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高等部 一年目 皐月
070 シン・学食イベント?
しおりを挟む**すばる視点**
慌てて颯っちの後を追ったけど見失ってしまった。
腹空かせてるから学食に行ったかと思って見に来たけど、二階にも一階にも見当たらない。
キョロキョロと二階の見晴らしの良いカウンター席から学食内を見回していたら真琴の姿をみつけた。
真琴は何故か一階をウロウロしていている。
「何してんだ、あいつ」
いつの間にか陽翔が隣の席にいて、真琴の不思議な行動を俺と一緒に見つめていた。
「陽翔、颯っち見なかった?」
「見てない。捜してるとこだ。」
「ふーん」
「それよりも、すばる、お前こんなとこで油売ってていいのか?」
「何?」
「健太、早退したぞ。」
「えっ!」
「保健室で点滴受けてるらしいぞ。」
陽翔の言葉に俺は陽翔の腕を掴んで階段を駆け下りた。
「何で俺まで?!」
「保健室って、どこ?!」
「くそがっ!」
「うわっ!」
勢いがつき過ぎて、階段の近くに通りかかった人にぶつかりそうになったので、グイッと陽翔を引き寄せて壁にしてガード!
したつもりが、折り重なるように倒れてしまった。
俺が押し倒したような格好で、ガッツリと重なる陽翔の唇と知らん奴の唇、、、
「ご、ごめんっ」
慌てて起きて、陽翔も転がして除けて、ぶつかった相手に謝った。
陽翔の親衛隊に見られてないよな?
「大丈夫?」
「ダイジョーブ、デス」
片言の日本語、留学生かな?
赤毛混じりのボサボサの金髪で目が隠れていて表情が掴めない。
「お前っ・・・」
陽翔がじっと留学生?の顔を見つめる。
「乾君、大丈夫ですか?」
そこへ真琴がやって来た。
「血がでてます。保健室に行きましょう。」
真琴が留学生?らしき、イヌイとか呼んだ奴を助け起こし、ハンカチを口元に当てていた。
ん、保健室・・・?
「そうだ!俺、健太の見舞いに保健室行かないと!」
俺は陽翔の腕を取って保健室に向かってダッシュした。
いや、しようとして笑顔の真琴に襟首を捕まれた。
「慌てず、騒がず、走らないで行きなさい。」
「・・・イエッサー・・・」
こ、怖ぇ~
真琴、超、怖ぇ~!
**大和視点**
食事を終えて学食を出ようと移動していると、二階から駆け下りて来た二人組とぶつかった。
ぶつかっただけなら良かったのに、二人組の片方とガッツリ唇が重なってた。
サイアク・・・
「ご、ごめんっ」
そう言ってもう片方が俺の上にのしかかってる奴をよけた。
「大丈夫?」
「ダイジョーブ、デス」
片言の日本語で応えて上半身を起こした。
ぶっかった拍子に外れかけた眼鏡を直していると、ぶっかった方の男と目が合った。
金髪に紅眼、女子が好きそうな王子様系の甘いマスクの美丈夫が顔を真っ赤にして、俺を食い入るように見つめていた。
「お前っ・・・」
もしかして、素顔見られたか?
「乾君、大丈夫ですか?」
声のした方を見上げると、副会長が手を差し出してきた。
取り敢えずその手を借りて立ち上がる。
「血がでてます。保健室に行きましょう。」
副会長がポケットからハンカチを出して俺の口元に当てた。
Ωがみんなロクデナシの父親と同じだとは思ってないけれど、父親に植え付けられた毒が強すぎて穿った見方しか出来ない。
だからΩに触れられるのも苦手だし、気持ち悪いし嫌いだ。
取り敢えず「これは仕事」と、心に言い聞かせて感情のコントロールに集中する。
ああ、でも、面白半分に耕平の頼みを聞くんじゃなかったな、と少し後悔した。
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