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第35話 - 王国闘技場 騎士道
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エルセイドの豪拳がレウを襲う。
少年は距離を取りながらそれを避けるが、尋常でない怪力による空圧にたじろぎそうになる。
その拳は地面に振り下ろされた訳では無いが、殴りつける力自体が人間に耐えられる限度を超えているため、ぶちぶちと筋繊維や骨が折れる音が響く。
相当な苦痛なはずであるが、顔色一つ変えない。
傷だらけの騎士は、レウに一歩ずつ迫る。
まるでそこまでの道のりが、騎士道そのものである、とでも言うように。
(こりゃ、藪蛇だったかもしれない)
レウは内心で冷や汗をかいていた。
籠手を狂わせ、人の耐えれない怪力をもたらす武器に変貌させること自体は、間違っていない戦略であった。
誤算だったのは、エルセイドが尋常ならざる精神力の持ち主であることだ。
まるでダメージが無いかの如く、攻撃を止めることが無い。
で、あるならば。レウはわざわざ、彼女の攻撃力を跳ね上げてしまっただけである。
エルセイドは、レウに近付く。レウは距離を取るようにして、引くことしかできない。
今の暴走した籠手の怪力が計り知れない。指一本でも当たれば、即死となることが予見できるから、先ほどのようなインファイトはあまりに危険である。
どうするか、と思案を重ねるレウであるが。
「れ、レウ……! こっち……!」
遠くに下がらせたシャロの声がした。そちらを向くと彼女は。
服を可能な限りはだけさせ、白い腿を見せびらかすようにおっぴろげにしていた。
彼女の顔はとても真っ赤になっている。
「こ、これで……なんとか、ならない……?」
非常に合理的な行動ではあるのだが、何も知らない者から見れば、本当に訳の分からない行動だろう。
エルセイドもさすがに、その痴態を見て口をあんぐり開けている。
「な、なに……? バカップルだとは思ってたけど、よ、予想以上じゃん……!」
「シャロ、お前、すっかりおかしくなっちゃったなぁ」
騎士と剣士が少女の淫らな姿を真っ当に品評する。シャロは闘技場に空いた穴に入りたい気持ちでいっぱいであったが、唇を噛み締めて耐えた。
全ては、レウがこの騎士に打ち勝つために。
そしてレウが、ふふっと笑った。
「そして、そうだよなぁ。僕がバカだったよ。いつも通り、死んだらその時で、前に進むしかないんだったなぁ」
そして彼は――エルセイドを見た。
彼女の鎧は、右腕から胸にかけて破壊されている。
美しい褐色の肌が、血に塗れて、生死の狭間が剥き出しになっているようであった。
「え、ちょ、まさか、れ、レウ……!」
シャロが悲鳴を上げた。
レウは構わず、褐色の女をじっと見つめる。不気味な時間が過ぎる。
エルセイドは、これまで感じたことない恐怖を感じた。
獣が獲物を見つめる目だ。
エルセイドは思わず己の肌を見る。不可視の粘液が纏わりついているかのような、不快感を覚えたからだ。
「なに、あんた……!? 超キモいんだけど……!」
「……エルセイド。僕ァ、君に敬意を表するよ」
そしてレウは、剣を再び掲げた。
「騎士ってのは、痛みよりも誇りを優先する生物なんだな。こんなに厄介だとは、思わなかったよ。――だけど悪いね。僕の趣味は、胸がでかくて脚が長い女なんだよ」
そして彼は、駆け出した。血塗れの《黄金騎士》に向かって。
訳が分からない、という表情のまま、エルセイドは手を伸ばした。
愚かにも近づいてくる剣士を、握り潰そうとするように。
そしてレウとエルセイドは、お互いの間合いに入った。
どちらの攻撃もギリギリ届く、死の圏内。
先に仕掛けたのはレウだ。彼は、剣を両手で握り込み、雷撃のような突きを繰り出した。
前に放った突きよりも、一段鋭い刺突である。
これこそ、先ほどの不気味な時間での修行の成果であろう。
だが、これがこれでも、エルセイドには通じないようである。
その雷撃の突きを完全に見切っているようであった。
両手を合わせ、再び白刃取りで剣を砕こうとしている。
今の彼女は、怪力の上限を失った正真正銘の化け物だ。手に剣が触れただけで、砕けるであろう。
そうなったら、レウに彼女に対抗する武器が無くなる。
勝利を確信するエルセイドであった、が。
「信じていたよ、エルセイド。君ならこの突きを、掴めるだろうね」
レウの突きは、彼女の手が触れる直前で戻された。
そう、少年の攻撃は最初から、彼女を斬るつもりはなかったのだ。
絶妙な距離で引き戻す、フェイントの攻撃により、白刃取りを誘発した。
結果どうなるか。
エルセイドの両手同士が、衝突する。
――彼女の白刃取りは、本能的なものであった。
やはり、上限の壊れた籠手を扱い切れていなかったのだ。
この結果を考えられていれば、他の手段を取ることもできたのに。
両腕の骨がボキボキと折れる音がして、両腕が反対方向に開くように弾かれた。
がら空きである。無防備な体を晒した。
そんな彼女の目の前に、レウが駆け寄り、剣を斬り下した
「……ああ、クソ。悔しいな」
エルセイドは地に伏し。レウは彼女を踏みつけ、首元に刃を当てている。
彼女は降参するように両手を上げ、レウはそれを見下ろしていた。
負けを認めた騎士に対し、レウは、はぁと息を吐きながら、言った。
「君を殺すつもりはない。僕らの目的は一つ。その籠手を、くれないか?」
破壊の跡の残る闘技場で。決闘の雌雄が決した。
少年は距離を取りながらそれを避けるが、尋常でない怪力による空圧にたじろぎそうになる。
その拳は地面に振り下ろされた訳では無いが、殴りつける力自体が人間に耐えられる限度を超えているため、ぶちぶちと筋繊維や骨が折れる音が響く。
相当な苦痛なはずであるが、顔色一つ変えない。
傷だらけの騎士は、レウに一歩ずつ迫る。
まるでそこまでの道のりが、騎士道そのものである、とでも言うように。
(こりゃ、藪蛇だったかもしれない)
レウは内心で冷や汗をかいていた。
籠手を狂わせ、人の耐えれない怪力をもたらす武器に変貌させること自体は、間違っていない戦略であった。
誤算だったのは、エルセイドが尋常ならざる精神力の持ち主であることだ。
まるでダメージが無いかの如く、攻撃を止めることが無い。
で、あるならば。レウはわざわざ、彼女の攻撃力を跳ね上げてしまっただけである。
エルセイドは、レウに近付く。レウは距離を取るようにして、引くことしかできない。
今の暴走した籠手の怪力が計り知れない。指一本でも当たれば、即死となることが予見できるから、先ほどのようなインファイトはあまりに危険である。
どうするか、と思案を重ねるレウであるが。
「れ、レウ……! こっち……!」
遠くに下がらせたシャロの声がした。そちらを向くと彼女は。
服を可能な限りはだけさせ、白い腿を見せびらかすようにおっぴろげにしていた。
彼女の顔はとても真っ赤になっている。
「こ、これで……なんとか、ならない……?」
非常に合理的な行動ではあるのだが、何も知らない者から見れば、本当に訳の分からない行動だろう。
エルセイドもさすがに、その痴態を見て口をあんぐり開けている。
「な、なに……? バカップルだとは思ってたけど、よ、予想以上じゃん……!」
「シャロ、お前、すっかりおかしくなっちゃったなぁ」
騎士と剣士が少女の淫らな姿を真っ当に品評する。シャロは闘技場に空いた穴に入りたい気持ちでいっぱいであったが、唇を噛み締めて耐えた。
全ては、レウがこの騎士に打ち勝つために。
そしてレウが、ふふっと笑った。
「そして、そうだよなぁ。僕がバカだったよ。いつも通り、死んだらその時で、前に進むしかないんだったなぁ」
そして彼は――エルセイドを見た。
彼女の鎧は、右腕から胸にかけて破壊されている。
美しい褐色の肌が、血に塗れて、生死の狭間が剥き出しになっているようであった。
「え、ちょ、まさか、れ、レウ……!」
シャロが悲鳴を上げた。
レウは構わず、褐色の女をじっと見つめる。不気味な時間が過ぎる。
エルセイドは、これまで感じたことない恐怖を感じた。
獣が獲物を見つめる目だ。
エルセイドは思わず己の肌を見る。不可視の粘液が纏わりついているかのような、不快感を覚えたからだ。
「なに、あんた……!? 超キモいんだけど……!」
「……エルセイド。僕ァ、君に敬意を表するよ」
そしてレウは、剣を再び掲げた。
「騎士ってのは、痛みよりも誇りを優先する生物なんだな。こんなに厄介だとは、思わなかったよ。――だけど悪いね。僕の趣味は、胸がでかくて脚が長い女なんだよ」
そして彼は、駆け出した。血塗れの《黄金騎士》に向かって。
訳が分からない、という表情のまま、エルセイドは手を伸ばした。
愚かにも近づいてくる剣士を、握り潰そうとするように。
そしてレウとエルセイドは、お互いの間合いに入った。
どちらの攻撃もギリギリ届く、死の圏内。
先に仕掛けたのはレウだ。彼は、剣を両手で握り込み、雷撃のような突きを繰り出した。
前に放った突きよりも、一段鋭い刺突である。
これこそ、先ほどの不気味な時間での修行の成果であろう。
だが、これがこれでも、エルセイドには通じないようである。
その雷撃の突きを完全に見切っているようであった。
両手を合わせ、再び白刃取りで剣を砕こうとしている。
今の彼女は、怪力の上限を失った正真正銘の化け物だ。手に剣が触れただけで、砕けるであろう。
そうなったら、レウに彼女に対抗する武器が無くなる。
勝利を確信するエルセイドであった、が。
「信じていたよ、エルセイド。君ならこの突きを、掴めるだろうね」
レウの突きは、彼女の手が触れる直前で戻された。
そう、少年の攻撃は最初から、彼女を斬るつもりはなかったのだ。
絶妙な距離で引き戻す、フェイントの攻撃により、白刃取りを誘発した。
結果どうなるか。
エルセイドの両手同士が、衝突する。
――彼女の白刃取りは、本能的なものであった。
やはり、上限の壊れた籠手を扱い切れていなかったのだ。
この結果を考えられていれば、他の手段を取ることもできたのに。
両腕の骨がボキボキと折れる音がして、両腕が反対方向に開くように弾かれた。
がら空きである。無防備な体を晒した。
そんな彼女の目の前に、レウが駆け寄り、剣を斬り下した
「……ああ、クソ。悔しいな」
エルセイドは地に伏し。レウは彼女を踏みつけ、首元に刃を当てている。
彼女は降参するように両手を上げ、レウはそれを見下ろしていた。
負けを認めた騎士に対し、レウは、はぁと息を吐きながら、言った。
「君を殺すつもりはない。僕らの目的は一つ。その籠手を、くれないか?」
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