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第一章
出掛けた先で…
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「──近くになんか店があるだろって安易な考えで醤油を買いにこうして向かってるわけだが…あるよな?」
天使家から俺がいたあの公園への道はなんとなく覚えていたのでまずは公園へと向かったわけだ。公園に着いて束の間、俺は辺りを見渡して見る事に…。
「おっ…ビンゴ!あれって絶対コンビニの看板だよな?コンビニで醤油を買うか?それともスーパーの場所をあそこで聞いてスーパーで買った方がいいか?スーパーの方が安いだろうしな。まあ、とにかく聞いてみて、近くにスーパーがないようならあそこのコンビニで買えば良いか♪」
コンビニに向かう途中に何人かの女性とすれ違ったけど、俺が男性だという事はバレてない。何故なら俺は柚希の服を着ているしな。しかも下はスカートだ…。女装しているようなものだろう。
たぶん…。変質者とか思われていなければオールオッケー。
そんなこんなでコンビニに到着。割と近かったな。コンビニに入り、一先ず店内を物色。物色した感じ醤油は置いてない…。いや、置いてないというよりは売り切れていた。値札がある棚が空なんだよな…。
「あちゃ~。ツイてないな…」
仕方がないのでペットボトルのお茶を冷蔵庫から手に取りレジへと向かう…。そのまま店を出るのもなんか気分的に嫌だしな。
店員は勿論女性。年齢は俺と同じ十五歳くらいに見えるのは彼女が少し幼く見えるからだろうか。髪型は白銀の髪をボブスタイルに近い感じで、両サイドに少し遊ばせるようにしており、ヘアアクセサリーで纏めているのが見てとれる。
柚希や梓希と同じくとても可愛く美少女と呼べる女性…。
その女性にペットボトルのお茶を手渡し──
「いらっしゃいませ♪袋はご利用ですか?」
「ああ…そのままで大丈夫です。それとつかぬことをお聞きしたいのですが…」
「……えっ?はっ?ちょっ!?お、男ぉっ!?声が明らかに男性やったけん!?」
ヤベッ!?声かっ!?声でバレた!?
「ちちち、違います!ははっ…よ、よく間違われるだけですよ…?ほ、ホントですよ?」
手で違う違うとジェスチャーしながらその場を離れようと──
「──ちょおっ!よかけん!こっちに来んね!!」
──と、してカウンターをひとっ飛びしたその女性に手を捕まれてしまった…。どうすればいいかと思いながら、店内に視線をキョロキョロと向けてみる。が、他のお客さんの姿は見当たら俺はその女性にそのまま店内の奥へ引きずるようにズルズルと連れて行かれてしまう事に…。
あっ…マズい…?これマズい…よな? 振りほどこうにも女性の力とは思えないほど強い。足を踏ん張ろうにも踏ん張れない…。
「ちょっ、ちょっと、店員さん!?離し──」
「──いいから黙らんね!静かにして大人しく付いてこんねっ!」
──離して欲しいと伝えようとしても言葉を被せられてしまう…。そうこうしているうちにあっという間に俺は店内の奥にある小部屋の中に連れ込まれてしまった。
『ヤバいヤバいヤバい!?やらかした!?女性に男性という事がバレると思ってなかったし、女性の力がこんなに強いとは思っていなかった…』
彼女は俺とその部屋に入るなり…
カチャッ!
──っと、扉に鍵を掛けた…。同時に俺を掴んでいた手がようやく開放されたので彼女と距離を取り、部屋を見渡してみる。
窓は…ない…。
部屋の広さは三畳くらいか?置いてあるのは小さな机と椅子が二つ、それからロッカーが三つといったところ。思うにここは従業員の着替える場所兼休憩室といったところだろうか…。
そんな事を内心思っていると彼女が俺より先に口を開いた。
「…何考えてとーとっ?君…男性よね?」
「…だから、違っ「──声もそうだけど…私には分かるちょよ?君が男性やって事…。本当の事を言うた方がいいけん」」
逃げ場は…ないな…。さっきみたいに力で来られると簡単に押さえつけられてしまうのが分かる。なんでこんなに力が強いんだ…?俺が非力なだけか?
こうなると…認めるしかないな…。
「ええと…言う通り…俺は男です…」
「はぁぁ…やっぱり?絶対そうやと感じたんよねぇ…」
感じた?第六感みたいなものか?
とにかく…円香さん達が女性は男性を見たら襲うみたいな事を言ってたけどホントだったという事だろうか…?
「感じたって何…?」
「それは匂いもそうやし、雰囲気とかからも男性やって感じたけんやね」
匂い…?雰囲気…?俺には分からない感覚か。
「そういえばなんで君に男性警護官はついとらんと?」
「もうすぐ来ると思いますよ?」
一応ハッタリも言ってみる。でも彼女にはどうやら通じないようで…
「それはないけん。男性警護官って普通は傍に居る筈なんよ。男性を守れるように。なのに君の傍には誰も居なかったと。仮によ?店外に警護官が居たとしたら、君から絶対に目を逸らさんけん。私が君の手を掴んだ瞬間には店に入って来て、君を助けとるけん」
と、言葉を返されてしまう…。
「…俺をどうするんです?」
「…見た目が良い男性が一人…この意味分かっとると?邪魔な男性警護官もいないんよ?そんな状況で女性が男性をどうするのかホントに分からんとね?」
彼女はそう言いながら俺の方へとゆっくりと近付いて来る…。その瞬間俺にはまるで犬が尻尾を振って喜んで近付いて来ていかの様に思えてしまった。
俺は彼女を視界に収めながら、彼女の動きに合わせるかのように後方へと下がり、何歩も下がらないうちにトン…と、擬音がつくかのように壁に背がついてしまった…。
「ねぇ…本当に知らんとね…?」
にぃ~と、笑顔を浮かべながら彼女は俺との距離を詰め、壁に手を添える。いわゆる壁ドンの体勢に…。
「ええ…と…」
「その反応…にひっ…知っとるんよね?」
「そ、それは…」
「なんね…?初めてなん…?」
俺は彼女のその言葉と彼女が魅せる色っぽいその表情、そしてなにより互いの息が吹き掛かるというその距離の近さに思わず顔が熱くなってしまう…。
「っ~~~!?だ、大丈夫やけんね…?わ、私も初めてやけん…」
そう言うと彼女は目を瞑り、更に顔を近づけて来て────────────
天使家から俺がいたあの公園への道はなんとなく覚えていたのでまずは公園へと向かったわけだ。公園に着いて束の間、俺は辺りを見渡して見る事に…。
「おっ…ビンゴ!あれって絶対コンビニの看板だよな?コンビニで醤油を買うか?それともスーパーの場所をあそこで聞いてスーパーで買った方がいいか?スーパーの方が安いだろうしな。まあ、とにかく聞いてみて、近くにスーパーがないようならあそこのコンビニで買えば良いか♪」
コンビニに向かう途中に何人かの女性とすれ違ったけど、俺が男性だという事はバレてない。何故なら俺は柚希の服を着ているしな。しかも下はスカートだ…。女装しているようなものだろう。
たぶん…。変質者とか思われていなければオールオッケー。
そんなこんなでコンビニに到着。割と近かったな。コンビニに入り、一先ず店内を物色。物色した感じ醤油は置いてない…。いや、置いてないというよりは売り切れていた。値札がある棚が空なんだよな…。
「あちゃ~。ツイてないな…」
仕方がないのでペットボトルのお茶を冷蔵庫から手に取りレジへと向かう…。そのまま店を出るのもなんか気分的に嫌だしな。
店員は勿論女性。年齢は俺と同じ十五歳くらいに見えるのは彼女が少し幼く見えるからだろうか。髪型は白銀の髪をボブスタイルに近い感じで、両サイドに少し遊ばせるようにしており、ヘアアクセサリーで纏めているのが見てとれる。
柚希や梓希と同じくとても可愛く美少女と呼べる女性…。
その女性にペットボトルのお茶を手渡し──
「いらっしゃいませ♪袋はご利用ですか?」
「ああ…そのままで大丈夫です。それとつかぬことをお聞きしたいのですが…」
「……えっ?はっ?ちょっ!?お、男ぉっ!?声が明らかに男性やったけん!?」
ヤベッ!?声かっ!?声でバレた!?
「ちちち、違います!ははっ…よ、よく間違われるだけですよ…?ほ、ホントですよ?」
手で違う違うとジェスチャーしながらその場を離れようと──
「──ちょおっ!よかけん!こっちに来んね!!」
──と、してカウンターをひとっ飛びしたその女性に手を捕まれてしまった…。どうすればいいかと思いながら、店内に視線をキョロキョロと向けてみる。が、他のお客さんの姿は見当たら俺はその女性にそのまま店内の奥へ引きずるようにズルズルと連れて行かれてしまう事に…。
あっ…マズい…?これマズい…よな? 振りほどこうにも女性の力とは思えないほど強い。足を踏ん張ろうにも踏ん張れない…。
「ちょっ、ちょっと、店員さん!?離し──」
「──いいから黙らんね!静かにして大人しく付いてこんねっ!」
──離して欲しいと伝えようとしても言葉を被せられてしまう…。そうこうしているうちにあっという間に俺は店内の奥にある小部屋の中に連れ込まれてしまった。
『ヤバいヤバいヤバい!?やらかした!?女性に男性という事がバレると思ってなかったし、女性の力がこんなに強いとは思っていなかった…』
彼女は俺とその部屋に入るなり…
カチャッ!
──っと、扉に鍵を掛けた…。同時に俺を掴んでいた手がようやく開放されたので彼女と距離を取り、部屋を見渡してみる。
窓は…ない…。
部屋の広さは三畳くらいか?置いてあるのは小さな机と椅子が二つ、それからロッカーが三つといったところ。思うにここは従業員の着替える場所兼休憩室といったところだろうか…。
そんな事を内心思っていると彼女が俺より先に口を開いた。
「…何考えてとーとっ?君…男性よね?」
「…だから、違っ「──声もそうだけど…私には分かるちょよ?君が男性やって事…。本当の事を言うた方がいいけん」」
逃げ場は…ないな…。さっきみたいに力で来られると簡単に押さえつけられてしまうのが分かる。なんでこんなに力が強いんだ…?俺が非力なだけか?
こうなると…認めるしかないな…。
「ええと…言う通り…俺は男です…」
「はぁぁ…やっぱり?絶対そうやと感じたんよねぇ…」
感じた?第六感みたいなものか?
とにかく…円香さん達が女性は男性を見たら襲うみたいな事を言ってたけどホントだったという事だろうか…?
「感じたって何…?」
「それは匂いもそうやし、雰囲気とかからも男性やって感じたけんやね」
匂い…?雰囲気…?俺には分からない感覚か。
「そういえばなんで君に男性警護官はついとらんと?」
「もうすぐ来ると思いますよ?」
一応ハッタリも言ってみる。でも彼女にはどうやら通じないようで…
「それはないけん。男性警護官って普通は傍に居る筈なんよ。男性を守れるように。なのに君の傍には誰も居なかったと。仮によ?店外に警護官が居たとしたら、君から絶対に目を逸らさんけん。私が君の手を掴んだ瞬間には店に入って来て、君を助けとるけん」
と、言葉を返されてしまう…。
「…俺をどうするんです?」
「…見た目が良い男性が一人…この意味分かっとると?邪魔な男性警護官もいないんよ?そんな状況で女性が男性をどうするのかホントに分からんとね?」
彼女はそう言いながら俺の方へとゆっくりと近付いて来る…。その瞬間俺にはまるで犬が尻尾を振って喜んで近付いて来ていかの様に思えてしまった。
俺は彼女を視界に収めながら、彼女の動きに合わせるかのように後方へと下がり、何歩も下がらないうちにトン…と、擬音がつくかのように壁に背がついてしまった…。
「ねぇ…本当に知らんとね…?」
にぃ~と、笑顔を浮かべながら彼女は俺との距離を詰め、壁に手を添える。いわゆる壁ドンの体勢に…。
「ええ…と…」
「その反応…にひっ…知っとるんよね?」
「そ、それは…」
「なんね…?初めてなん…?」
俺は彼女のその言葉と彼女が魅せる色っぽいその表情、そしてなにより互いの息が吹き掛かるというその距離の近さに思わず顔が熱くなってしまう…。
「っ~~~!?だ、大丈夫やけんね…?わ、私も初めてやけん…」
そう言うと彼女は目を瞑り、更に顔を近づけて来て────────────
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