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ライバル
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「イチっ!お願いっ!」
“シュッ────────ッ! パシッ!”
「任せてかなっ!」
味方からパスを受け取ったイチがスリーポイントシュートを放つ。綺麗なフォームから繰り出されたシュートは弧を描きながらゴールリングへと吸い込まれいき…パサッっと、バスケットボールがリングネットを揺らした音が響く…。
「ナイスシュートっ!イチっ!」
俺の声にニッコリと笑って応えるとすぐにディフェンスにつくイチ。今日のイチも動きがキレてるな。スピードもパワーも気迫も人一倍あるような感じだ。安心してプレイを観ていられるって感じだ。
「ナイスシュート、イチ!」
「かな♪」
「イチ中心にボール集めていくから宜しくっ!」
「オッケー!」
「了解っ!」
チームメイトとそんなやり取りをしているのが聞こえてくる。その声は当然相手チームにも聞こえているみたいでイチへの警戒を強めているのが分かる。相手チームの軽快なパス回しから…
「甘いっ!」
「くっ!?」
味方がそのパスを途中でカット。そのまま速攻をかける。そして自らダンク! 決まった。 この世界の女子は身体能力が高すぎて最早前世でいうところのバスケットのスーパースター達のプレイを生で観ているかのようだ。 相手がドリブルで切り込んで来ても、素早くボールを奪うと、ボールはイチへと回る。スリーポイントラインまでドリブルで攻め込むとイチが得意なスリーポイントが放たれる。また決まった。これでイチが放ったスリーポイントは十本目。十本全て決めている事になる。百発百中というわけだ。
相手チームはその後、イチに二人つけたり色々しているけど、イチへの警戒を強めれば他の選手がフリーになる。点差は広がっていくばかりだ。気がつけば前半終了時には62対32という30点もの点差がついていた。ちょうどイチが決めたスリーポイントの点数分だな。
「十本目だよね」
「今日も好調じゃん♪」
「この調子でガンガン頼むわね?」
「今日のイチなら余裕しょっ?」
「うん♪勿論頑張るかな。でも…」
「「「「?」」」」
「後半はあの子が出てくると思うかな…だから…一本一本大事になってくると思うかな」
「嗚呼…」
「彼女か…」
「…厄介よね」
「イチのライバルだよね?」
「うん。そうなるかな」
後半も余裕だろうと思いながら俺は試合を観ていたんだけど…後半から出てきた相手チームの選手によって流れが変わったのだ。後から聞いた話だけど彼女はイチのライバルらしい。
「止めるっ!」
「行かせない!」
「…甘い」
切り込んでいくと見せかけて、下がりながらその場からシュートを放つ。いやいや…センターラインの近くだぞ!?イチの放ったシュートのように長めの弧を描きながらゴールリングへと吸い込まれていくボール。 嘘だろ…入っちまったよ…。
「…やられたね」
「…ニナはセンターラインを越えたら、どこからでも狙ってくるから気をつけて欲しいかな」
「そうだったわね。ごめん…」
「大丈夫かな!まだまだ点差はある…かな」
「…うん」
相手チームはそのまま勢いに乗りイチ達からボールを奪うと、ニナにボールを回し始める。パスを受け取るとすぐさまスリーポイントを放ってくるニナ。その全てがゴールリングへと導かれるようにゴールリングネットを揺らしていく。
「私がニナにつく…かな」
「…だね。任せるよ」
「彼女を止められるのはイチだけだと思う」
どうやらこのままではマズイと思ったのかイチがニナに対してマンツーマンで対応。二人の攻防の凄まじい事凄まじい事…。
♢
試合が終わってみると113対103という展開だった。勿論今回はイチのチームが勝ったんだけど…あのニナって子…凄かったな。後半から出てきてそこまで追い上げたのだから…。まあ、彼女が後半から出てきたのは怪我から復帰したばかりで念の為に大事をとっての事らしい。練習試合だしな。
「ど、どうっしょっ!?い、イチには負けてないしょっ!?」
「いやいや…私の腰使いにはまだまだ遠いかな♪」
「こっちは…経験なかったんだし…その分を差し引いたらあ~しの勝ちっしょっ?」
「そんなのは関係ないかな♪」
「くっ…悔しいしっ…」
「あの~」
俺の声が連れ込み教室に響く。
「どうしたかな?」
「どうしたし?」
「俺は何で…連れ込み教室でイチはともかく…ニナさんの相手をしているのかと思いまして…」
「ライバルだからかな♪」
「ライバルだからしっ♪それに…ニナさんなんて他人行儀過ぎるしっ!ニナでいいしっ!」
いやいや…そんな綺麗に二人でハモられてもねぇ…。今度…試合がある時はどっちを応援すればいいんだろうな?
「それはあたしかな♪」
「それはあ~しっしょっ♪」
どういうオチだよ…。
“シュッ────────ッ! パシッ!”
「任せてかなっ!」
味方からパスを受け取ったイチがスリーポイントシュートを放つ。綺麗なフォームから繰り出されたシュートは弧を描きながらゴールリングへと吸い込まれいき…パサッっと、バスケットボールがリングネットを揺らした音が響く…。
「ナイスシュートっ!イチっ!」
俺の声にニッコリと笑って応えるとすぐにディフェンスにつくイチ。今日のイチも動きがキレてるな。スピードもパワーも気迫も人一倍あるような感じだ。安心してプレイを観ていられるって感じだ。
「ナイスシュート、イチ!」
「かな♪」
「イチ中心にボール集めていくから宜しくっ!」
「オッケー!」
「了解っ!」
チームメイトとそんなやり取りをしているのが聞こえてくる。その声は当然相手チームにも聞こえているみたいでイチへの警戒を強めているのが分かる。相手チームの軽快なパス回しから…
「甘いっ!」
「くっ!?」
味方がそのパスを途中でカット。そのまま速攻をかける。そして自らダンク! 決まった。 この世界の女子は身体能力が高すぎて最早前世でいうところのバスケットのスーパースター達のプレイを生で観ているかのようだ。 相手がドリブルで切り込んで来ても、素早くボールを奪うと、ボールはイチへと回る。スリーポイントラインまでドリブルで攻め込むとイチが得意なスリーポイントが放たれる。また決まった。これでイチが放ったスリーポイントは十本目。十本全て決めている事になる。百発百中というわけだ。
相手チームはその後、イチに二人つけたり色々しているけど、イチへの警戒を強めれば他の選手がフリーになる。点差は広がっていくばかりだ。気がつけば前半終了時には62対32という30点もの点差がついていた。ちょうどイチが決めたスリーポイントの点数分だな。
「十本目だよね」
「今日も好調じゃん♪」
「この調子でガンガン頼むわね?」
「今日のイチなら余裕しょっ?」
「うん♪勿論頑張るかな。でも…」
「「「「?」」」」
「後半はあの子が出てくると思うかな…だから…一本一本大事になってくると思うかな」
「嗚呼…」
「彼女か…」
「…厄介よね」
「イチのライバルだよね?」
「うん。そうなるかな」
後半も余裕だろうと思いながら俺は試合を観ていたんだけど…後半から出てきた相手チームの選手によって流れが変わったのだ。後から聞いた話だけど彼女はイチのライバルらしい。
「止めるっ!」
「行かせない!」
「…甘い」
切り込んでいくと見せかけて、下がりながらその場からシュートを放つ。いやいや…センターラインの近くだぞ!?イチの放ったシュートのように長めの弧を描きながらゴールリングへと吸い込まれていくボール。 嘘だろ…入っちまったよ…。
「…やられたね」
「…ニナはセンターラインを越えたら、どこからでも狙ってくるから気をつけて欲しいかな」
「そうだったわね。ごめん…」
「大丈夫かな!まだまだ点差はある…かな」
「…うん」
相手チームはそのまま勢いに乗りイチ達からボールを奪うと、ニナにボールを回し始める。パスを受け取るとすぐさまスリーポイントを放ってくるニナ。その全てがゴールリングへと導かれるようにゴールリングネットを揺らしていく。
「私がニナにつく…かな」
「…だね。任せるよ」
「彼女を止められるのはイチだけだと思う」
どうやらこのままではマズイと思ったのかイチがニナに対してマンツーマンで対応。二人の攻防の凄まじい事凄まじい事…。
♢
試合が終わってみると113対103という展開だった。勿論今回はイチのチームが勝ったんだけど…あのニナって子…凄かったな。後半から出てきてそこまで追い上げたのだから…。まあ、彼女が後半から出てきたのは怪我から復帰したばかりで念の為に大事をとっての事らしい。練習試合だしな。
「ど、どうっしょっ!?い、イチには負けてないしょっ!?」
「いやいや…私の腰使いにはまだまだ遠いかな♪」
「こっちは…経験なかったんだし…その分を差し引いたらあ~しの勝ちっしょっ?」
「そんなのは関係ないかな♪」
「くっ…悔しいしっ…」
「あの~」
俺の声が連れ込み教室に響く。
「どうしたかな?」
「どうしたし?」
「俺は何で…連れ込み教室でイチはともかく…ニナさんの相手をしているのかと思いまして…」
「ライバルだからかな♪」
「ライバルだからしっ♪それに…ニナさんなんて他人行儀過ぎるしっ!ニナでいいしっ!」
いやいや…そんな綺麗に二人でハモられてもねぇ…。今度…試合がある時はどっちを応援すればいいんだろうな?
「それはあたしかな♪」
「それはあ~しっしょっ♪」
どういうオチだよ…。
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