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第一部 第1章 竜の目覚め篇
第8話 出会い
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ダンジョンを攻略した俺は、近くにあった木の実で腹をふくらませ、森の上を飛んでいた。
異世界にきて一日が経った。最初はどうなることかと思ったが、今のまま行けば何とかなりそうだ。最強の力も手に入ったしな。
しかしこの世界は謎が多い。まず、なぜ俺は異世界に転移したのか。スキルは誰から付与されるのか。何故俺は竜になったのか。考えれば考えるほど分からなくなるので、思考を放棄した。
そういえばこの世界での目標が何も無かったな。俺が人間ならば冒険者をやりながらハーレムを作ってやるぜ!的な目標ができたのだろうが、生憎俺は竜だ。しかし人格があるので、モンスターとして生きる訳にもいかない。困ったものだ。もしかしたら進化していく過程で人に近づくことができるかもしれない。しばらくはランクを上げて進化することを考えるか。
そんな事を考えながら飛んでいると、森を抜けた。だいぶ東に来たが、どうやらこっちにも国があるようだ。遠くに海が見えるので大陸の右端の方だろう。王国の右の方に遺跡のようなものが見えた。気になったのでそっちの方へ行ってみる。すると入口に人とモンスターを見つけた。
「こんなところにドラゴンとは珍しい」
「しかも見たことねぇぜ!俺が狩るぞ!」
冒険者の男二人が小さいドラゴンをかこんでいる。このままではあの小さいドラゴンは狩られてしまうだろう。俺には関係の無いことだと無視をすることもできただろう。しかし同族のよしみがあったのもしれない。俺は小竜を助けることにした。このまま突っ込んでいけば、二人を伸して終わりなのだが、騒ぎになりたくないので、魔法を使う。
「次元操作・移動」
2人をどこか遠くへ飛ばす。これで暫くは戻ってこないだろう。
「大丈夫か?」
言葉が通じるかわからないが、話しかけてみることにした。
『同族との接触により会話が可能となりました』
「あの…助けてくれたんですか?」
会話ができるようになったようで、話していることが分かる。しかも可愛い声だ。どうやら雌のようだ。その、小さい竜が聞いてくる。
「困っていたようだから助けたんだ」
「ありがとうございます!」
そう言うと小竜はペコペコとしてきた。ステータスが気になったのでこっそり見てみることにした。
名前 なし
種族 幼竜・希少種(ミニドラゴン・レア)
rank 5
技能 なし
うーん弱い。そこら辺のゴブリンにもまけるぞ。しかし希少種とは。
「何故こんな所に?」
「私は希少種なのでよく冒険者たちに狙われてしまいます。私の親も希少種で私を逃がすために命を落としてしまいました」
小竜は涙を堪えながら話していた。俺は黙って聞いていた。
「なのでこれ以上誰からも狙われないように強くなるためにダンジョンに潜って進化がしたいのです」
「君のためを思って正直に言うが、君のランクじゃ第1階層でも生き残れないだろう」
ランク5ではまともに戦えないだろう。
「それでも私は強くなりたいんです!強くならなきゃいけないんです!」
強い子だ。彼女の心は並大抵のことでは折れないだろう。俺が助けなくても、自分でなんとかできたのかもしれない。だったら尚更この子を放置することなんて出来ない。
「わかった。俺が君を助けてやる。一緒に行こう」
「えっ…いいんですか?私なんかのために。ありがとうございます!」
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はリュートだ。これからよろしく頼む」
「名前があるんですね。私には名前が無いから」
この世界のモンスターは一定の知名度を誇り、何人もの人間を狩ると、名前付きと呼ばれ名前が付いている個体になる。誰から名前を授かるかは不明だ。
名前が無いなら俺がつけてやればいい。
「じゃあ今日から君の名前は『クリア』でどうだい?」
透き通るように純粋な心をもつ彼女にはぴったりだろう。
「素敵な名前をありがとうございます!リュートさん。これからよろしくお願いします」
『個体名「クリア」が登録されました』
これが俺とクリアの出会いだった。
異世界にきて一日が経った。最初はどうなることかと思ったが、今のまま行けば何とかなりそうだ。最強の力も手に入ったしな。
しかしこの世界は謎が多い。まず、なぜ俺は異世界に転移したのか。スキルは誰から付与されるのか。何故俺は竜になったのか。考えれば考えるほど分からなくなるので、思考を放棄した。
そういえばこの世界での目標が何も無かったな。俺が人間ならば冒険者をやりながらハーレムを作ってやるぜ!的な目標ができたのだろうが、生憎俺は竜だ。しかし人格があるので、モンスターとして生きる訳にもいかない。困ったものだ。もしかしたら進化していく過程で人に近づくことができるかもしれない。しばらくはランクを上げて進化することを考えるか。
そんな事を考えながら飛んでいると、森を抜けた。だいぶ東に来たが、どうやらこっちにも国があるようだ。遠くに海が見えるので大陸の右端の方だろう。王国の右の方に遺跡のようなものが見えた。気になったのでそっちの方へ行ってみる。すると入口に人とモンスターを見つけた。
「こんなところにドラゴンとは珍しい」
「しかも見たことねぇぜ!俺が狩るぞ!」
冒険者の男二人が小さいドラゴンをかこんでいる。このままではあの小さいドラゴンは狩られてしまうだろう。俺には関係の無いことだと無視をすることもできただろう。しかし同族のよしみがあったのもしれない。俺は小竜を助けることにした。このまま突っ込んでいけば、二人を伸して終わりなのだが、騒ぎになりたくないので、魔法を使う。
「次元操作・移動」
2人をどこか遠くへ飛ばす。これで暫くは戻ってこないだろう。
「大丈夫か?」
言葉が通じるかわからないが、話しかけてみることにした。
『同族との接触により会話が可能となりました』
「あの…助けてくれたんですか?」
会話ができるようになったようで、話していることが分かる。しかも可愛い声だ。どうやら雌のようだ。その、小さい竜が聞いてくる。
「困っていたようだから助けたんだ」
「ありがとうございます!」
そう言うと小竜はペコペコとしてきた。ステータスが気になったのでこっそり見てみることにした。
名前 なし
種族 幼竜・希少種(ミニドラゴン・レア)
rank 5
技能 なし
うーん弱い。そこら辺のゴブリンにもまけるぞ。しかし希少種とは。
「何故こんな所に?」
「私は希少種なのでよく冒険者たちに狙われてしまいます。私の親も希少種で私を逃がすために命を落としてしまいました」
小竜は涙を堪えながら話していた。俺は黙って聞いていた。
「なのでこれ以上誰からも狙われないように強くなるためにダンジョンに潜って進化がしたいのです」
「君のためを思って正直に言うが、君のランクじゃ第1階層でも生き残れないだろう」
ランク5ではまともに戦えないだろう。
「それでも私は強くなりたいんです!強くならなきゃいけないんです!」
強い子だ。彼女の心は並大抵のことでは折れないだろう。俺が助けなくても、自分でなんとかできたのかもしれない。だったら尚更この子を放置することなんて出来ない。
「わかった。俺が君を助けてやる。一緒に行こう」
「えっ…いいんですか?私なんかのために。ありがとうございます!」
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はリュートだ。これからよろしく頼む」
「名前があるんですね。私には名前が無いから」
この世界のモンスターは一定の知名度を誇り、何人もの人間を狩ると、名前付きと呼ばれ名前が付いている個体になる。誰から名前を授かるかは不明だ。
名前が無いなら俺がつけてやればいい。
「じゃあ今日から君の名前は『クリア』でどうだい?」
透き通るように純粋な心をもつ彼女にはぴったりだろう。
「素敵な名前をありがとうございます!リュートさん。これからよろしくお願いします」
『個体名「クリア」が登録されました』
これが俺とクリアの出会いだった。
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