異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第5章 竜王の暮らし篇

第59話 会議

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 クリアの告白から、数日が経過した。四人と結婚したことにはなったが、俺たちの様子は特に変わらない。変わったことと言えば、四人全員が俺が送った指輪を左手の薬指にはめていることくらいだ。クリアは透明、サレナは白、ミラは緑、ルージュは赤の宝石がはまっている。

 今日も王城に呼ばれたので、クリアと向かう。

 すっかり顔なじみになった兵士やメイドたちから結婚の祝福を受けたり、嫉妬の目を向けられたりした。

 魔法兵たちの棟に行く。俺が与えた魔力で結構魔法の研究が進んだようだ。

 「本日もお越しいただき誠にありがとうございます」

 マギとのやりとりもすっかり慣れてきた。

 「今日の要件は?」

 「はい。本日は、リュート様たちの知恵を貸して頂こうかと」

 「知恵?」

 「はい。魔力の研究が進み、私たちは魔力をもっと活用出来る装置や機械を開発出来るようになりました。そこで、どんな装置が作れるか、リュート様たちに相談に乗って頂きたい」

 「了解した」

 俺たちは城の会議室のような場所に通される。俺とクリアを含めて、各兵の隊長や研究者など約20人くらいの集まりだ。

 「それではこれより第一回魔力装置考案会を始めます。何か思いついたらどんどん教えてください」

 マギが仕切る。

 「私は武器に魔力を纏わせることが出来る装置があると、かなり戦いの役に立つと考えます」

 剣兵隊長のカーブが切り出す。

 「なるほど…それはいいですね」

 学者たちは話のメモをとる。

 「俺は戦闘で使える臨時の魔力回復場所みたいのを展開できるようになると、補給などもしやすくなる」

 「なるほど」

 槍兵隊長のスティングが案を出す。

 「リュート様は何かございますか?」

 「あぁある」

 俺には俺の居た世界の知識がある。思いついたものを片っ端から言う。

 「車、飛行機」

 乗り物は、乗り物があまり存在しないこの世界にあると便利だろう。

 「魔力武器、戦車、バリアフィールド」

 魔力で出来そうな武器や兵器を詳細に話す。

 「な、なるほど。これは素晴らしい発明になりそうだ」

 研究者たちは俺の発想に乗り気のようだ。

 「そう言えば今更だが、この国は外敵とかいないのか?」

 俺は気になったので質問した。

 「そう言えばリュート殿はまだこの国に来たばかりでしたね。恐縮ながら私から説明しましょう」

 カーブの説明をまとめるとこうだ。この大陸には5つの国がある。東の国「ムガ王国」、中央の国「ダール王国」、北の国「ナバル帝国」、南の国「メルーグ帝国」、西の国「サラマ王国」の5つだ。この中でも北と南の国は戦争が大好きで、国の中で一番小さい、ムガ王国はよく狙われるらしい。よって二国から国を防衛する力は必要という事だ。
 さらに国以外にも外敵はいる。魔族だ。魔族は、どこからともなく現れたゲートを通って唐突に現れるらしい。しかも魔族はモンスターを操る力を持つため、魔族が出現するとモンスターも大量に現れる。

 この外敵たちから国を守らなければならない。よって魔力の研究が必要だった訳だ。

 「なるほど参考になった」

 しばらく会議は続きやがてお開きを迎える。

 「今日の会議はここまでということで、解散とします」

 会議が終わった。俺の意見を頑張って実現して欲しい。

 こうして、俺たちは帰宅の途に着くのだった。
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