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エピローグ
勇者から、姉への近況伺い
しおりを挟む前略、佐倉伊織様。
そちらの生活はいかがですか?
無事に新学期に間に合ったとのこと、喜ばしい限りです。
それはそうと、帰り際にアルヴィンにもらったの、エンブリア・イメル?
ていうか姉さん知ってるの? こっちの世界では、婚約の証に自分の誕生石を相手に贈ることになってるんだ。アルヴィンはエンブリア・イメルだったから……。
まさか、だよね?
あの後シーグが驚いて、騒ぎになってすごかったよ。珍しかったから、ぜひ姉さんにも見せたかった。一緒に目撃したヴィクトールなんて笑いが止まらなくて大変だったよ。
あ、今ヴィクトールがすごい重要なことを教えてくれた。
姉さん、アルヴィンからキスされたってこと?
額は自分の専有物の印をつける意味で、指先にするのは、相手への服従を示すんだってさ。
それにしてもいつの間に……。まさか、あの事件の時?
僕もいたのに、全然気づかなかった。それに姉さんから教えてもらえなかったことで、ちょっと落ち込みました。
どちらにせよ、ますます僕は、勇者一行周遊の旅を急いで終わらせなければならないと思いました。
アルヴィンは姉さんがこっちに来るまで話さないと言うので、ぜひこちらに来て、どういうことなのか吐いてもらいたいと思います。
それに姉さんが婚約を承諾してるんなら、何年も離れたままってのはかわいそうだもんね。
二人のために、弟はこれからもがんばります。
この手紙を読んだ瞬間、伊織が絶叫したのはいうまでもない。
「いつの間にって、こっちが聞きたいわよー―――っ!」
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