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第6章 竜王の闘い篇

第61話 指揮

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 ムガ王国の南門から出た場所に兵士が集まっている。

 「メルーグが攻めてきたんだと」

 「こんな戦力じゃ勝てねぇよ…」

 「確かに俺たちはリュートさんたちのおかげで強くなったが、数がなぁ…」

 ムガ王国の兵力は、剣兵100名、槍兵100名、弓兵50名、魔法兵250名、その他、整備兵や医療兵、どこにも属さない多種多様な応用が出来る一般兵などが約500名。総勢、約1000名の兵だ。

 かえって、メルーグ帝国の兵力は兵の分配は分からないが総勢、約3000名。こっちの約3倍の兵力だ。普通に戦ったらまず勝てない。

 圧倒的な戦力差に兵士の士気が低い。そんな所に俺が現れる。

 「みんな聞け!」

 1000人がこっちを注目する。

 「この度、王の依頼によりこの兵を仕切ることになったリュートだ。俺が来た限りこの戦いに負けはない。安心してくれ!」

 暗かった兵の雰囲気に明るさが蘇る。

 「リュートさんが一緒に戦ってくれるのか!」

 「クリアさんやサレナさんもいるぞ!」

 「あの人たちがいたら負けはない!」

 兵たちの士気が上がっていく。

 「お前ら!平和を脅かそうとする悪しき帝国からこの国を守るぞ!」

 「「「「「うおーーー!!!」」」」」

 一瞬で暗い雰囲気が吹き飛ぶ。

 『軍団の指揮を確認しました。スキルが付与されます』

 久しぶりにスキルを覚えた。

 名前 リュート・ヤガミ
 種族 真竜王・神越種(ジェニュインドラゴンキング・ディバインクロス)
 rank  777
 称号 怒れる次元王
 
 技能 次元操作 神眼 耐性(全) 神性 創成 魔力錬成(極) 超越感覚 自動発動 魔法(全) 神王圧 付与術 複製 変身 合成 万能術(極) 神軍

 神軍 神の指揮に従うものはあらゆる能力に補正がかかる。

 ほう。この場にもってこいなスキルだ。

 俺は改めて兵を配備する。まず兵を五部隊に分ける。俺の嫁たちをそれぞれの部隊に1人ずつ配置する。

 まず、サレナ率いる第一部隊は、剣兵と槍兵、大半の一般兵450人がひとかたまりになっている近接攻撃部隊だ。この部隊は敵に最初に敵陣に切り込む役目だ。
 次に、ミラ率いる第二部隊は、弓兵と一部の魔法兵約50人を合わせた遠距離攻撃部隊だ。第一部隊を後方から援護し、打ち漏らした敵を排除するのが役目だ。
 ルージュ率いる第三部隊は、残りの魔法兵で構成される魔法部隊だ。攻撃だけではなく補助魔法や軽い回復魔法を使い、第一部隊と第二部隊をさらに援護するのが役目だ。
 クリア率いる第四部隊は残りの兵たちがひとかたまりになった、戦場支援部隊だ。負傷した者を回復させたり、弓兵の矢の補充や魔法兵の魔力の回復などをするのが役目だ。 
 そして、俺が率いる第五部隊は、ほか四つの部隊の援護や別稼働隊としての奇襲が主な役目だ。メンバーは俺、カーブ、スティング、マギの四人だ。

 この布陣なら負けない。仮に危なくなったら全員分俺が相手するだけだ。
 
 「第一部隊の皆様!この戦い私に続いてください!」

 「うおー!サレナ様がいれば百人力だぜ!」

 「私たちは今までの訓練通り、しっかり射抜くだけだ!」

 「はい!ミラ様に続かせていただきます!」

 「わ、私が皆さんを援護できるように頑張りますね!」

 「頼りにしてるぜ!ルージュちゃん!」

 「みんな!私たちは怪我をしっかり治して上げようね!」

 「はい!」

 「あぁ…クリア様は天使だ…」

 戦いの準備は整った。あとはメルーグ帝国を迎え撃つだけだ。この国を狙ったことを後悔させてやる。

 こうして、俺たちの戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
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