貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

文字の大きさ
36 / 108

駄菓子屋③

しおりを挟む
「最近搾り取られ過ぎてまったりと一人発電する時間が取れなくなってしまったんだよ、ばっちゃん」 

「ヒッヒッヒッ…そりゃあ当然さね。女性の性欲を舐めたらおしまいじゃよ?それより話するならお菓子買いな?」 

「当然。駄菓子は買うに決まってんじゃん♪今日は何にすっかっな。ああ、コレにしよう!ばっちゃんコレを3つくれよ!」 

 俺が今日の駄菓子に選んだのはオ◯オンのミニコーラ。コーラ味のラムネ菓子で昔から好きなんだよな。コレも食べだしたら止まらなくてついつい次々に食べてしまうんだよ。 

「はいよ!九十円さねっ」 

「はい、ばっちゃん」 

 俺はちょっとはあるもののお金をばっちゃんに手渡す。 

「それにしても…冷菓は何してんだい?」 

 それなっ!?俺も思ったわっ!?俺が動きづらいのは冷菓が原因なんだよな。俺が駄菓子に顔を出したと同時に素っ気ない挨拶を交わした後から俺の左腕の服の袖を掴んで離さないんだ。 

「べ、別にっ!?何もしてないわよっ!?」 

「服の袖を掴んでるじゃん?」 

「いっ、嫌なのっ!?」 

「嫌じゃないけど…何してんのかなぁ~なんて思ってはいる」 

「い、嫌じゃないなら…その…別にあたしが何しててもいいでしょっ!?」 

 いや…まあ、それは…そうなんだが… 

「嗚呼~っ。なんだい。冷菓はただイチャつきたいだけだったのかい。ヤレヤレだねぇ~」 

「っ!?」 

 そうなのかっ!?なるほどな。どおりで俺の傍から離れないわけなのか…。 

「か、勘違いしないでよねっ!?あ、あんたがっ…他の子の話ばかり…するから…」 

「まったく…わたしゃあの可愛い孫娘を妬かせてんじゃないよ?あんたも気がついてやんなっ?」 

「そ、そうか…。わ、悪いな…その…鈍くて…」 

「…ほ、ホントよっ。それくらいはすぐに…気がつきなさいよねっ!?」 

 そっと…冷菓が俺の服の袖を掴んでいる手に俺の右手を添える…。 

「あっ…」 

「その…なっ?なんでも遠慮せずに言ってくれていいんだぞ?俺はこういうのには疎いからさぁ」 

「…うん」 

「かぁ~~~~~っ ホント、なんだか今日は空気が甘いねぇ~~~っ!甘酸っぱい空気も漂ってる感じだわさっ!冷菓もいい加減その子を部屋に連れ込んて一発ヤっちまえばいいだろうに…」 

「ちょっ!?お、おばあちゃん!?」 

「体も心も合わせてこそ分かる事もあるもんさねっ?わたしゃあなんか今でも現役バリバリよ?現~え~き♪さいきょ~う♪ナンバ~ワ~ン♪ってね」 

「おばあちゃん!!!」 

「おっと…コレ以上言ったら冷菓が怒っちまうね。あたしゃあ奥で休んでるから冷菓、あんたがその小僧の相手をしておくんだよ?ここにいる間はちゃんと駄菓子もその小僧に売るんだよ?」 

 流石商売人だな…ばっちゃん。ばっちゃんが店の奥へと姿を消し…静かな空間が生まれる…。 

「その…さっきの話じゃあないけど…あんたは…あ、あたしと…シたい?」 

「ふぁっ!?べ、別に…その…ゆっくりでも…いいんじゃないか?」 

「…あたし…魅力…ない?」 

 不安そうに俺を見上げる冷菓。俺は顔を寄せて、冷菓の唇に唇を重ねる。 

「…んっ」 

 俺の突然のその行動にビックリしたように一瞬だけ目を見開いた冷菓。でもすぐに目を閉じて…その仕草はまるで熱を確かめるかのよう…。 唇を離すと名残り惜しそうな声が洩れる… 

「あっ…」 

「…その…2回目の…キス…だな」 

「…えっ…あっ……うん…」 

 お互い顔が真っ赤だ。 

「えっ…と…抱きたいか抱きたくないかで言えば抱きたいし…魅力は凄くあるから…」 

「っ~~~」 

「ほら…その…ペースとか…あるだろうし…デートしたりとかも…いいんじゃないかなって…」 

「…あ、あたしと…その…デートしたいって言うなら…えっ…と…付き合ってあげてもいいわよ?」 

 そっぽ向きながら言わなくてもいいだろうにな。まあ、そういうところが冷菓の魅力なんだろうな…。 

「是非」 

「…うん。じゃあ…この後…街に行く?」 

「そうしようか。ばっちゃん、そんなわけで冷菓とデートに行って来ていいかな?」 

「へぇ~。気付いてたのかい?」 

「ちょっ!?おばあちゃん!?い、いつから見てたわけっ!?」 

「「奥に下がったフリしてずっと(じゃな)」」 

「んなっ~~~!?」 

 どうやら冷菓はばっちゃんに気がついてなかったみたいだな。 

「まあ、ゆっくりデートに行ってくるといいさね!」 

「あんがと、ばっちゃん。ほら、冷菓。行こうか」 

「えっ?あっ…うん」 

 その後…冷菓と色々話しながらデートを楽しんだ。まあ、雑貨を一緒に見たり、ゲームセンターに行ったり、ボーリングを楽しんだり…とにかく冷菓とのんびりとした一日を過ごす事が出来て楽しかったのは言うまでもないだろう。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

処理中です...