【Lv.999】から始まる異世界攻略譚 ~落ちこぼれゲーマーの俺は、ユニークスキル「ゲーム」を使って異世界を無双攻略する~

𝔐𝔞𝔡-𝔈𝔫𝔡

文字の大きさ
9 / 48

第7話 冒険者ランク

しおりを挟む
「なんだ、このランク……?こんなの初めて見たぞ………」

クオラは目を丸くし、動揺を隠せない様子で俺に会員カードを返した。彼女の視線は、信じられない現実を前に揺れている。まるで自分の中にある常識がぐらついているかのようだ。

「ん?これ……なんなんですか?私より低いんですか?高いんですか?低いですよね?そうですよね?」

セシルが不安そうにラプラスに問いかけた。その声には焦燥と苛立ちが入り混じっていて、まるで自分の地位や優位が崩れ落ちることを恐れているように聞こえる。彼女の問いは、ただの確認ではなく、自分の安心を得たいがための叫びにも思えた。

ラプラスは顎に手を当て、しばし考え込んだ。そして、その沈黙を破るように、静かに口を開いた。

「……噂で聞いたことがある。規格外の能力を持つ者にのみ与えられる特殊なランクが存在すると……。しかし、それはあくまで噂、現実とは無縁の話だと考えていたが、まさか、実際に目の当たりにするとはねぇ……」

ラプラスの同心円状の瞳が鋭く光り、その薄い笑みにはどこか不気味な響きがあった。彼女の四白眼は、冷たく、狂気を含んだ視線で俺を捉えて離さない。

「まったく君の存在は、著しく興味をそそるね。どうして、そんな異常な力を有しているんだい?あるいは、君の世界において、独自の特異な訓練方法でも確立されていたのかな?」

ラプラスの問いには、冷静な態度の奥に鋭い観察と探るような意図が潜んでいた。俺は一瞬戸惑ったが、すぐに首を振った。

「い、いや、俺のいた世界には、そもそも魔力なんて概念はなかった。だから、特別な訓練も何も……」

自分の言葉が頼りなく響くのを感じた。しかし、ラプラスたちの反応や、ギルドマスター・ゴルディーのレベルを見て、はっきりと確信した。俺は、この世界では……相当な力を持っているらしい。理由は分からないが、この力を持て余すのはやはりもったいない。使わにゃ損です。やったるでしかし!
異世界を攻略する───、そんな興奮が、胸の内にじわじわと広がっていく。

ラプラスは、俺の内面を見透かしたかのように再び口を開く。

「ふむ……。本来、魔力というのは、通常は恒常的に蓄積されるエネルギー体であり、その自然増幅には、環境や内的要因による長期的なプロセスが必要とされるんだ。これは物質的なエネルギーの保存法則にも類似する安定した増強法だ。しかし、そこに『特異的加速要因』という例外が介在することがある」

ラプラスは早口で魔力の説明を続ける。彼女の声は次第に低く、鋭くなり、まるで秘めたる知識を開示するような重みが増していく。

「自らの存在と、ある種の『高次存在』との間で『契約』関係を締結し、相応の『代償』を支払うことで、魔力を非線形的に増幅させることが可能となる。この過程は、短期間での急激なエネルギー上昇を伴うが、その反動として生じる副作用や、未解明のリスクが常につきまとう。無意識のうちに、この『高位契約』に身を投じた結果、君は今の異常な力を手にしている可能性がある────と、ボクは推論するが……いかがだろうか?」

いかがだろうか、だって?何を言ってるのか全然わからんぞ。ラプラスの言葉は複雑で、まるで難解な学術書でも読み上げられているかのようだった。契約?代償?そもそも、魔力について俺は何も知らないのだ。

「え、えーっと……つまり、どゆことッスか?」

混乱が頭の中を駆け巡り、俺は戸惑いを隠せずに問い返した。ラプラスは薄く笑い、ゆっくりと首を振る。

「まあ、魔力のことならセシルに詳しく聞くといい。彼女は魔道士で、ボクたちよりも魔力の扱いに精通している。……そうだろう?セシル?」

突然の指名に、セシルは目をパチパチさせ、困惑した表情を浮かべた。

「ちょっ、なんで私に振るんですかー!ラプラスさんだって、魔力についてお詳しいじゃないですか!」

彼女の声には明らかに焦りが滲んでいた。しかし、クオラが割り込むように声を荒げた。

「オレだって魔力のことくらい知ってるぞ!」

彼女の声には自尊心が強く表れていたが、ラプラスはそれに応じることなく、冷静に続けた。

「いや、魔力に関しては、セシルが最も適任だよ。アカシが今後、ボク達のパーティに加わるならば、魔力の扱いを学ぶことは冒険者として必須条件となる」

ラプラスの言葉に、セシルはますます不安げな表情を浮かべ、視線を泳がせた。

「わ、私……ひひひ人に教えるなんて、できないですよ~……!」

怯えた様子のセシルに、ラプラスは優しく肩を叩いた。

「大丈夫さ。君なら上手くやれるよ。アカシにとって、君は良き師となるだろう」

ラプラスが言うセリフにしては妙に胡散臭いと思ったが、その言葉に、セシルの表情が次第に緩んでいった。彼女の心の中に、少しだけ自信が芽生え始めたようだった。

「私が……先生……?」

セシルはふと俺に視線を向けた。その顔にはどこか夢見心地な笑みが浮かんでいる。

「私が先生かぁ……えへっ、えへへ……」

その瞬間、俺は心の中でため息をついた。ラプラスとクオラに続いて、コイツもなかなか厄介そうだな、と。

「うへへへへへへ……」

セシルの気持ち悪い笑い声が酒場に響く。彼女のその情緒不安定な様子に、俺は心底不安を感じた。大丈夫かこの人。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

処理中です...