男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

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第五章

見つかった手紙

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「陛下…お願いですからそろそろお休み下さいませ…」 

 どうやら夢中になり過ぎて時を忘れていたみたいだ…。周りを見渡し、世話係に確認をとるとどうやら2日も徹夜をしてしまったようだった。道理でしつこく休むように言っていたのか… 

「すまない…言われた通り、ここまでにする。悪いがそなたはをウーシェンに届けてくれるか?抗生物質の作り方と材料をまとめている。最優先で進めて欲しいと」 

「はっ!」 


 事の始まりはアルタイルに城を建設するところまで遡る。アルタイル領の俺の家があった場所に城を建設する事になったんだ。その時に家を取り壊すと地下への階段が見つかった。その地下には見た事もない機械、それに色々記された書物等があったんだ。

 そのなかにはカビから作る抗生物質等を始めとした数々の薬の作り方や必要な材料等が日本語や英語を用いて詳しく書かれていたんだ。また顕微鏡等の必要な道具もこの世界で手に入る材料で再現されており調べてみると問題なく使えた。

 なのでまずは薬の生産を最優先で進めてから道具も模倣し生産していく事に決め指示する事に俺はしたんだ。病気に対抗する手段が現時点では殆どなかったからだ。


 つい、その件で夢中になりすぎて2日も徹夜してしまった俺は用件を伝えた後、自室へと足を運びベッドで横になることにした。疲れもあってかこの日はすぐに夢の中へと誘われることになった…。


  まあ、翌朝以降も俺は書物の翻訳に取り掛かる事に。俺しか読めないから当然だな。書物には前世では当たり前の様々さまざまな事が事細かに書かれている。そんな書物を次々に読み進めていると人工授精についても書かれている書物があった。

 そして… 

 ──パサッ… 


「んっ?」 


 その書物にはどうやら封筒が挟まれていたみたいだ。確かめてみると封はあいていない。封をあけてみると中には手紙が入っていた。俺は早速手紙に目を通してみることに…。 




***

 まずさいしょにワタシはこのせかいとはことなるせかい…ちきゅうとよばれるほし丿…にほんというくにでせいをうけ…なくなり…そこからてんせいしたてんせいしゃだ。 このてがみをよんでいるということはそなたもおなじようなかんじでこのせかいにせいをうけたちきゅうからのてんせいしゃなのだとおもう。 

 アってイるか? と、きくのはぐもんだろう…かみさまがいったとおりこのてがみをよむのはきっと── 

 すまないな…はなしをスすめルとしよう… このせかいにはぜんせのせかいにくらべてないものがおおい。しょくひんなどをはじめとしてさまざまなものがこのせかいにはない。よってかみさまからいただいたちしきともっているちしきのすべてをしょもつにしるし、のこしたいとおもう。きっと…ムになることはないだろうから…。

 ただ…スべてをさいげんするのはかんがえてからにしてほしい。すすみすぎたそれはあらそいのたねになるやもしれぬコとをかんがえてほしい。 

 さいごに へ んなことをかくがこれはきにしないでほしい…。 どうかぜんせのぶんもしあわせにいきるように願っている。あいつもあいしていたし…むろん…わたしもだ。こうかいだけはしないようにな。



*** 

そんな風に手紙には書かれていた…。
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