恋愛ゲームのモブに転生した俺!~ヒロインキャラが全員好感度MAXなのは気のせいでしょうか?

美鈴

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第二部

来ないの…

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新しい住人がまた増えバタバタしていたある日の事。深雪が深刻?そうな顔で話があると言って来たんだ。

「ねぇ、豊和…あのね…」

「どうした深雪?」

「…ぁ…ぁ…」

「何か言いにくい事か?何でも遠慮なく言ってくれよ、俺は彼氏なんだから」

「…うん。そうだよね、ちょっと緊張しちゃって」

深雪の額に自分の額をそっと合わせる。

「大丈夫。ゆっくり良いから」

「…来ないの」

「来ない?」

「…ぅん…月のモノが…」

「月のモノ?」

「多分出来てると思う」

「それって…」

「うん…私と豊和の…赤ちゃん」

「ホントに?」

「ま、まだ検査とかした訳じゃ無いんだけど間違い無いと思う…」

「マジか!深雪…ありがとう!」

「…喜んでくれるの?」
「当たり前じゃん」
「良かった…私も嬉しい…」
「そうだ!重たい物とか絶対駄目だからな!何かあったら直ぐに言ってくれよ!というより深雪から離れない様にするから!」
「もう、豊和は相変わらずなんだから。緊張して損しちゃった!でも、ありがとう豊和」
「そうだ!病院、病院に一緒に行こう!」
「うん」

 俺達2人は産婦人科に向かった。そして、深雪が妊娠している事が判明。確かに不安もある。俺が父親になるんだから。でも産まれてくる子供、そして愛する深雪の為に頑張ろうと思ったんだ!

「ふふっ…電話でお父さんとお母さんにも連絡したらでかしただって」
「相変わらずだな深雪のお父さんとお母さん」
「豊和と一緒に暮らすって言った時、最初から作らせる気満々だったし、私もそのつもりだったから…」
「そうだったなぁ。無事期待に応えられて何よりだよ」
「後悔して無い?」
「する訳ない!それは絶対に無いからな!」
「うん」
「俺を父親にしてくれてありがとうな深雪」
「そんな嬉しい事ばかり言わないでよ。物凄く照れるじゃん!私も、私もママにしてくれてありがとうね」
「お互いにありがとう…だな!」
「うん」
「今の内に結婚式とかあげとこうぜ!」
「うん…私幸せだよ」
「俺も…」─瞬間頭に物凄い衝撃を受けた

ゴッ!

「豊和ぅぅぅ!」
「…ぁ」
「豊和殿ぉー!」

「なぁ、深雪、何でそんな奴と仲良くしている?」

 何された?頭が酷く痛む。倒れた俺。地面がやけに赤い。その赤が地面に広がっている気がする。嗚呼…そうか…俺の血なのか。

「豊和!豊和!」

「深雪…お前が…がぁ…」

 深雪の膝に頭をのせられ傷を押さえられる。耳に入ってくるのは誰かの悲鳴と何かで殴られてる感じの音。そうか…俺を殴った奴を倒してくれたんだな茜先輩…。そして深雪の悲痛な叫びが聞こえる…。心配しなくても俺は大丈夫だから…


「泣かない…で。深雪…」

「で、でも、豊和!!ち、血が…血が止まらなくて!救急車がもうすぐ来るはずだから…」
「豊和殿ぉぉ。ま、また拙者が守れなくて…ずっと傍に居てれば…2人の時は2人の空間をとか思わなければ…」

「ゴザル…を忘れてます…よ?」
どよがずどのぉ豊和殿ぉー!」
「気にしない……で…」
「豊和!豊和!」
「深雪……俺は…父…親に…」
「後で聞くから!お願い豊和!救急車の音もほらっ、聞こえるでしょ!もう少しだけ頑張ってお願い!お願いだからぁー!」
「…ぁぁ………」
「う…そ…嘘よ!いやぁー!」
「そんな…」

そして…俺の意識は無くなっていったんだ…
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