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高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
042 後夜祭 4
しおりを挟む**颯視点**
慌ただしく理事長先生がバ会長を引きずって校舎の方へ戻って行った。
そんな理事長先生の後ろ姿を京夜とケン兄が満足そうに見つめていた。
あ
チュロス・・・
でも、あの様子だと連休明けに購買とかカフェでゲットできそうだな。
「ケン兄、明日実家帰ったらチュロスとか一緒に作ろ~」
今は他の食べ物がいっぱいあるから、揚げたてを明日食べたい。
だからゴールデンウイークの初日は手作りお菓子のアフタヌーンティーで決まりだ。
「了解。じゃあ京夜はサンドイッチ担当な?」
「おう」
「健太、俺は?」
キラキラと瞳を輝かせたすばるがケン兄を見つめながら言った。
「・・・すばる、明日からゴールデンウイークで学園は五連休だ。」
「うん。」
「俺と颯は京夜と一緒に実家に帰省するから、連休明けに、またな?」
「えっ・・・五日も健太と離れ離れ? 俺、健太の家にお泊まりしちゃダメ?」
すばるがウルウルと涙目でケン兄を見つめる。
「健太ぁ~」
「「黒峯様のお家にお泊まり、いいな~」」
いつの間にか、すばるの背景に双子が増えた。
「家族で過ごすから駄目だ。」
「それなら、俺と健太、もう家族みたいなもんじゃん。」
すばるが聞き捨てならない事を言ってケン兄にベッタリとくっついた。
「「「は?」」」
双子と俺の声がハモる。
「ケン兄とゼリー半分個しただけで家族?」
「颯っち、俺と健太は・・・ムフッ、もう他人じゃないんだ!」
「「どゆこと!」」
双子がすばるに詰め寄った。
「ケン兄・・・?」
ケン兄はため息をひとつつくと
「一回寝ただけで亭主ヅラはヤメロ。」
と静かに言って、すばるの頭に拳骨を落とした。
「俺はしつこいヤツとか面倒臭いヤツは嫌いだ。」
ケン兄の低い声にビクリとしたすばるは、ぱっとケン兄から離れて、ケン兄の前にショボンとした顔で正座した。
「「一回寝た? 亭主ヅラってどういうこと?」」
双子がすばるに詰め寄った。
オレも思わずケン兄とすばるを交互に見つめた。
「「もしかして、すばるの処女を黒峯様が食べちゃった?」」
「惜しい! 正解は俺の童貞を健太が食った♡」
「「うそ・・・」」
双子が顔面蒼白になって、ガックリとその場に崩れ落ちた。
「「スーパー攻の黒峯様が右? ネコ? 誰か嘘だと言ってぇぇ~」」
双子、何言ってるの?
ケン兄は猫より犬派だぞ?
ケン兄は毎年、柴犬とシベリアンハスキーのカレンダーを何種類か買って部屋に飾っているんだから!
「何事?」
綿あめの袋を両手に一つずつ持って通りかかった副会長が俺達の席に近寄って来た。
「真琴、丁度いいところに来たな。」
ケン兄が副会長に微笑む。
「・・・? 黒峯、差し入れだ。」
副会長が綿あめを一袋ケン兄に渡した。
「サンキュー」
ケン兄はそれを受け取るとオレに袋毎渡してくれた。
「副会長、ありがとう!」
「神月君♡」
説教と反省文が絡まらなければ副会長は超綺麗。
大型犬のアフガンハウンドみたいだ。
「真琴、すばるはお前の補佐にしといてくれ。」
「いいんですか?」
「ああ。すばる、」
「ひゃい!」
「真琴の補佐、できるよな?」
「・・・健太の補佐がいい」
「真琴の補佐をして、きちんと仕事を覚えろ。俺は仕事が出来るヤツが好きだ。」
そう言ってケン兄はニッコリとすばるに微笑んだ。
「すばる、お前の甲斐性、俺に見せてくれるよな?」
「俺、頑張る!」
すばる、ケン兄の口車に乗っちゃったな・・・
副会長の補佐、ご愁傷様・・・
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