男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

文字の大きさ
42 / 141
第二章

幕間 王城の地下にて…

しおりを挟む
~王城の地下~ 


 王城の地下に、ある目的の為だけに作られた部屋がある。その部屋の中は何とも言えない異臭が漂い、流れたり飛び散った血痕の跡が生々しく残っている…。

 そんな…拷問を行う為だけの部屋。

 この部屋が使われなくなってどれ位経ったかは定かではない…。そんな部屋へと通じる扉が久方振りに開いた…。そして… 

「ギャアアアーーーー!!!」 

「あがっ……も…もう…やめっ…」 

「ゆる…し…てっ…」

 一人…また一人とこの部屋へと連れて来られては拷問にかけられる…。絶えず地下に響くのは懇願という名の痛みからくる絶叫…。

 そんな部屋の中に団長のエリンと縛られた騎士団の団員が一人が連れられ入って行く。 

「あ、あの…団長、一体何で私は縛られて…しかもこんな所に連れて来られたのですか…?」 

「何で連れて来られた…か…。 本当に連れて来られた理由が分からないのか?」 

 部屋の中は血の匂い等が漂っていて、現在進行系で拷問が目の前で取り行われていた…。 

「だ、団長!?じょ、冗談は…止めて…」 

「全て調べはついている…」   

 エリンは剣を抜き団員の眼前へと剣先を突きつけた。 

「…エル様を引き渡す手引きをしたうえに仲間の命を奪った罪は重いぞ?」 

「っ…!?」 

「娘を人質に取られていたとはいえ…やりようはいくらでもあっただろうっ!!」 

「…そうですか…そこまで…知られているのですね?」 

「陛下直属のを舐めるなよ?貴様の娘を人質にしていた輩達は既に処理が済んでいる…」 

「…娘はっ!娘は無事なのですかっ!?」 

「…それを知りたくば貴様が知っている事、貴様が犯した非道を全て答えよっ!」 

「…既にご存知だとは思いますが…娘を人質に取られて…エル様が王都に行く際に荷馬車を…あの林道で壊れる様に細工するように言われました…。そして…その際、料理か飲み物に眠り薬を盛るように言われて小瓶を預かりました…」

「…見ただけで貴様はそれが毒だと気付いた筈だろっ!」 

「…はい。気付いていました。私は…私はそれが毒だと気付いたうえで…使用しました」 

「背中を預け合う仲間から…そんな言葉は聞きたくは無かったな…」 

「…私が後、知っている事は遙か北の国のゴールと言う貴族が関わっている事だけです…」

 「…それは確かか?」 

「雇われた者達の何人かがその名を口にしていたので…間違いないです…」 

「…何故っ…何故それが分かった時点で私達に言わなかったっ!?」 

「…誰が仲間で誰が敵か…見極められずに分からなかったからですよ…。だから…私は…仲間よりも娘を…選びました…私が知っているのは…以上です…隊長…」 

「…そうか………貴様の娘は無事だ…。何か言い遺す事はあるか?」 

「…背中を預け合ったみんなに…謝罪を…。どうか…娘を…どうか宜しくお願いします…」 

「…分かった」 

“―シュッ―! スパッ! ―――ゴッ!ゴロゴロ…” 

「エリン団長」 

「…なんだ?」 

「彼女の娘さんは…既に亡くなっていた事は言わなくても良かったのですか?」 

「…犯した罪は消えぬとはいえ……子が…親より先に逝っていたという残酷な事実は…わざわざ伝えなくてもいいだろう…違うか?」 

「…そうですね」 

 この後《のち》、各国の同盟軍が結成され、ゴール公爵は同盟軍にその身柄を拘束される事になる。ゴール公爵はカイラを嵌めた貴族の一人でもあった事が後に判明する。

 ゴール公爵は激しい拷問を受けた末、エルを連れ去る様に命じたのは前国王を暗殺して新国王となっていたアンビション国王である事を告げた…。 

 そして…アンビション王国と共にアンビション1世は歴史の表に現れてからわずか数年で歴史から消える事となった。 

 それはエルが連れ去られてから数ヶ月後の出来事だった…。
しおりを挟む
感想 55

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

処理中です...