【R18】一匹狼は愛とか恋とか面倒くさい

藍生らぱん

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高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会

032 新入生歓迎会 14

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**颯視点**

『終了十五分前、終了十五分前』
スピーカーから流れているのは副会長の声だな。

フルーツ当てを終えて長尾君と分かれたオレは学食一階のカフェコーナーへ向かった。
「森さーん」
「名探偵」の腕章をつけて、コーヒー豆の焙煎の準備をしている森さんに声をかける。
「神月様」
ニコリと優しい笑顔の森さんにオレはスタンプカードを差し出した。
「依頼、お願いします!」
「承りました。」
「ん、もしかして・・・」
「当たりでございます。」
「おお~、じゃあ二回分!」
オレは持っていたスタンプカードを全て森さんに渡した。
そして一緒に第一講堂へ向かった。


**健太視点**

『終了十分前、終了十分前』
スピーカーから真琴の声が流れて来た。
シクシク泣く理事長をあしらいつつ何とか着替え終わっていた俺は、脱いだ衣装をロッカーにしまって鍵をかけた。
理事長はティッシュで涙を拭いて鼻をかんでいた。
どうやら放送のお陰で自分の役割を思い出したようだ。

一人で楽屋から出ると、ミニシアターのロビーにいる城山にロッカーの鍵を渡した。
「クリーニング、ヨロシク」
「お前、人使い荒すぎっ、え!」

不意に後から理事長に抱きしめられた俺を城山がビックリした顔で見つめている。

「し~ろ~や~ま~、私の黒峯君とどういう関係なのかな?」
「は? え?」
「うちの姉貴夫婦の同級生で、俺の専属カメラマン。」
他のギャラリーに聞こえないように小声で理事長に伝える。
「後で詳しく説明するから、仕事に集中しろよ。」

『終了五分前、なお、名探偵は捜査本部に加わった模様。』

「やべー!」
「やった!」
悲喜交々の叫びが上がる。
「依頼、お願いします!」
逃走者チームの生徒──牧島君からスタンプカードが差し出される。
「理事長先生!」
「了解した」
依頼数回分のスタンプカードを受け取った理事長はスマートウォッチのアプリを起動して何かしらの操作をすると俺の手を掴み、牧島君に「着いてこい」とだけ言って歩き出した。


**颯視点**

残り十分になった頃に第一講堂の捜査本部に着くと、森さんは本部席の真ん中に座って待機となった。
「神月、よく見つけたな~」
捜査本部の先輩達に褒められ、缶コーヒーとアンパンをたくさん貰ったので、収容所(カフェコーナー)で残り時間を潰すことにした。

「颯っち!」
「すばる!」
金髪五分刈りのすばるが陸上部の特待生と同じテーブル席に座っていた。
オレはそこの空いてる椅子に座って缶コーヒーとアンパンを二人にお裾分けした。
「さんきゅー、颯っち、休憩か?」
「うん、名探偵森さんを見つけたから非番になった。」
「名探偵森さん?」
「いつもお世話になってる学食の森さんにカード貢いだら、当たりだった。」
「へえ、健太はどっちだったんだろ? 依頼仕損なったんだよな~」
「ケン兄はハズレだよ。城山先生もハズレだって。」
「ちょっ!」
オレとすばるの会話をぼーっと聞いていた陸上部の特待生が突然声をだした。
「神月、ケン兄って、すばるがケンタって言ってる人のこと?」
他にケンタって名前の人いたっけ?
「オレ、ケンタはケン兄しか知らないよ。」
「すばる、神月のケン兄さんが、ケンタ?」
「そうそう」


**早田視点**

なんてこった!
妖精で女神の正体が黒峯先輩だったなんて!!

バリバリの最高位のαじゃん
せめてΩだったら・・・

Ω・・・

神月って黒峯先輩の従兄弟だからか、顔も結構似てるし、この前女装した時のメイクした顔も妖精に似てたな・・・

「神月、あの・・・」
「ん?」
「これありがとう、いただきます」
俺はそう言ってアンパンを袋から出してかじりついた。
「オレも食べよっと」
神月は袋からアンパンを取り出して半分にわけると片方を袋の中にしまった。
そして片方にかじりついた。

こうやって見ると、ホント綺麗だよなぁ・・・
Ωにしては背が高くて、可愛いとか儚げとは真逆の健康的な美しさ。

何で
何で番持ちなんだよー、、、

俺の運命の番ぃ~
何処にいんだよぉ~
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