男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

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第四章

母と娘の会話

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 アルタイル領に用意された王族専用の宿屋の一室。部屋の片隅では正座させられ石抱の拷問を受けているローズレインの王。部屋の中央のテーブル席にはその母と娘の姿が…。

 ちなみにだが石抱とは拷問の事で簡単に説明すると、三角形の木を並べた台の上に正座をさせて、太ももの上に石を載せる拷問の一種である。

 そして何故、王が拷問を受けているのかに関しては名前すら忘れられていたティーネ王妃からの罰である。


「さて、ティア」

「は、はいっ、お母様」

「首尾はどうかしら?」

「えっと…その…」

「あらあら…エル君専属のメイド迄させているのに何の報告もないと?」

「い、いえ…その様な事は決して…」

 きょ、今日のお母様はすこぶる機嫌が悪い。これは間違いなくお父様がお母様の名前を忘れていた事が原因ね…。相変わらず至らない事ばかりしてくれる…。

「ティアよいっ!?お主もどうか一緒に謝ってくれぬか?わ、わしはもう足がいとうていとうて痛くて痛くて…」

「「お黙り下さい」」

 私とお母様の声がハモりました。

「ぬなっ!?ど、どうせティアも母親の名前を忘れておったじゃろ!?」

「陛下はああ言ってるみたいだけどどうなのかしら、ティア?」

 あのアホが余計な事を…。ギロッっとこちらに視線を向けるお母様…。

 あの馬鹿のせいでこちらにまで被害が出そうです。しかもここぞとばかりに私を巻き込もうとするだなんて…。しかしそれは悪手ですよ、お父様?

「何を寝ぼけた事をお父様は言っていらっしゃるのですか?私がティーネお母様の名前を忘れるなんて断じてありえませんわ」

「なぬっ!?」

「ああ、そういえば…ここに来る前にランスとおっぱいについてまた話をしていたみたいですが、その際、お父様は言ってましたね?『パイがデカいだけに王妃の名前はパニオニアで良かろうて』と…」

「ばっ!?それは言ったら駄目な奴じゃないかっ!?」

「ほ~~~ そうですかそうですか…。そんな事を言っておいでだったとは…」

「ご、誤解じゃっ!?話せば分かる…」

「では言葉通り、先駆者としてあなたにこの言葉を贈りましょう…」

 お母様がパチンと指を鳴らすと石を担いだ女性が部屋へと入って来ました。どうやら拷問の石を馬鹿に追加されるおつもりの様ですね。

「おっぱいに惑いし哀れな王よ…私を傷つけ貶めておっぱいに溺るる業の魂…いっぺん・・・死んでみる?」

「ぬぉぉぉーーーっ!?」

 石を追加された馬鹿が雄叫びをあげています。汚らしいのでその悲鳴はここからはカットしてお送りします。

「それにしても先程のお母様のお言葉…大変心に染みました」

「エル君に教えてもらったのよ。なんでも地獄に逝く人に贈る言葉だそうよ」

「なるほど…」

「まあ、話が逸れてしまったけど…それでエル君とはどうなの?」

「…はい…その…え、エルのを口でしてあげました!」

 うん。嘘は言ってない…。

「ティア」

「は、はいっ!?」

「私に対してそんな誤魔化しが効くと?」

 うっ…お母様には通じないか…

「えっ…えっと…」

「あなたの事だからまだ自分の気持ちも伝えてないわね?」

「…はぃ」

「おおかた…エル君が精通した日に何人かでエル君のエル君をスッキリさせてあげただけじゃあないかしら?」

 何故バレてるのっ!?まるで見てたかの様にお母様が言った。誰かが言ったとは思えないし…

「あなたの母なのよ?ティアの行動位読めるわよ?」

「ご、ごめんなさい」

「全く…。あなたのその奥手な所は誰から受け継いだのやら…」

「か、返すお言葉もありません」

 しゅん…と、しているとお母様がそんな私を見兼ねたのかこんな事を言った。

「エル君自体も問題なんだけど…。まあ、それはもう暫くすると多少変わるかも知れないわね」

「ほ、ホントですかっ!?」

「喜びなさい、ティア。エル君は間違いなくあなたに好意は持っているわ」

「ほほほほほ、ホントにっ!?」

 エルが私を…

「とにかく…引き続きあなたはエル君に尽くしなさい?そして出来る事なら好意を伝える方が望ましいわ」

「は、はい。頑張ります」

「おいで、ティア」

「?」

 お母様が呼ぶので私は席を立ち、お母様の元へ…。するとお母様は私を優しく抱き締めてくれて…

「あなたは自慢の私の娘よ?自信を持ちなさい。あなたなら大丈夫。こんなにも可愛いのだからエル君も同じ様に想ってくれてる筈よ?」

 そんな言葉を下さいました。

「…お母様」

「さぁ、エル君の元に戻りなさい…。頑張るのですよ?」

「…はい」

「ふ、二人共…いい雰囲気の中…非常に悪いのじゃが…そろそろ限界が近いので助けてもらえぬか?」

「「空気を読んで下さい!!」」

 部屋に私とお母様の声が綺麗に重なり響いたのでした。
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