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高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
閑話 新人親衛隊員の憂鬱
しおりを挟む*新人親衛隊員・長尾一朗視点*
僕の名前は長尾一朗。
美ショタなΩな僕は異性愛者なんだけど、腐男子でーす。
自分が小さくて可愛い系だから、背の高いモデル体型で細マッチョの格好いい系に憧れているんだよね。
将来は某歌劇団の男役のような、格好いいαのお姉さんのお婿さんになるのが夢さ。
そんな僕一推しのスーパー攻様は生徒会長の鬼柳院陽翔様。
金髪でピジョンブラットのような深い紅い瞳の見た目最高の王子様。
喋ると俺様で、ちょっとキャラが難有りだけど、黙っていれば超眼福な完璧王子様。
そして受での一推しは僕と同じΩの同級生、神月颯君。
Ωとしては高めの身長でスレンダー、僕の理想と憧れを詰め込んだ孤高の麗人。
中等部の頃から二人が並んだ姿を見るのが好きだった。
神月君に触れて口説いている時の鬼柳院様の蕩けるような御尊顔と甘い声。
そんな鬼柳院様を冷たくあしらうクールな神月君。
もう、サイコー!
それなのに!
狗遠寺京夜と黒峯健太がいっつも邪魔してさ、お呼びじゃねぇっつーの!
鬼柳院様×神月君(強火担)
固定だから!
それ以外僕は認めない!
*****
高等部に入って一年ぶりに鬼柳院様と神月君の触れ合いが始まった。
鬼柳院様の親衛隊員は上層部はセフレから恋人、あわよくば番になりたいΩが多いんだけど、下っ端の三分の一は神月君とのCP推し。
本当は神月君の親衛隊に入りたかったけど、神月君のとこは入隊条件が超厳しくて断念した子も多数。
四月の半ばも過ぎた頃、アフロ頭にグルグル眼鏡の巫山戯た奴と鬼柳院様のキス画像が生徒会のアカウントから全校生徒に一斉送信された。
時限式で、その日のうちに自動で消去されたけど、鬼柳院様の親衛隊は阿鼻叫喚の地獄絵図のように騒然となった。
特に鬼柳院様のお手付き達は躍起になってアフロを捜した。
でも、目撃情報はキス画像が送られた日だけだった。
決定的な情報が得られず、思いきって鬼柳院様に尋ねたセフレ達は鬼柳院様の不興を買った。
これ以上不興を買いたくない上層部は下っ端の僕達に神月君に証言を貰うよう強制。
「無理無理無理無理無理・・・」
「ガード固いし、神月君、足速くて追いつけない。」
「神月様のお昼ご飯とお昼寝邪魔したらマッチョ軍団に殺される・・・」
鬼柳院様×神月君派の仲間たちは口々にそう呟く。
みんな神月君とお近づきになってお話ししてみたい気持ちは物凄くあるんだ。
でも、親衛隊が怖い。
熊とゴリラにしか見えない筋肉自慢の大男たち。
学園でも指折りの強さを誇るαとβの最強軍団、それが神月君の親衛隊なのだ。
「ねぇ、新入生歓迎会の時に頑張って話しかけてみない?」
と言ったのは二年生の先輩。
「「「新入生歓迎会?」」」
「クラス毎にチーム分けあるし、運が良ければバディになれるんじゃない?」
「1年B組の人いる?」
シーン・・・
「じゃあ、チャンスを見て頑張ってみよう?」
「ゲーム中なら、親衛隊の人達、四六時中見守って無いだろうし。」
「そだね、頑張ろう!」
「「「「おー!」」」」
そうして、そのチャンスを活かしたのは僕だった。
ただ、近くで上層部の人が見張りしつつ聞き耳を立てていたので、突っかかるような事しか言えなくて辛かった。
あと、αの威嚇フェロモン二人分がえげつなくて、涙と鼻水が半端なく出るし、意地の悪い事も言ってしまった。
でも、衝撃の事実発覚!
「オレは、親衛隊の子達の顔が好き!」
推しに「箱推し」されてた?!
聞き耳立ててた上層部の人も真っ赤になって目を丸くしてたよw
なんだかんだで、まあ、その、抜け駆けしたみたいな形で神月君に名前と顔、覚えて貰っちゃった♪
神月君の警戒心が薄れたら威嚇フェロモンも治まって、一緒に学食でフルーツ当てもしちゃったんだ。
そうそう、親衛隊の神月君派の仲間たちは穏健派なので、抜け駆けしちゃった僕を責める事は無かったよ?
まあ、僕を窓口に、みんなでお茶会をする計画を立てられているんだけどね。
マッチョ親衛隊の許可取らなきゃ、無理そうだけど・・・
許可取り、、、
もしかしなくても、
僕がお願いしに行く事になるのかな?
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