凌辱系エロゲの世界に転生〜そんな世界に転生したからには俺はヒロイン達を救いたい〜

美鈴

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第一部

目を覚ますと…

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「んっ………私っ…」 

 目を覚ますと温かいモノで心も体も包まれている様な…そんな感覚を感じたんだよね…。 

「あっ…そうだった…。豊ちゃんに傍にいてもらったんだったね…」 

 ゲームセンターから自宅に帰った後の事。無理を承知で傍にいて欲しいと言ったら豊ちゃんは約束してくれた通り一緒にいてくれたんだったね…。怖かったから無理を言って添い寝してもらって…そのまま眠ってしまった私を、安心させるかの様に抱きしめたまま一緒に眠ってくれていた豊ちゃん…。私は豊ちゃんの胸に顔を埋める様な形になっていたので、顔を少しだけ動かして耳を心臓にあてがった…。

 “トクン…トクン…トクン──” 

 豊ちゃんの心臓の鼓動がとても心地良いリズムを奏でていて心から安心できる。 


「…好き……好き…大好きっ…」 

 こんなの惚れ直しちゃうよね…?絶望の淵にいた私を助けてくれたんだから…。私はモゾモゾと体を捩らせながら移動して…豊ちゃんの額に自分の額を重ね合わせる。鼻先が少しだけピトッっと触れ合い、お互いの息が掛かり合う距離…。部屋に入ってくる月明かりのお陰でなんだかロマンチックに感じてしまう…。 

「キス…したいな…して…いいかな?いいよね?なんてね…ふふっ…」 

 こんなに近いんだし…好きな人のまつ毛の数も数えられる位の距離なんだよ?どんどん好きが溢れてきちゃう…。本当はこのまま唇を何度も何度も奪い去りたい…。

 でも…初めてのキスは豊ちゃんからして欲しいとか思っている私がいる…。 

「本当に…大好きだよ?誰にも取られたくない…だから…私…もう少し積極的になるからね…?」 

「んっ…」 

 それは…偶然…それとも必然?豊ちゃんが動いた事によって…少しだけ触れていた鼻先がすれ違い、まるで一つの影になるように影が重なった。

「んんっ~~~!?」 

 同時に唇に柔らかい感触を感じちゃう…。 あれっ…?コレって…豊ちゃんの唇と私の唇が重なってない?重なっているよねっ!? 私…事故とはいえ、キスしちゃってるよっ!?豊ちゃんからしてくれたよね!? 

「はわわわっ!?」 

 突然の事に私はパニックになり、せっかく重なっていた唇を離して飛び起きて思わず正座になってしまう…。豊ちゃんが私のそんな声と動きにビックリしたのか目を覚ましてしまう。

「どうした、凛!?もしかして怖い夢でも見たのか!?大丈夫!俺はここに居るからな?」 

 眠けまなこでも私を心配してくれるそんな優しい彼に…私はキスしちゃったとは言えないので…そんなところと言うしかなかった。

 …ホントにごめんね? 

「凛。何かあったら絶対に言ってくれよ?俺が出来る事なら何だってするからさ」 

「…うん…ありがとう…豊ちゃん…。私はもう大丈夫だよ?だって…豊ちゃんが傍にいてくれるもん」 

「…う、あっ…そうだな…そ、傍にいるよ」 

 アレ?何だか豊ちゃんの様子がおかしい事に気がついた…。

「あっ…いや…ちょっと…目のやり場に…な?」 

「ぽえっ?」 

 私は自分の体に視線を落とす…あっ…上服のボタンが外れて下着と谷間が見えているのに気がついた。私も私で全身熱くなるのを感じた。

 で、でも…それは…今更だよね?キスは突然の事だったから驚いたけど、積極的にいくと決めたんだもん。顔から火が出そうな位…恥ずかしいんだけど…私…頑張るからね? 

「……えっと…こ、これでもCカップあるんだよ、私…」 

「はぁっ!?そ、それは…結構なものをお持ちで…」   

「…こ、これくらいの胸…豊ちゃんはどう?好き?」 

 私は自分の二つの胸を掴み持ち上げながらそう聞いてみる。その瞬間『がふっ』と変な声を出すとともに鼻に手を添える豊ちゃん…。


「…勘弁してくれ…鼻血が止まらん…」

「鼻血っ!?」 


 私は慌てて立ち上がり、電気をつけて部屋に備えてあるティシュの元へ。それを手に取ると急ぎ豊ちゃんの元へと戻る…。 

「豊ちゃん、早く横になって!?」 

「い、いや、鼻血の時は横になるのは──」 

「もう!いいから、早くっ!」 

 強引に豊ちゃんを横へと寝かしつける。その際…良かれと思い私の太ももが枕になるようにしたんだけど… 

「り…凛……膝枕なんて…お、俺を殺す気…なのか…?」

 ──と、いう声とともに豊ちゃんがぐったりとして動かなくなってしまった…。でも…どことなく幸せそうな感じがしないでも…。って、そんな場合じゃないっ!?  


「豊ちゃぁぁぁん!?」



 まさか膝枕で気絶するなんて思わなかった…。ま、まあ…そんな初心なところも大好きなんだけどね…。私は気絶した豊ちゃんの顔を見ていたら…無意識に何度も何度も豊ちゃんの唇に自分の唇を重ねていた…。


「ぃっ…一回しちゃったし…べ、別にいいよね…?ごめんね…?」

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