異世界を統べるのは人ではなく竜だ

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第5章 竜王の暮らし篇

第52話 魔法兵

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 そんなこんなで俺と、サレナによる特訓が始まった。神眼を使うと全員レベルが100未満。隊長だけあって、隊長二人はレベル100を超えている。

 経験値というのは格上相手だと、戦うだけで手に入るらしい。なので、俺は兵士たちのレベル上げマシンと化した。さらに技などを教える。サレナは剣術だけを。俺は剣と槍、両方を教える。

 「頑張って!二人とも!」

 クリアは可愛く応援してくれる。それだけで俺はやる気が出るというものだ。

 全員を相手し、昼休憩になった。

 「ふぅ。結構疲れるな。サレナは毎回これをやらされてたのか?」

 「はい。でも、リュート様の為と思えばこんなの全然、苦ではありませんわ」

 「ありがとなサレナ」

 たちまち始まるイチャイチャに兵士たちからの嫉妬の目が刺さる刺さる。

 「リュート殿」

 「どうした?」

 カーブが話しかけてきた。

 「魔法の方も見ていただきたい。リュート殿は魔法の方が得意と聞く。その手腕を是非国のために貸してはくれないだろうか」

 「あぁ、わかったよ。飯が終わったら行く」

 王城の食堂は自由に使っても良いとのことだったので、俺とクリア、サレナの三人で向かう。

 「はいリュート。あーん♡」

 「あーん」

 「リュート様こちらもどうぞ」

 「ありがとう」

 別に食べさせてもらわなくてもいいのだが。せっかくだから好意を受け取っておこう。兵士たちの目が痛いが、気にしないでおこう。

 食事を終え、魔法兵たちがいる場所に向かう。サレナは剣兵の方に行くので、一旦別れる。俺がいなくなった方が剣兵たちが元気な気がするが、これも気にしないでおこう。

 「リュート様ですね。ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」

 メイドに案内される。メイドっていいなぁ。フェチズムをそそる格好だ。すると、クリアが、小さい声で言った。

 「リュート、メイド好きなんだ…」

 「ん?クリアなんか言った?」

 「ううん!なんでもないよ」

 なにか思いついた顔をしているが、まぁ気にしても仕方ないことだろう。

 「こちらです。それでは私は失礼します」 

 「あぁ。案内ありがとう」

 メイドに案内されたそこには、杖を持った集団がいた。大半が女性だ。男女比は男が1、女性が9と言ったところだ。

 「お待ちしておりましたリュート様。私は魔法部隊隊長のマギでございます。以後ご見知りおきを」

 「よろしくな。マギ」

 「はい。いつもルージュ様にはお世話になっております」

 そう言えばルージュも何回か城に呼ばれてたな。

 「俺はここで何を?」

 「貴方様の魔法を見せていただきたいのです。未知の魔法は新たな魔法学の発展に繋がります。それが、ゆくゆくは魔法の発展へと繋がるからです」 

 「わかった。それならクリアも役に立てるだろう」

 「クリア様?お連れの方でしょうか?」

 「そうだ。クリアも珍しい魔法を使える」

 「かしこまりました。では少々準備致します」

 しばらくすると、杖を持った魔法兵たちが、こちらに注目しだした。

 「あぁなんてイケメンなの…」

 「どんな魔法を使うのかしら」

 「なんて美しい女性だ」 

 「あのお方も強い魔法をお持ちだそうだ」

 まぁ、美男美女のコンビはどこに行っても目立つものなのかもしれない。

 「ではあの魔力計に様々な魔法を放ってください」

 一度壊したことがあるような気がするが、まぁいいか。

 「クリアからやりなよ。あまり本気出さないように」

 「わかった。じゃあいくよ!」

 「重力操作・超過重」

 魔力計がミシミシと、音を立てる。

 「あれは!重力だ!」

 「なんて珍しい…」

 魔法兵たちは興味津々で、魔法を見ている。

 「じゃあ俺の番」

 「火弾ファイヤバレット

 「水弾ウォーターバレット

 「風弾ウィンドバレット」 

 「土弾ソイルバレット

 「雷弾エレキバレット

 五色の弾丸を次々に放つ。

 「適性が五個もあるだと…」

 「こんな人、見たことないわ!」

 驚く魔法兵を尻目に、魔法を再開する。

 「光弾シャインバレット

 「闇弾イリーガルバレット

 さらに二色の弾丸を放つ。

 「光と闇!」

 「全属性だ!」

 まだまだこれからだぞ?合成を使う。

 「虹弾レインボーバレット

 七色に輝く弾が発射される。

 「なんだあれは!」

 「全属性が合わさっている?」

 やはり魔法兵だけあって理解が早い。では最後だ。

 「次元弾ディメンションバレット

 闇とは違った黒い弾が飛んでいき、魔力計に当たると、魔力計ごと消滅する。やはり魔力計は耐えられない。

 「なんだ…今の…」

 「魔力計が…消えた?」

 魔法兵たちは言葉を失う。

 「こんな感じだが?」 

 すると、マギが、

 「素晴らしい!素晴らしいですリュート様!」

 「それはどうも」

 こうして、俺たちは魔法業界で一気に有名になったのだった。
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