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高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
025 新入生歓迎会 7
しおりを挟む**天野すばる視点**
ゲーム開始と共に俺は校庭に向かった。
PK 連続3回
スリーポイントシュート 連続5回
跳び箱10段 1回
縄跳び二重跳び 連続30回
懸垂 連続10回(1分以内)
腕相撲 3連勝
立ち幅跳び 2m75cm以上
50m走 7秒以内
射的で風船割 連続5回
金魚の浮き形すくい 5個以上(ポイ2つ)
難なく全ての競技を一発クリアして5種類のスタンプカード三セットゲット。
ノルマは達成したので適当にスタンプカードを集めながら健太を捜す。
どんな格好してんのかな?
超~楽しみ!
昇降口に入ってすぐの広めのロビーにも探偵と怪盗がいた。
そして、怪人が三人・・・
紫色のレオタードを着た人と紺色のレオタードを着た人、そして赤いレオタードを着た人。
漫画とアニメで有名な猫目三姉妹の怪盗団のコスプレだ。
赤いレオタードの人の立ち姿というか、後ろ姿が何となく誰かに似てる。
「冬馬?」
赤いレオタードを着た人の背中に向かって思いついた名前を呼んだ。
「・・・人違いです・・・」
「その声、やっぱ冬馬じゃん! ピチピチレオタードの女装、ぷぷっ」
「ぐぬぬぬ!」
冬馬が何とも言えない微妙な顔で俺を睨んだ。
猫目三姉妹、冬馬の他は保健体育のマッチョ系の先生達なんだけど、結構ノリノリでレオタード越しに筋肉美を主張している。
「和泉、行くぞ」
「ハ~イ♡」
マッチョ先生に呼ばれて冬馬がデレながら先生の後を追って行った。
どうやら猫目三姉妹は巡回監視員らしい。
「確保ー!」
ブラブラ歩いてたら、後方で誰かが捕まったっぽい。
物陰に隠れて確認すると、上の学年のサッカー部の人が颯っちに捕まってスタンプカードを没収されていた。
「颯っち、捜査員かよ~」
颯っちに限らず、他の捜査員に捕まらないように気を付けないとな~
「中で撮るの?」
ミニシアターのロビーに通りかかった時、健太の声が聞こえた。
ロビーには撮影用の背景スクリーンが置かれていて、探偵と怪盗チームがスタンプカードを集めに来ていた逃走者と捜査員に番号と何かの文章が印刷されたプリントを渡していた。
「君、参加するならこの文、全部暗記してステージで暗唱。止まったり一字でも間違えたら即終了。OK?」
「了解!」
「じゃあ、並んで。」
少年探偵団のコスプレをした人の指示で舞台袖に待機しつつ「平家物語」と書かれた文を読み込む。
ぎおんしょうじゃ、とか、しょぎょうむじょー、とか、舌噛みそう。
前の人は「じゅげむじゅげむ」って呟いてるし、呪文か?
プリントとにらめっこで集中したいのに、、、
「ぱいぽぱいぽぱいぽ・・・シューリンガンシューリンガン・・・」
前の奴!
呪文の練習、止めてくれ!!
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