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第一部
有紗の憂鬱
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「豊にぃ…試合始まっているよね…?」
「有紗お前…今日は朝からずっと兄貴の事ばかり口にしてんぞ…?(いや…口にするのは平常運転か…?)なぁに、兄貴なら心配ないって!」
大河…それは仕方ないと思うんだ…。だって今日は平日だよ?私達は学校なんだから…。
まあ、今は運が良い?事に自習だからこうして大河とも話せているんだけど…。
豊にぃの甲子園を懸けた戦いが始まった。当然私は全試合応援に行きたかった訳なんだけど、平日も試合が行われてる為にそれは叶わない…。
どうせなら土日とか祝日に試合を行って欲しいところなんだけど、聞いた話によると、ピッチャーが一人でも投げ抜けるように休ませながら日程を組んでるそうだ。
【注 この世界のみ。現代の高校野球に置いてはピッチャーが一人で投げ抜く事はできない。投げる球数が制限されており、複数投手による複数投手制が採用されているのが現代の高校野球】
いや…ワンチャン学校は仮病を使って…
「仮病使って兄貴の応援に行くのは流石に駄目だかんな?」
「勘のいいガキは嫌いだよ?」
「お前もガキだろうが!?それに俺達同じ歳だからな!?俺がガキならお前もガキだから!」
大河との付き合いも長い分、どうやら心の中を読まれたようだ。どうせなら大河ではなく豊にぃに私の全てを読んで欲しいと切実に思う。
「まあまあ…大河君落ち着いて?仕方ないよ。有紗ちゃんは大河君のお兄さん大好きだし」
「そうそう。大河落ち着けし。こーゆー時の有っちに何言っても無駄っしょ?かくいうあ~しも学校じゃなかったら応援に行ってるし」
私の親友の堂々灯ちゃんと咲原咲ちゃんがそう口にして大河を宥めている…。
そんな二人の見た目を一言で言うなら、灯は眼鏡女子、咲はギャル。二人とも凄く可愛いんだよね。
ちなみに私と大河は体の向きを変え、私達の後ろの席の灯と咲の方に向けている。
「ぐっ…そ、そうだな…二人の言う通りだな。ついムキになって有紗のペースに巻き込まれちまった。ありがとうな、二人とも」
何気に乏されてない…?ペースって何よ、ペースって…。
いや、それよりもだ!それよりも気になる言葉があるよね!?
「ええと…咲?私、ちょっとさっきの咲の言葉で気になる言葉があるんだけど…?」
「なにっしょ?」
「学校が休みなら応援に行くとかなんとか聞こえたような…」
「そういえば…」
「…言ってたね」
どうやら大河と灯も耳にはしてたようだ。私達三人は咲に視線を送る。
「言ったけど?」
「「「やっぱりっ!?」」」
聞き間違いじゃあなかった…。いや…まあ…親友の私が大好きな人だし?付き合いがある大河のお兄さんだからおかしな事はないといえばない気も…。
「だってあ~し、先輩に告白してるし」
「「「告白っ!?」」」
ここここここここ告白っ!?告白っつぅた? 今度は聞き間違いだよね!?聞き間違いだと誰か言ってぇぇ!?クラスメイトも咲の言葉にどうやら耳を傾けているのが見てとれる。
「は、初耳なんだけど…?」
「だ、だよねぇ…」
大河と灯が顔を見合わせて呑気な事を言ってる。これは一大事なんだよ!?分かってんのっ!?
後、一応大河と灯にはツッコんでおくけど、顔を見合わせたからってハニカミながら照れなくていいんだよ!?お互い好きなのは見てて分かるし、聞いてるから知ってるけど、今そういう雰囲気じゃないのよ!顔を赤くしちゃって…もういいからどちらからともなく告白して付き合っちゃいなよ!?
クラスメイトもそんな風に思ってるのか知らないけど「ちっ」とか舌打ちしてるし。
と、ともかく…今は二人よりも──
「あ、あのさ…灯は…好きな人…いるのか…?」
「…へっ…?」
くそ大河ぁあぁあぁあっっっ!?このタイミングでそれ聞く!?内心告白してとか思いはしたけども!?ここ教室!聞く場所間違えてるからね!
「……んっ…居る…よ?」
そう言って大河に潤んだ瞳を向ける灯。
「それ…って…誰か…聞いてもいいか…?」
「っ!?」
いやいやいや…灯りの表情見ればそんなの丸分かりだよねっ!?他所でしてくれるかな?かな?
「「「「「堂々が好きなのはどう考えても神楽坂だろうがっ!!!!!んで、神楽坂が好きなのは堂々だろ!見てわかんだろっ!」」」」」
クラスメイトの声がハモる…。クラスメイトはどうやらそんな二人に我慢ができなかったみたいだ。
「「っ!?」」
二人は気持ちを口にされたのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤に染めている…。初々しいねぇ…ホント…。
「「「「「そんな分かりきった事より問題は咲原の方だよ!!!」」」」」
「あ~し…?」
それね!私もそう思ってた!
「告白したって何!?」
「そうそう!それでそれで?」
「わっちもそっちの方が気になるぅ~」
「俺も俺も」
「僕も」
「俺!咲原の事好きなんよね」
若干1名どさくさに紛れて告白してるし…
「ごめん!あ~しは先輩が好きだから」
「ちょ、ちょっと待とうか、咲」
「うん?」
「私…豊にぃの事好きなんだけど…?」
「うん。知ってるけど」
「なのに…親友の応援通り越して告白した…と…?」
「うん。仕方ないっしょ?好きになっちゃったし。最悪有紗とあ~しで先輩囲えばよくね?」
「えっ……」
盲点だった…?囲う…?なんか言葉の響きが素敵かも…なんかいやらしいし、エッチぃし…
「「「「「いや、駄目だろ!?」」」」」
「こらー!お前達ぃぃ!自習時間は静かにせんかぁぁぁ!」
隣のクラスで授業を行っていた先生から注意されてしまった…。
「ったく……ちゃんと自習するようにいいな?」
「「「「「はい」」」」」
「…ちなみにだが…」
「「「「「?」」」」」
「先生はフリーだから」
すいません…興味ないです…。
「有紗お前…今日は朝からずっと兄貴の事ばかり口にしてんぞ…?(いや…口にするのは平常運転か…?)なぁに、兄貴なら心配ないって!」
大河…それは仕方ないと思うんだ…。だって今日は平日だよ?私達は学校なんだから…。
まあ、今は運が良い?事に自習だからこうして大河とも話せているんだけど…。
豊にぃの甲子園を懸けた戦いが始まった。当然私は全試合応援に行きたかった訳なんだけど、平日も試合が行われてる為にそれは叶わない…。
どうせなら土日とか祝日に試合を行って欲しいところなんだけど、聞いた話によると、ピッチャーが一人でも投げ抜けるように休ませながら日程を組んでるそうだ。
【注 この世界のみ。現代の高校野球に置いてはピッチャーが一人で投げ抜く事はできない。投げる球数が制限されており、複数投手による複数投手制が採用されているのが現代の高校野球】
いや…ワンチャン学校は仮病を使って…
「仮病使って兄貴の応援に行くのは流石に駄目だかんな?」
「勘のいいガキは嫌いだよ?」
「お前もガキだろうが!?それに俺達同じ歳だからな!?俺がガキならお前もガキだから!」
大河との付き合いも長い分、どうやら心の中を読まれたようだ。どうせなら大河ではなく豊にぃに私の全てを読んで欲しいと切実に思う。
「まあまあ…大河君落ち着いて?仕方ないよ。有紗ちゃんは大河君のお兄さん大好きだし」
「そうそう。大河落ち着けし。こーゆー時の有っちに何言っても無駄っしょ?かくいうあ~しも学校じゃなかったら応援に行ってるし」
私の親友の堂々灯ちゃんと咲原咲ちゃんがそう口にして大河を宥めている…。
そんな二人の見た目を一言で言うなら、灯は眼鏡女子、咲はギャル。二人とも凄く可愛いんだよね。
ちなみに私と大河は体の向きを変え、私達の後ろの席の灯と咲の方に向けている。
「ぐっ…そ、そうだな…二人の言う通りだな。ついムキになって有紗のペースに巻き込まれちまった。ありがとうな、二人とも」
何気に乏されてない…?ペースって何よ、ペースって…。
いや、それよりもだ!それよりも気になる言葉があるよね!?
「ええと…咲?私、ちょっとさっきの咲の言葉で気になる言葉があるんだけど…?」
「なにっしょ?」
「学校が休みなら応援に行くとかなんとか聞こえたような…」
「そういえば…」
「…言ってたね」
どうやら大河と灯も耳にはしてたようだ。私達三人は咲に視線を送る。
「言ったけど?」
「「「やっぱりっ!?」」」
聞き間違いじゃあなかった…。いや…まあ…親友の私が大好きな人だし?付き合いがある大河のお兄さんだからおかしな事はないといえばない気も…。
「だってあ~し、先輩に告白してるし」
「「「告白っ!?」」」
ここここここここ告白っ!?告白っつぅた? 今度は聞き間違いだよね!?聞き間違いだと誰か言ってぇぇ!?クラスメイトも咲の言葉にどうやら耳を傾けているのが見てとれる。
「は、初耳なんだけど…?」
「だ、だよねぇ…」
大河と灯が顔を見合わせて呑気な事を言ってる。これは一大事なんだよ!?分かってんのっ!?
後、一応大河と灯にはツッコんでおくけど、顔を見合わせたからってハニカミながら照れなくていいんだよ!?お互い好きなのは見てて分かるし、聞いてるから知ってるけど、今そういう雰囲気じゃないのよ!顔を赤くしちゃって…もういいからどちらからともなく告白して付き合っちゃいなよ!?
クラスメイトもそんな風に思ってるのか知らないけど「ちっ」とか舌打ちしてるし。
と、ともかく…今は二人よりも──
「あ、あのさ…灯は…好きな人…いるのか…?」
「…へっ…?」
くそ大河ぁあぁあぁあっっっ!?このタイミングでそれ聞く!?内心告白してとか思いはしたけども!?ここ教室!聞く場所間違えてるからね!
「……んっ…居る…よ?」
そう言って大河に潤んだ瞳を向ける灯。
「それ…って…誰か…聞いてもいいか…?」
「っ!?」
いやいやいや…灯りの表情見ればそんなの丸分かりだよねっ!?他所でしてくれるかな?かな?
「「「「「堂々が好きなのはどう考えても神楽坂だろうがっ!!!!!んで、神楽坂が好きなのは堂々だろ!見てわかんだろっ!」」」」」
クラスメイトの声がハモる…。クラスメイトはどうやらそんな二人に我慢ができなかったみたいだ。
「「っ!?」」
二人は気持ちを口にされたのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤に染めている…。初々しいねぇ…ホント…。
「「「「「そんな分かりきった事より問題は咲原の方だよ!!!」」」」」
「あ~し…?」
それね!私もそう思ってた!
「告白したって何!?」
「そうそう!それでそれで?」
「わっちもそっちの方が気になるぅ~」
「俺も俺も」
「僕も」
「俺!咲原の事好きなんよね」
若干1名どさくさに紛れて告白してるし…
「ごめん!あ~しは先輩が好きだから」
「ちょ、ちょっと待とうか、咲」
「うん?」
「私…豊にぃの事好きなんだけど…?」
「うん。知ってるけど」
「なのに…親友の応援通り越して告白した…と…?」
「うん。仕方ないっしょ?好きになっちゃったし。最悪有紗とあ~しで先輩囲えばよくね?」
「えっ……」
盲点だった…?囲う…?なんか言葉の響きが素敵かも…なんかいやらしいし、エッチぃし…
「「「「「いや、駄目だろ!?」」」」」
「こらー!お前達ぃぃ!自習時間は静かにせんかぁぁぁ!」
隣のクラスで授業を行っていた先生から注意されてしまった…。
「ったく……ちゃんと自習するようにいいな?」
「「「「「はい」」」」」
「…ちなみにだが…」
「「「「「?」」」」」
「先生はフリーだから」
すいません…興味ないです…。
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