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第三章
船の中で…
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「…んっ……ここは…?」
目を覚ますと真っ先に目に入ったのは勿論…
「知らない天井だ」
定番のセリフを呟く。そんな俺にすぐさま…
「エル!?」
俺の名を呼ぶ懐かしくて優しくて…でも少し焦った様なそんな声…。
声の方に首を傾け視線を向けると、今にも泣き出しそうな顔でこちらを見る女性の姿。
「…母さん」
「エルッ…!?エルッぅぅぅ!?」
ベッドに横になっている俺に覆い被さる様な感じで強く俺を抱き締め、頬を擦り寄せてくる母さん。2人の頬の間に一筋の小さな筋が…やがてそれは川へと変わる様に流れて枕を濡らしいく…。
「…会いたかった…会いたかったわ…エルっ」
「僕もだよ、母さん?」
「無事だと分かってた…信じてた…。エルなら…私のエルならきっとって…。でも でもっ…とても…とても心配したんだからね?」
「…うん。心配掛けてごめんね母さん」
「もう絶対離さないんだから…エルっ…エルっ…私の可愛いエル…」
母さんに本当に心配をかけてしまった。俺の帰りをこんなに待っててくれて…。家族って本当にいいもんだね?とても温かいものが心を満たしていく…。その温かさにしばし身を委ね…。
―って、それどころではないじゃないかっ!?
「か、母さんっ!?」
「な、なに、エル?どうしたの?」
「マリンは!?ええっとっ、僕と一緒に居た子がマリンと言うんだけどっ!?とにかくマリンは何処にっ!?大切な人なんだっ!マリンが居なかったら僕はたぶんこうして母さんにも会えなくて…」
意識が途切れる前にミーニャに伝えた…筈。ちゃんと伝わってるよね!?大丈夫だよねっ、ミーニャ!?
「う~んと、マリンちゃんの事かしら?」
「そうっ!そのマリン!」
マリンって知ってる人じゃあ、1人しかいないよね!?
「マリンちゃんなら…」
母さんはそう言うと俺の上半身を抱き起こしてくれた。そして、
「すぐそこで顔を真っ赤に染め上げてるわね?ふふふっ…」
ベッドの脇にメイド服に身を包んだマリンの姿が視界へと入った。
すぐさまベッドから降りて立ち上がり、その拍子に俺はフラっっとしてしまい…直後、ポフッと、柔らかい感触がクッション代わりと言わんばかりに顔を包む。
傍に居た母さんよりも早く駆け寄ってくれたマリンによって俺は受け止められていたんだ。
顔を胸に埋める形で…。
バッ―と、胸から顔を離しマリンを見上げると少し潤んだ表情でこちらを見下ろすマリンの顔。お互いぎゅっと力を込めて抱き合いながら無事に無人島を脱出出来た事を喜び合う。
「良かった…マリン」
「…あ、あ~しも…エルが目覚めてくれて…良かったし」
「マリンのお陰で…こうして母さんにもまた会う事が出来た…。生きて無事に無人島を脱出出来た。本当にありがとう、マリン」
「お礼を言うのは…あ~しもしょっ?エルが居なかったらあ~しは…」
「マリン」
「エル」
「あらあら…本当に大切な人なのね、エル?」
「それは勿論そうだけど?」
「っ!?」
「即答なのね?母さん流石に妬けちゃうんだけど?」
“トントン!”
そんななか、部屋をノックする音が。母さんが入って良いわよと言っている。
「「「「失礼します…ああーっ!?」」」」
部屋に入って来たのはミーニャ、レーティ、リンリンにそしてレイラ。
だけど…なんでみんな目を点にした様に驚いてる感じで動きが止まってるの?レイラなんかはハッと我に返った様に今度は頬を膨らませて如何にも私は怒ってますって感じなんだけど…何故なんだっ!?
「…なるほど…マリンとはもう少し話し合う必要がありそうですね?ねっ、マリン?」
と、言ったのはミーニャ…。とりあえず敵ではない事がちゃんと伝わっていて、仲も悪い様には見えないので一安心だ。
「ん…島での事は全部聞いた…。今日からは私もエル様と裸で同衾する」
むふぅ~とした感じでレーティは何言ってるの!?誰から聞いた?ってマリンしか居ないかっ!?島での事は不可抗力だからねっ!?
「うんうん。最早それしかないアル!」
最早それしかないアルじゃないんだよ、リンリン? 他にもあるだろう!?
「…エル様」
「ななな、何かなレイラ?」
有無を言わせない圧がそこには確かに存在している。
「私も今日から…はは、裸ですからにぇ!?」
いや、恥ずかしいなら言わなくていいのに…。 と、とにかく…これだけは言って置きたい。
「みんな…ただいま」
「おかえり、エル!」
「「「「おかえりなさい、エル様!」」」」
家族の元に帰ってきたならこの挨拶をしないとね。
「…でも、エルの一番はあ~し…だもん!」
「ちょっ、ちょっと、マリン!?今の空気を読んでくれるっ!?」
「マリンちゃん…。エルの一番は私だからね?」
母さんは母さんで何を張り合ってるの!?
「お、奥様でも…譲れないしっ!」
「母さんもマリンも何言って…」
「そうですか。やはりマリンとはしっかりと決着をつけねばならないようですね?誰が上か分からせてあげましょうか」
「ミーニャ!?頼むから今は話に入って来ないでくれる?」
「の、望む所し…」
今度はマリンとミーニャが睨み合って一発触発って感じになってるし!?
「んっ…今のうちに…エル様成分を補給」
レーティがその隙にって感じで俺を抱き寄せ頬擦りしてくる。レーティってこんな感じだったか!?成分って何だ!?寂しかったって事なのか!?
「レーティ、ズルいアル!私もするアル…って、ああっ!?」
「エル様の傍は譲らないもん!」
レイラはいつの間にかレーティとは反対側で頬擦りして…
「エルしゃま…カプッ…」
首筋に甘噛してくる。レイラもあの時の事を引き摺っていたんだろうと思い、好きにさせる。そんな風に思っていると、
「今日は母親特権で私がエルと2人っきりに…」
「「「「「却下します!!!!!」」」」」
「私、母親だよっ!?母親なんだけどっ!?」
そんなやり取りを眺めながら…とにかく…俺は生きて帰って来れたんだなと心から安堵する…。
あれ…ちょっと待って?そういえばあの場には確か…
“トントン”
その時再び部屋のドアをノックする音が…。
目を覚ますと真っ先に目に入ったのは勿論…
「知らない天井だ」
定番のセリフを呟く。そんな俺にすぐさま…
「エル!?」
俺の名を呼ぶ懐かしくて優しくて…でも少し焦った様なそんな声…。
声の方に首を傾け視線を向けると、今にも泣き出しそうな顔でこちらを見る女性の姿。
「…母さん」
「エルッ…!?エルッぅぅぅ!?」
ベッドに横になっている俺に覆い被さる様な感じで強く俺を抱き締め、頬を擦り寄せてくる母さん。2人の頬の間に一筋の小さな筋が…やがてそれは川へと変わる様に流れて枕を濡らしいく…。
「…会いたかった…会いたかったわ…エルっ」
「僕もだよ、母さん?」
「無事だと分かってた…信じてた…。エルなら…私のエルならきっとって…。でも でもっ…とても…とても心配したんだからね?」
「…うん。心配掛けてごめんね母さん」
「もう絶対離さないんだから…エルっ…エルっ…私の可愛いエル…」
母さんに本当に心配をかけてしまった。俺の帰りをこんなに待っててくれて…。家族って本当にいいもんだね?とても温かいものが心を満たしていく…。その温かさにしばし身を委ね…。
―って、それどころではないじゃないかっ!?
「か、母さんっ!?」
「な、なに、エル?どうしたの?」
「マリンは!?ええっとっ、僕と一緒に居た子がマリンと言うんだけどっ!?とにかくマリンは何処にっ!?大切な人なんだっ!マリンが居なかったら僕はたぶんこうして母さんにも会えなくて…」
意識が途切れる前にミーニャに伝えた…筈。ちゃんと伝わってるよね!?大丈夫だよねっ、ミーニャ!?
「う~んと、マリンちゃんの事かしら?」
「そうっ!そのマリン!」
マリンって知ってる人じゃあ、1人しかいないよね!?
「マリンちゃんなら…」
母さんはそう言うと俺の上半身を抱き起こしてくれた。そして、
「すぐそこで顔を真っ赤に染め上げてるわね?ふふふっ…」
ベッドの脇にメイド服に身を包んだマリンの姿が視界へと入った。
すぐさまベッドから降りて立ち上がり、その拍子に俺はフラっっとしてしまい…直後、ポフッと、柔らかい感触がクッション代わりと言わんばかりに顔を包む。
傍に居た母さんよりも早く駆け寄ってくれたマリンによって俺は受け止められていたんだ。
顔を胸に埋める形で…。
バッ―と、胸から顔を離しマリンを見上げると少し潤んだ表情でこちらを見下ろすマリンの顔。お互いぎゅっと力を込めて抱き合いながら無事に無人島を脱出出来た事を喜び合う。
「良かった…マリン」
「…あ、あ~しも…エルが目覚めてくれて…良かったし」
「マリンのお陰で…こうして母さんにもまた会う事が出来た…。生きて無事に無人島を脱出出来た。本当にありがとう、マリン」
「お礼を言うのは…あ~しもしょっ?エルが居なかったらあ~しは…」
「マリン」
「エル」
「あらあら…本当に大切な人なのね、エル?」
「それは勿論そうだけど?」
「っ!?」
「即答なのね?母さん流石に妬けちゃうんだけど?」
“トントン!”
そんななか、部屋をノックする音が。母さんが入って良いわよと言っている。
「「「「失礼します…ああーっ!?」」」」
部屋に入って来たのはミーニャ、レーティ、リンリンにそしてレイラ。
だけど…なんでみんな目を点にした様に驚いてる感じで動きが止まってるの?レイラなんかはハッと我に返った様に今度は頬を膨らませて如何にも私は怒ってますって感じなんだけど…何故なんだっ!?
「…なるほど…マリンとはもう少し話し合う必要がありそうですね?ねっ、マリン?」
と、言ったのはミーニャ…。とりあえず敵ではない事がちゃんと伝わっていて、仲も悪い様には見えないので一安心だ。
「ん…島での事は全部聞いた…。今日からは私もエル様と裸で同衾する」
むふぅ~とした感じでレーティは何言ってるの!?誰から聞いた?ってマリンしか居ないかっ!?島での事は不可抗力だからねっ!?
「うんうん。最早それしかないアル!」
最早それしかないアルじゃないんだよ、リンリン? 他にもあるだろう!?
「…エル様」
「ななな、何かなレイラ?」
有無を言わせない圧がそこには確かに存在している。
「私も今日から…はは、裸ですからにぇ!?」
いや、恥ずかしいなら言わなくていいのに…。 と、とにかく…これだけは言って置きたい。
「みんな…ただいま」
「おかえり、エル!」
「「「「おかえりなさい、エル様!」」」」
家族の元に帰ってきたならこの挨拶をしないとね。
「…でも、エルの一番はあ~し…だもん!」
「ちょっ、ちょっと、マリン!?今の空気を読んでくれるっ!?」
「マリンちゃん…。エルの一番は私だからね?」
母さんは母さんで何を張り合ってるの!?
「お、奥様でも…譲れないしっ!」
「母さんもマリンも何言って…」
「そうですか。やはりマリンとはしっかりと決着をつけねばならないようですね?誰が上か分からせてあげましょうか」
「ミーニャ!?頼むから今は話に入って来ないでくれる?」
「の、望む所し…」
今度はマリンとミーニャが睨み合って一発触発って感じになってるし!?
「んっ…今のうちに…エル様成分を補給」
レーティがその隙にって感じで俺を抱き寄せ頬擦りしてくる。レーティってこんな感じだったか!?成分って何だ!?寂しかったって事なのか!?
「レーティ、ズルいアル!私もするアル…って、ああっ!?」
「エル様の傍は譲らないもん!」
レイラはいつの間にかレーティとは反対側で頬擦りして…
「エルしゃま…カプッ…」
首筋に甘噛してくる。レイラもあの時の事を引き摺っていたんだろうと思い、好きにさせる。そんな風に思っていると、
「今日は母親特権で私がエルと2人っきりに…」
「「「「「却下します!!!!!」」」」」
「私、母親だよっ!?母親なんだけどっ!?」
そんなやり取りを眺めながら…とにかく…俺は生きて帰って来れたんだなと心から安堵する…。
あれ…ちょっと待って?そういえばあの場には確か…
“トントン”
その時再び部屋のドアをノックする音が…。
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