをまとめたメモ帳を取り出す。こういう攻撃をされかけた時は、こうやって回避して………もしこれされたときは、すかさずこの攻撃をしよう…。みたいに測定テストでのシュミレーションをすることで緊張がいくらか紛れるのを感じる。
ふと、近くにいるはずのお兄ちゃんを探すと、腕立て伏せをしていた。僕も出場までに体、温めておこうかな。
ストレッチで体をほぐしていたりすると、心は完全に平静を取り戻す。今の状態なら、僕無敵だぞ…!!出場している番号を確認する。うん、そろそろ会場の入り口に行っておこうかな。
「アラン、ちょっと…。」改めて武器の確認をし、会場へ向かおうとした矢先、ロストさんがお兄ちゃんを呼ぶ。
「…アル、すまないが先に行っててくれ。」そう言ってそのまま、待合室の部屋に出てしまうお兄ちゃん。
「え、ちょ、ちょっと…。」てっきりぎりぎりまで近くにいてくれると思っていたからか、さっきまで忘れていたはずの緊張が蘇る。
と、とにかく会場に行かないと…。
会場の入り口に近づくにつれ、歓声が大きく聞こえるようになり、より一層緊張が高まる。すれ違う参加者の視線も心なしか怖く、『なんでこいつが出場するんだ?』と言われているような錯覚に陥る。場違いだな…。
とりあえず適当な場所をみつけ、心を落ち着かせるべくメモ帳を取り出す。が、文章を読もうとしても目が滑って一向に内容が入ってこない。
どうしよう…。……深呼吸…そうだ深呼吸をしよう…。………あれ…息が、うまく吸えない…?ちょっと、まずいかも…これ…。
その時目の前に誰かが立つ。お兄ちゃんが来てくれたのかと思い顔を上げる。そこには、
「…り、リュークさん…!?」
長い前髪の間から真っ黒な瞳をのぞかせているリュークさんが立っていた。
「大丈夫か…?」僕の顔色をうかがうためか、こちらに顔を近づけるリュークさん。
「あ、大丈夫です…!リュークさんはなぜこちらに…?」
「いや…なんかその…様子を見に…。……ひゃく…130番…。あと、6人か。」リュークさんが僕の首にかかっている番号札を見る。そういうリュークさんの首には番号札がかかっていなかった。……やっぱり出場しないのかな?
「緊張してるのか…?」
「え、えぇ…ちょっと…。」
「そういう時は手のひらに文字を書いてそれを食べるといい、らしい…。こうやって…。」と、実際に手を取って教えてくれる。それがなんだかかわいく思えて思わず「ふふっ。」と声が出ていた。
それに気づいたリュークさんは気まずそうに頬をぽりぽりとかき、おもむろに僕の頭をわしゃわしゃとかきまぜた。
「お前ならいけるはずだ…。じゃあな。」
そう言い、リュークさんはどこかへ消えていった。
「アル?大丈夫か?」
「へ?あ、だ、大丈夫!!」いつの間にかお兄ちゃんが戻っていた。
「そろそろだな…。」気づけば僕の出番は次に迫っていた。でも、不思議と緊張は感じていなかった。
「行ってこい。」お兄ちゃんに背中を押されて僕は試合の会場に出て行った。
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