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高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
038 同担拒否の駄犬たち
しおりを挟む**すばる視点**
新入生歓迎会の閉会式でヨシヒコが総合MVPに輝いた!
流石、S組委員長!
すげーよ!
ってS組のみんなで盛り上がってたら「生徒会役員補佐」に指名された。
役員補佐になれば堂々と生徒会室に入り浸れるな!
ありがとう、ヨシヒコ!
俺、健太の手伝い頑張る!!
*すばるの妄想*
「健太、コーヒー入れたから休憩しなよ。」
「ありがとう、すばる。気が利く彼氏が補佐についてくれて嬉しいよ。」
健太はそう言って俺の唇にちゅっ、と軽く触れるだけのキスをした。
**すばる視点**
「すばる、鼻の下伸びててだらしない顔してるぞ。」
翔の声に意識が現実に戻った。
「後夜祭はどーすんだ?」
「モチロン健太と行く。」
「ふーん」
「そう言う翔は誰と行くんだ?」
「牧島と留学生たちの引率~」
「ふーん、翔っていつも何気にヨシヒコの手伝いしてるな?」
「大会で公休の時のノートとか、テスト前の勉強も見て貰ってるからなぁ、恩返し的な?」
ヨシヒコの話しをしている時の翔は良い顔してる。
「後夜祭始まるまで1時間以上あるな。俺、部屋帰ってストレッチするわ。」
「そっか、俺は健太捜すから。またな!」
講堂から出て翔と分かれると、俺は壁際に寄りかかって健太に電話をかけた。
何コール目かで電話が繋がった。
『・・・もしもし?』
「健太、俺!」
『ばかっ、やめ』
プツっ、ツーツーツー
電話が切れた・・・
もう一度電話をかけたら、すぐに繋がった。
「健太?」
『おかけになった電話番号は『返せっ』取込中、だ。』
プツっ、ツーツーツー
健太、誰かに絡まれてる?
「だから、返せって!」
不意に健太の声が聞こえた。
声のした方へ向かうと、人がいなくなって薄暗くなった講堂の角でスマホを持った健太が誰かに壁ドンされていた。
「健太!」
「すばる?」
健太の方に駆け寄って、健太に壁ドンしてた奴を引き剥がして対峙した。
「叔父さん?!」
叔父さんが健太に何で?
「叔父さん、健太にパワハラ?」
「違っ」
「セクハラ込みのパワハラ?」
否定する叔父さんの言葉に被せるように健太がポツリと言った。
「叔父さん、健太が俺の大切な人だって知ってるじゃないか、なのに何で?」
「一目惚れだったんだ」
「は?」
「去年、入学式で初めて黒峯君を見て、一目惚れしたんだ。すばるの好きな子だし、年も離れているから諦めようと思った。でも、諦め切れなくて・・・」
「はあ? とっとと諦めろよ、オッサン!」
「すばる?!」
「健太は俺の!」
叔父さんの告白にぶち切れた俺は叔父さんの胸ぐらを掴んだ。
叔父さんは一瞬ビックリした顔で俺を見たが、ニヤリと口元を歪めて俺の手を振り解いた。
「すばる、君はたった一人の私の大切な甥でした。でも、黒峯君は誰にも渡さない。今日、今から、君は敵です。」
「叔父さんには色々と感謝してる。でもそれと健太の事は別だから。健太は俺だけのだから! な、健太?」
健太の方を振り向くと、そこにはただの壁・・・
「「・・・」」
叔父さんと言い争いしている隙に逃げた?
俺はスマホを出して電話をかけた。
『お客様がおかけになった番号は電波の届かない・・・』
「・・・逃がさない・・・」
俺は健太のフェロモンの香りを追って駆けだした。
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