50 / 99
高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
041 後夜祭 3
しおりを挟む**長尾視点**
「ハア、鬼柳院様ってばジャージ姿も格好いい~」
イートインスペースで親衛隊で仲の良い子たちとオペラグラス片手に飲み食いしつつ、推しの鬼柳院様がいる方を見守っていた。
鬼柳院様、フードトラックでチュロスを受け取っている。
すると神月君を見守っていた子たちが騒ぎ出した。
「うわー、余計なαが増えとる」
「ってか、理事長じゃね?」
「若い方、理事長にクリソツだね。息子?弟?」
気になって神月君のいる席の方に視線を変えた。
神月君はいつものように両脇を生徒会書記の黒峯と風紀委員長の狗遠寺で固めている。
そしてその向かい側には金髪碧眼のイケメンが二人。
一人は理事長、もう一人は理事長にソックリな少年。
「天野すばる?」
「長尾、知ってるの?」
「去年見に行った国際ピアノコンクールの覇者! うちの学園にいたなんて!」
「じゃ、やっぱり理事長の身内じゃん。」
みんなで様子を伺っていると、理事長と天野すばるが神月君に給餌?!
給餌を受け入れた神月君がふにゃりと笑った!
「神月様、尊いぃ~」
「相手が会長様だったら最高なのに!」
「「「それな~」」」
**鬼柳院視点**
「鬼柳院様、お待たせしました。」
前もって注文していた特別なチュロスをフードトラックの給仕から受け取った。
このフードトラックはうちのホテルのイベント用で、颯が大好きな佐藤甘慈のスイーツを販売している。
今回は食べやすさ重視でチュロスを提供している。
俺が受け取ったのは提供外の抹茶味とキャラメル味を加えた4種類だ。
それを持って颯達のテーブルへ行くと健太と京夜が露骨に嫌そうな顔を俺に向けた。
「陽翔、何か用?」
すばると理事長までいるが、こいつらは無視だ。
「颯、」
「バ会長・・・」
颯の視線が俺、いやチュロスに釘付けだ。
「佐藤甘慈が特別に作ったチュロス、欲しいか?」
ゴクリと颯の喉が鳴った。
「旨っ」
すばるのデカイ声に思わずそちらを見ると、すばるがいつの間にか抹茶味を手にバクバクと食っていた。
「ちょっと苦くて大人の味だけど、旨い!」
「すばるっ、貴様!」
「流石に旨いな。」
いつの間にか理事長まで残りのチュロスに食い付いていた。
「鬼柳院、学食のカフェに卸してくれ。」
「はあ?」
「早速契約だ!」
理事長に腕を掴まれ、引きずられるように颯から遠ざかる。
「理事長せんせーい、またね!」
颯が俺達の方に向かって手を降った。
満面の笑顔で、
くそっ可愛いな!!
2
あなたにおすすめの小説
どうしてそうなるんだよ!!!
藤沢茉莉
BL
俺様な会長、腹黒な副会長、無口な書記、双子の庶務……不本意ながら生徒会役員に選ばれてしまった見た目不良なお人好し主人公が、バラバラな生徒会をなんとかまとめようと奮闘する話。
多忙のため少々お休み中。
誤字脱字ほか、気になる箇所があれば随時修正していきます。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる