男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

文字の大きさ
22 / 141
第二章

Side 王と宰相②

しおりを挟む
作品をお読み頂きありがとうございます!筆者の美鈴です。沢山の人に読んで頂いているみたいで本当に嬉しいです!本日はお礼を込めましてこの話まで更新させてもらう事にしました!本当にありがとうございます!引き続き応援の程どうぞ宜しくお願いします!
また、まだ療養中の私なのでコメントとか頂けると元気の源になりますので気軽にコメント下さいませ!入院とか療養していると寂しく感じてしまうんですよねぇ~(泣)
それと感謝の意を込めまして明日迄3話更新の予約入れておきますのでどうぞ宜しくお願いします。美鈴でした。長くなりましたが、本編をどうぞ!



****************

~王城のとある一室~



「ちょっとタンマじゃっ!」 

「…またですか、王様?」 

「そこに置かれたらわしの負けになってしまうではないか」 

「勝敗があるゲームなのですからそれは当然では? それにそういう娯楽品ではないですか」 

「…わしはこの国の王ぞっ?」 

「私はこの国の宰相ですが何か?」 

「いや、そこは王の言うがままにとか、王の申される通りにとか、王の御心のままにとか言う所ではないかっ!?」 

「…私は言いませんけど? それが何か?」

「ぐぬぬぬぬぬっっ!!!」 

「よいではありませんか…。たかが娯楽品…。勝ち負け等気にせずに楽しめれば…」 

「…だったら負けてくれてもいいのでは?」

「さてさて、今回も私の勝ちですね!勝つのは気分がいいものですね?さあ、次にいきましょうか」 

「うぉーい!?言ってる事矛盾しておるだろっ!?」

 最近このリバーシなる娯楽品にみんなハマっている。この愚王…もとい、陛下もその一人だ。しかもご丁寧に特別製を献上されるなんて…。なんて羨ましい…。

 宝の持ち腐れだろっ! 

 失敬。陛下に対して口が過ぎましたね。まあ、心の中で思う位は構わないでしょう…。 それにしてもこのリバーシも凄いのですが、他にも独楽なるものにあの可愛らしいのはヌイグルミと言いましたっけ?

 とにかく発想が素晴らしい…。しかも3歳の時には既に思い付いていたというではありませんか…。 しかも娯楽品だけに留まらずに食品の方に迄手を伸ばしただけでなく成功しているのですからその手腕も見事…。

 味噌。あれはホントに素晴らしい…。朝から口の中で炊きたてのご飯と味噌汁のなんと素晴らしいハーモニーを奏でる事か…。じゅるる…。おっと思い出すだけでもヨダレが出てきますね。

 しかも数多くの食材と組み合わせられる味もまたお見事…。味噌野菜炒め、味噌田楽等もまたお見事。脱帽です。 

 カンリンセンの街の奴隷商を領地に引き入れて尚も新しい物を作っていると聞きますしね…。次は何を作ってくれるのか非常に楽しみです…。 

 だからこそ思う。。他所の国に取られる訳にはいかないと。彼は世界中を変えていく事が出来る選ばれた人間の様にも思えますしね…。 他所の国に取られる前に是が非でも私は彼とティア殿下の婚約を早々に結んだ方がいいとは思うのですが… ティア殿下は満更でもないようですしね。

 先日も、彼が全然会いに来てくれない。ミミちゃんとは会ってるのにぃ~とかボヤかれてましたからね。

「親バカ…失礼、陛下?」 

「…お主ホント好き勝手言いおるな? で、なんじゃ?」 

「ティア殿下の婚約「まだ早いじゃろーて!?ティアはまだ5歳じゃぞっ!」早くはありません。普通ですよ普通。それにお忘れですか?陛下は3歳の時には…婚約しておりましたよ?」 

「…よそはよそ、うちはうちと言うじゃろ?」

「本気で言われてるのなら王の座を明け渡してもらいますよ?」 

「なっ、何ぃぃぃー!?宰相は黙って…」 

「謀反を起こすっ!」 

「…本気か?」 

「あんたが言わせたんでしょうがっ!」

 なんで…私がわざわざ餅つきのポーズをしないといけないのか…ホントこの仕様は謎だわ。

「…さて、お主をあんまり怒らせても後が怖いからのぅ。真面目な話…婚約についてじゃが、いくらティアが可愛いとはいえ…考えてはおったよ…」 

「はっ!?ホントに?」 

「勿論じゃっ…腐ってもこの国の王じゃぞ?」

「…陛下はっ!陛下は腐ってはおりませぬ。私が點すのはともかくご自身でご自身を點す事はお止め下さい!」 

「よい、わしは自分でそう思おとる…。わしは男の子を持てなかったどころか、子供もティアだけじゃしのぅ…。お主に対しても…」 

「…陛下、それは」 

「それに最早…王国特別所属部隊妊活団も若い者はおらず国の人口もだいぶ減ってしもうた…。まあ、それは他所の国も同じじゃがな…。じゃが、それに対してわしが何も出来なかったのは事実じゃ」 

「こ、子供は天からの授かりものではございませんか!?こればかりはいかに陛下といえども…どうにもならなかった事ではありませぬか!?」 

「…とにかくじゃ。わしは器ではなかったということ。だからこそわしは天命を待っておる」

「天命…ですか?」 

「うむ…。世界が変わる時というのは時代のうねりと共に天命が降りるそうじゃ。そして今はその変革の兆しが現れたらしいわい…」 

「序章…?変革ですか?」 

「そうじゃ。占星術師ミレースが50年ぶりに星を詠んだ結果がそれだそうだ」 

 占星術師ミレース…。星を詠み、予言を一度も外した事がないという預言者。しかも星が語り掛けて来た時だけ予言されると聞く。

「既にそれは各国の王にも通達されておる…」

「…陛下…それは私に聞かせていいお話なので?」 

「よい、そなたは知っておくべきであろう…」

「ならば尚の事、エル殿かランス殿とティア殿下の婚約を結ぶべきでは?」 

「…まだあるのじゃ。詠んだ言葉は変革者と運命の恋…」 

「変革者と運命の恋?」 

「そうじゃっ…今、予言に一番近い男といえばエルじゃろう。仮にじゃが、時代の変革者がエルなら…そしてその運命の相手がティアなら自ずと結ばれるであろう?同じ歳に生まれたランスが変革者かもしれん。それに他の国に居る可能性もある…。まあ、現時点では何が何を指しているのかは分からんがな。それに今は序章じゃしのう」 

「今…しばらくはこのままがいいという事ですね?」 

「じゃな…。それに現時点ですでにティアはエルに惹かれているであろう?」 

「…あれは惹かれているというよりもすでに恋焦がれている気がしないでもないですが、ティア殿下は自分の中にあるモヤモヤがまだ恋ということに気が付いてないみたいですしね」

「ふぅ……父としては寂しいものじゃな…。嫁にはやりとうないがの」 

「心中は察します…陛下。ですが…」

「みなまで言わなくてもわかっておる。いつかは親の元を離れ巣立つじゃろうしな」

「はい」

  願わくば…運命の恋というものがティアに関係しておるのなら…それが幸せを指しているのならよいのじゃが…。
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

処理中です...