貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

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改めて

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 とりあえずソファに腰を下ろした俺達。机を挟んで向かいにはシズさん。俺の両隣にはルナとアリシアがいる。 

「では…改めて…ルナとアリシアの夫の隼豊和です。挨拶が遅れましてすいません」 

 えっ…と…夫と言っても良かったよな?二人のお腹には新しい生命も宿っているしな。入籍もしているよな?確認するのを忘れていたぞ…。コレだから俺は…。 まあ、真冬が任せておけ!みたいな事言ってたし、この世界ではそういう手続きは女性がするのが一般みたいだし、大丈夫だよな。 

「ホンマ丁寧な男前やなぁ…なら…あても…ルナの母親であり、アリシアの叔母のシズ言います。宜しゅうに♪」 

「はい。今後ともに宜しくお願いします」 

 俺がシズさんに頭を下げるとシズさんも俺に頭を下げてくれる。なんだか対等に見られてるみたいで一安心だな。 

「それにしましても…お母様は突然どうされたのですか?」 

「そうですよ。一言下されば…しっかりおもてなしと心の準備が出来ましたのに…」 

「ルナが手紙を送ってきはったんですえ?久しぶりの手紙で何事かと思うとったら子供が出来ましたわという文字とここの家の地図だけ書かれとるし…」 

 ルナ…そこら辺はもう少し詳しく報告しようよ。淡白過ぎるだろ…。 

「せやから…こうして…尋ねて来たというわけや」 

「そ、そうでしたわ。お母様に手紙をお送りしておりましたのをすっかり忘れておりましたわ」 

 いやいや…頼むからそういうのは忘れないで? 

「んっ…?」 

「どうかなされましたか?」 

「…アリシアの夫とも言いはりましたか?」 

「え、ええ」 

「お、叔母様…!?その…ほ、報告が遅れましたが…わたくしも…る、ルナよりも早く豊和様のお子を授かっております」 

「そんな大事な事を今頃言いおってからに…アリシアは後でお仕置きしないといけまへんなぁ?」 

「そ、それは…ご、ご容赦願いたく…と、豊和様の手前…何卒…」 

 アリシアが俺の服をギュッとつかんでくる。昔なにかやらかして怒られたのかも知れないと予想がつくな…。いつもシャキッっとしているアリシアからは想像がつかない姿だ。なんだか…保護欲?庇護欲?っていうのか?とにかくそういうのが溢れてくるな。 

「…まあ…かまへんか…。それにしても二人とも同じ男を好きになって、子供も授かってはるとは…ホンマ驚いたわぁ。でも…アレやな?」 

「どうかしましたか?お母様?」 

「二人の旦那はん…どっかで見た顔や思うとってな…なんや思い出せんのや…」 

「そ、それは…もしかしてなんてすけど…映画か何か観ませんでしたか?」 

「映画…映画っ…それやっ!?そうやそうや…映画で観はった顔や。どっかで見た顔や思うとったけど、ソレでかぁ…」 

 ああ…俺が出演したあの映画を観てくれたんだな…。なんだか…恥ずかしいな。ああいうテレビとか配信動画に出る人達って度胸というか、色々と凄いと思うよ。 

「お母様に連絡しなかったのはソレもあったんですわ」 

「そ、そうなんです。ルナの言う通りで…」 

「ほうかほうか……んっ?」 

「ど、どうされました?」 

「連絡が遅れたんは…旦那はんの例の病気のせいでもあると言うてはりますか?」 

「そ、それもありますわ!豊和様の本当の姿が見えなかったら嫌ですから…」 

「る、ルナの言う通りでふ…」 


 なんか…シズさんの雰囲気が… 

「──と、いう事は…ルナもアリシアも…あてが旦那はんの本当の顔が見れなかったと…心が汚い女やと認識…思うたゆう事でええんやろうか?」 

「「っ!?」」 

「その顔…思うとったで間違いないえ?」 

「ち、違いますわっ!?こ、言葉のアヤですわぁっ!?」 

「お、同じくっ!?ルナにつられて思っていない事を口走ってしまっただけです!?」 

「アリシアっ!?」 

 アリシアに裏切られたと思って驚愕の表情を浮かべるルナ。でもな、ルナ?アリシアは自分で口走ってしまったと言ってるぞ?普段のアリシアなら言わないだろうけど…シズさんの前だと少しポンコツになるようだ。余程のトラウマがあるんだろうな…。 

「シズさん」 

「どうかしましたえ?」 

「二人は…たぶん…俺が傷つくのを見たくなかっただけだと思うんで…宜しければ…許してもらえると助かります。子供もいますしね」 

「「と、豊和様…♡」」 

 そんな熱っポイ視線をもらうと流石に照れるな。 

「ホンマ…イイ男を掴まえたどすなぁ…」 

「「はい」」 

 二人に優しい微笑みを浮かべるシズさん。 

「それじゃあ…ルナ」 

「な、なんでしょうか?」 

「部屋を貸してくれるかえ?」

「も、もちろんですわっ!お母様のお望みのままにっ!」 

 んっ?部屋?泊まるのか? 

「し、シーツもすでに新しいものに替えていますので…ご、ごゆっくり」 

「あら…気が効くどすなぁ」 

「と、当然です」 

 いやいや…シーツは昨日汚したから新しいものに替えていただけでは?ま、まあ…そんな野暮な事は言わないけども… 

「では…借りていくえ?あっちも確かめないといけんからねぇ」 

「「も、勿論です」」 

 借りていく?確かめる?何がなんだか分からないうちに俺はシズさんに抱き抱えられていて…ルナ?アリシア?頼むから、こっちに視線を向けてくれるか?どういう事か説明して欲しいのだが? 

「さっ、行きますえ♡」 

 まあ、どうなったのかは察してくれ。
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