転生?したら男女逆転世界

美鈴

文字の大きさ
25 / 128
第一部

家族会議

しおりを挟む
豊和君がお風呂に向かったと同時にお母さんが口を開いた。

「…さて。あなた達。言わなくても分かってると思うけど…」

「大丈夫だよ言わなくても。分かってるからお母さん。私達にも彼の頬にキスしろって言うんでしょ?」
「…それは違うと思うよお姉ちゃん?」
「梓希の言う通り違うわよ!柚希はそのピンク妄想から一度離れて出直しなさい!」
「あうあう…」

「残念だよお姉ちゃん…」
「そりゃあ愛歌ちゃんが頬にキスした事は羨ましいと思うのは当然だけど私達はその戦場にすら立っていない状態なのよ?」

「お母さんの言う通り私達にはお兄ちゃんに対する耐性が備わってないんだよ?まずはそこをどうにかしないとそういうのも夢の又夢のお話なんだよ?」

「流石ね…梓希。お母さんが言いたい事を十全以上に理解している様でお母さん嬉しいわ!よくここまで…大きく成長してくれたわね…」
「お母さん…」

「2人共私を置いてけぼりにしないでくれるかな?」

「はぁ~、しょうがないなぁ、お姉ちゃんは…ほら、梓希様お教え下さいと言って見て?」
「…その勝ち誇った顔…苦痛に染めてあげようか?」
「すいません調子にのりすぎました!」

「ほらほら2人共!そんなじゃれあってたら豊和君がお風呂上がって来るわよ?」

「そうだねお母さん。お姉ちゃん…。時間が無いから簡潔に言うね?私達はまず耐性を付けないといけない事は分かるよね?」
「それは確かに…。良い雰囲気で鼻血出してたらムードもへったくれも無いのは分かるよ…」
「だから毎日軽いスキンシップから始めていくんだよ。幸いにも私達3人はお兄ちゃんと一緒に暮らしてるんだから時間が皆よりあるのよ?これは大きなアドバンテージって訳」
「スキンシップ?」
「うん。まずは手を握ったり軽めのボディタッチから始めていくの」

「ボディタッチ!?」
「手を握ったり、抱き付いたりとか…」
「あわわわわわ…手を握ったり抱き付いたりするの!?」
「当たり前でしょっ!それが普通に出来ないとキスもその先も一生出来ないよ?」

「キキ、キシュッ!?その先って!?」

「お姉ちゃんはそれと勉強…だね?」
「…すぅぅぅ…勉強…ねぇ…」
「同じ高校に行きたくないの?お兄ちゃんは頭もかなり上。余裕で女王高校に合格する筈だよ?」
「…ああ、それね…うん。そうだよね…」
「そんな絶望した顔しないでお姉ちゃん?」
「…何で?絶望しかないよね?」

「馬鹿だなぁ、お姉ちゃんは…」
「何ですってぇ!」
「考えてみなよお姉ちゃん」
「何を?」
「お兄ちゃんに勉強を教えて貰えば良いでしょ?」

「…えっ?」

「お兄ちゃんに勉強を教えて貰うという事は…『ここってどう解くの?』『ああ、ここはこうしてあ~して…』『なるほど…じゃあ、ここは?』『あ~ここは』…あっ…横を見るとお兄ちゃんとの距離が近くてっていう神展開が期待出来るのが分からない?」

「…そ、そんな漫画の様な…夢の展開が…」

「梓希…最早私を越えたわね…お母さん、もう梓希に教える事はないわ」

「ありがとうお母さん…」

「見える…見えるよ梓希!私にも見えるよ!キャキャウフフのその景色が…」

「その意気だよ!元々お姉ちゃんは頭悪く無いんだからやれば出来る筈だよ?」

「…ん?豊和君がお風呂上がったみたいね…。私達は今日から軽めのボディタッチで耐性をつける!いいわね?」

「「うん!!」」





─「あっ…お風呂上がりました」

「「「はーい」」」

「じゃあ、私入ってくるね♪」
「お母さんはお布団敷いたり寝る準備をしてくるわね!」
「うん、私は豊和君にお説教しておくね?」
「「了解」」

「…えっ?」

円香さんも梓希ちゃんもリビングを出ていく。

「ちょっ…待って2人共…」
「早くここに来て正座してね♡」

「…あ……はい」

 言われた通りに正座する。顔は天使の様な笑顔なのに何か怖い…。

「…さて、分かってるよね?」
「はい。反省しております…」
「護衛する人もいないのに出歩いたら駄目でしょ!」
「はい」
「梓希にも負けた事忘れたら駄目なんだからね?」

「くっ……はい」
「女性に色目使ったら駄目だよ?」
「ん…それは使ってな…「言われた事にはしっかりと肯定。それ以外駄目だよ?」…はい」
「女性に隙を見せたら駄目!」
「はい」
「…本当に心配したんだよ?」

「ごめん…」

「よろしい…。じゃあ許してあげる…」

「うん」

「後…今日は遅くなったからアレだけど、明日から私に勉強教えてくれないかな?」

「うん…良いよ。僕で良かったら…」

「ありがとう豊和君…」

こうして柚希ちゃんに勉強を教える事になったんだけど、この日から何故か皆の距離が近い…そんな風に感じる様になる事が多くなる。気のせいかな…?気のせいだよね…。


しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

処理中です...