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第一部
俺は…
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「こ、コイツ!いきなり蹴り放ってきやがったっ!?」
──と、止められたっ!?不意打ちする予定だったのにガードしやがったっ!?
「「幸ーっ!逃げてぇっ!」」
水樹と風花の声。
「何やってんだよ?」
「加勢いるか?」
「いらねぇーよ」
笑いながらそんな事を言ってる男達。
「ちっ!」
ならばとばかりにもう一撃──
「ちょっと…おとなしくしてろよっ!」
「うぐっ!?」
──蹴りを放とうとしてお腹にズドン!という衝撃…。
いてぇ…いてぇよ…。俺はその場にうずくまる…。
「「こぉぉぉぉーっ!!」」
慟哭にも似たような俺の名を呼ぶ二人の声が住宅地に響く…。ここは住宅地だぞ…?なんでこんなに静かなんだよ!?あんなに大きな声なんだぞっ!普通は誰かしらに二人の声が届くだろがっ!
誰か来るだろっ!?
「くくっ…おいおい…おとなしくさせるのはいいけど流石にお腹はやめてやれよ」
「そうそう」
「結構動きが良かったもんでついな?」
「ははは、確かに」
「まあ、もう一発いっとくか。またいらん事されても面倒だし。今度は顔でいいか」
「お、おい、顔は…」
「屈服させるみたいでいいだろ?」
「ありゃっ…アイツヤバいスイッチ入ったんじゃねぇか?」
「兄貴いいんですかい?」
「まあ、構わんだろ」
やべぇな…。殴られるって思った以上に痛すぎる…。一発喰らっただけでマジで立ち上がれねぇし…。マジ泣きそうというより涙出てんな、これ…。
「お、お願いです…も、もうやめてあげて下さい」
「…あ、あなた達に…つ、ついていきますから…」
水樹に風花は何言ってるんだ…?こんな奴等について行ったらどうなるか分かって言ってんのかよっ!?
「最初からそう言えよ。じゃあ三人まとめて連れて行くぞ!お前等」
「へい、了解です」
「分かりませした、兄貴!」
「そ、そんな…」
「せめて幸はっ」
俺を殴った男が俺の腕を掴み…
「早く立てや!また殴っ──へぶっ!?」
ドサッと男が倒れこんだのが分かった。
「なっ!?」
「お、おいっ!?」
「てめぇーっ!」
何があったのか確認しようと涙で滲む顔をあげると…
「がっ!?」
「ぐっ…」
「げぇ…」
「がはっ…」
同じ制服を着た男子が次々に男達を地面に沈めていく。
くっ…カッコいいじゃねぇか!?多人数VS一人でも圧倒的な強さ…つい漫画やアニメの主人公かよ!?って心の中でツッコんじまった…。
「幸っ!平気っ!?」
「幸!大丈夫…!」
「あ、ああ…」
しかも、しかもだ。男達を男達が身に付けていた服やベルトを使って縛り上げて動けなくした後…
「大丈夫?」
俺の元に駆け寄ってきて優しそうな声でそう問いかけてきたんだ。そうなるとどうなるか…。
正解はキュンとなってしまった…。
「──って、キュンやない!?惚れてまうやろが!?って、俺は男だぞ!?ないないない!ふざけんなっ!いっつぅ~…」
思いっきし叫んでしまったので殴られた所が痛い…。男子の顔が引き攣ってるように見えるのは気の所為か…?気の所為と思いたい…が、大丈夫と声を掛けた相手にいきなりそんな風に叫ばれたらそうなるか…。絶対におかしいと思われてんな…俺…。
「幸は何言ってんの?」
「幸…もしかして頭も殴られた…?」
「…頭は殴られてない」
「じゃあなんで…また自分の事男とか言ってんのよ…。まさかまた厨二病が発症したの…?」
「だからウチはゲームほどほどにした方がいいって…」
「お前等好き勝手言い過ぎ!」
厨二病とかじゃないから!俺は元は男だったんだよ!今は女だけども…。
「えっ…と…。とりあえず三人とも大丈夫…?あの男達は気にしないで大丈夫だから。もうすぐ警察の人達が来るからさあ」
男子が気を取り直したようでそう問いかけてきた。
「あっ…す、すいません!助けてもらったのに私達お礼も言わずに…」
「本当にすいません!」
「「──助けてもらってありがとうございました!」」
「どういたしまして。二人は大丈夫みたいだね?」
「ほらっ!幸も」
分かってんよ。だから風花はぎゃあぎゃあ言うな…。
「腹いてぇからこのまま言わせてもらうな?助けてくれてありがとよ」
「そんな言い方あるかぁーっ!」
「いてっ!?風花てめぇー」
風花の奴、ボコっと俺の頭を殴りやがった。俺…一応お前等を助けようとした怪我人なんだけどな…?
「でも…幸。ありがとうね。助けようとしてくれて…」
殴った後、そう言って俺に抱きつきながらガラじゃない事を言う風花…。
「…ふん」
照れ隠しにそんな態度しか取れないのは勘弁してくれよ?なにしろ元はガサツな男だったんだからな…。
そう。俺は転生者だ。なんやかんやあって死んだ後、俺はこのゲームの世界に転生したんだ。すぐに分かった。やった事あるゲームだったしな…。
幼馴染の水樹と風花には俺は以前俺が男だった事は伝えた事があるんだよな。でも二人とも本の見すぎだとかゲームのし過ぎだとか厨二病だとか言って、取り合ってくれなかったんだけども…。
そんな事を思い返していると、ふいに…
「ちょっと失礼するね?」
「…へっ?」
「よっと!」
「ちょっ!?おまっ!?」
「病院に連れて行くから」
「は、はあっ!?」
まさか自分がお姫様抱っこを経験するとは思っていなかった…。
──と、止められたっ!?不意打ちする予定だったのにガードしやがったっ!?
「「幸ーっ!逃げてぇっ!」」
水樹と風花の声。
「何やってんだよ?」
「加勢いるか?」
「いらねぇーよ」
笑いながらそんな事を言ってる男達。
「ちっ!」
ならばとばかりにもう一撃──
「ちょっと…おとなしくしてろよっ!」
「うぐっ!?」
──蹴りを放とうとしてお腹にズドン!という衝撃…。
いてぇ…いてぇよ…。俺はその場にうずくまる…。
「「こぉぉぉぉーっ!!」」
慟哭にも似たような俺の名を呼ぶ二人の声が住宅地に響く…。ここは住宅地だぞ…?なんでこんなに静かなんだよ!?あんなに大きな声なんだぞっ!普通は誰かしらに二人の声が届くだろがっ!
誰か来るだろっ!?
「くくっ…おいおい…おとなしくさせるのはいいけど流石にお腹はやめてやれよ」
「そうそう」
「結構動きが良かったもんでついな?」
「ははは、確かに」
「まあ、もう一発いっとくか。またいらん事されても面倒だし。今度は顔でいいか」
「お、おい、顔は…」
「屈服させるみたいでいいだろ?」
「ありゃっ…アイツヤバいスイッチ入ったんじゃねぇか?」
「兄貴いいんですかい?」
「まあ、構わんだろ」
やべぇな…。殴られるって思った以上に痛すぎる…。一発喰らっただけでマジで立ち上がれねぇし…。マジ泣きそうというより涙出てんな、これ…。
「お、お願いです…も、もうやめてあげて下さい」
「…あ、あなた達に…つ、ついていきますから…」
水樹に風花は何言ってるんだ…?こんな奴等について行ったらどうなるか分かって言ってんのかよっ!?
「最初からそう言えよ。じゃあ三人まとめて連れて行くぞ!お前等」
「へい、了解です」
「分かりませした、兄貴!」
「そ、そんな…」
「せめて幸はっ」
俺を殴った男が俺の腕を掴み…
「早く立てや!また殴っ──へぶっ!?」
ドサッと男が倒れこんだのが分かった。
「なっ!?」
「お、おいっ!?」
「てめぇーっ!」
何があったのか確認しようと涙で滲む顔をあげると…
「がっ!?」
「ぐっ…」
「げぇ…」
「がはっ…」
同じ制服を着た男子が次々に男達を地面に沈めていく。
くっ…カッコいいじゃねぇか!?多人数VS一人でも圧倒的な強さ…つい漫画やアニメの主人公かよ!?って心の中でツッコんじまった…。
「幸っ!平気っ!?」
「幸!大丈夫…!」
「あ、ああ…」
しかも、しかもだ。男達を男達が身に付けていた服やベルトを使って縛り上げて動けなくした後…
「大丈夫?」
俺の元に駆け寄ってきて優しそうな声でそう問いかけてきたんだ。そうなるとどうなるか…。
正解はキュンとなってしまった…。
「──って、キュンやない!?惚れてまうやろが!?って、俺は男だぞ!?ないないない!ふざけんなっ!いっつぅ~…」
思いっきし叫んでしまったので殴られた所が痛い…。男子の顔が引き攣ってるように見えるのは気の所為か…?気の所為と思いたい…が、大丈夫と声を掛けた相手にいきなりそんな風に叫ばれたらそうなるか…。絶対におかしいと思われてんな…俺…。
「幸は何言ってんの?」
「幸…もしかして頭も殴られた…?」
「…頭は殴られてない」
「じゃあなんで…また自分の事男とか言ってんのよ…。まさかまた厨二病が発症したの…?」
「だからウチはゲームほどほどにした方がいいって…」
「お前等好き勝手言い過ぎ!」
厨二病とかじゃないから!俺は元は男だったんだよ!今は女だけども…。
「えっ…と…。とりあえず三人とも大丈夫…?あの男達は気にしないで大丈夫だから。もうすぐ警察の人達が来るからさあ」
男子が気を取り直したようでそう問いかけてきた。
「あっ…す、すいません!助けてもらったのに私達お礼も言わずに…」
「本当にすいません!」
「「──助けてもらってありがとうございました!」」
「どういたしまして。二人は大丈夫みたいだね?」
「ほらっ!幸も」
分かってんよ。だから風花はぎゃあぎゃあ言うな…。
「腹いてぇからこのまま言わせてもらうな?助けてくれてありがとよ」
「そんな言い方あるかぁーっ!」
「いてっ!?風花てめぇー」
風花の奴、ボコっと俺の頭を殴りやがった。俺…一応お前等を助けようとした怪我人なんだけどな…?
「でも…幸。ありがとうね。助けようとしてくれて…」
殴った後、そう言って俺に抱きつきながらガラじゃない事を言う風花…。
「…ふん」
照れ隠しにそんな態度しか取れないのは勘弁してくれよ?なにしろ元はガサツな男だったんだからな…。
そう。俺は転生者だ。なんやかんやあって死んだ後、俺はこのゲームの世界に転生したんだ。すぐに分かった。やった事あるゲームだったしな…。
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そんな事を思い返していると、ふいに…
「ちょっと失礼するね?」
「…へっ?」
「よっと!」
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