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高等部 一年目 皐月 ゴールデンウィーク
046 GW 1日目 4
しおりを挟む**健太視点**
颯と京夜を部屋に送ってリビングに戻ると、親父たちが何とも言えない微妙な顔で待っていた。
「健太と颯が番になると思ってたんだけどな~」
親父が溜息混じりに呟いた。
「それだけは無い。」
苦笑しながら否定する。
「前世の記憶があるのも善し悪しねぇ」
少し残念そうに祖母も呟いた。
成人したら颯は京夜の籍に入ることになっているから淋しいのだろう。
産まれた時、正確には母親の胎の中にいた頃から前世の記憶を持っていた俺は、発達が飛び抜けて早く、言葉も早かった。
大人びた子供らしくない乳幼児を嫌がらず、好奇心旺盛に俺の前世の記憶を聞き出したのは両親と祖父母達だった。
だから颯が前世の俺の子供の生まれ変わりだと家族全員が知っている。
臨月で里帰り出産をするために帰省した叔母夫婦が同居を決めたのも、俺と颯が離れられなかったからだった。
颯は乳幼児の頃から人見知りで警戒心が強かった。
特に叔母と俺にべったりで、目が醒めた時に叔母か俺が側にいないとひきつけを起こすほど泣いて大変だった。
叔母は仕事やヒートで一緒にいられない日もあり、颯が初等部に入るまでは家族全員で一緒の部屋で寝起きしていた。
学年は一つ違いだが、俺が四月生まれで颯が三月生まれなので、実年齢は二歳近く離れている。
前世の知識と見様見真似でミルクを飲ませたり、オムツ交換、離乳食、トイレトレ、あらゆる世話を手伝った。
俺は前世で出来なかった育児に夢中になった。
颯が前世の我が子の生まれ変わりだから出来たし、したかった。
俺の一番は颯。
颯を愛してる。
出来ればもう一度産みたかった。
今世は男でαで従兄弟で、叶わなかったけれど。
「健太、颯は京夜君に任せて自分の幸せも考えなよ?」
俺と颯が作ったチュロスを片手に姉貴が言った。
「自分の幸せ?」
俺の幸せは颯が幸せでいること。
「・・・颯のこと以外で!」
姉貴の低い声に思わず目を逸らした。
「子離れしなよ?」
「子離れ?しなきゃダメなのか?」
「第三者視点だと、あんたブラコン拗らせたウザイ小舅か横取り狙ってるヤバイαに見えなくもないのよ?」
「うそっ・・・」
俺が姉貴のダメ出しに項垂れていると、
「運命の番、捜してみないか?」
と、叔父さんが言った。
叔父さん──颯の父親は病理医で遺伝子の研究をしている。
αとΩの相性というか運命度とかを遺伝子データを基に数値化してマッチングするアプリの開発チームにも関わっているらしい。
「健太、モニターになってくれ。」
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