異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

文字の大きさ
73 / 529
第6章 竜王の闘い篇

第61話 指揮

しおりを挟む
 ムガ王国の南門から出た場所に兵士が集まっている。

 「メルーグが攻めてきたんだと」

 「こんな戦力じゃ勝てねぇよ…」

 「確かに俺たちはリュートさんたちのおかげで強くなったが、数がなぁ…」

 ムガ王国の兵力は、剣兵100名、槍兵100名、弓兵50名、魔法兵250名、その他、整備兵や医療兵、どこにも属さない多種多様な応用が出来る一般兵などが約500名。総勢、約1000名の兵だ。

 かえって、メルーグ帝国の兵力は兵の分配は分からないが総勢、約3000名。こっちの約3倍の兵力だ。普通に戦ったらまず勝てない。

 圧倒的な戦力差に兵士の士気が低い。そんな所に俺が現れる。

 「みんな聞け!」

 1000人がこっちを注目する。

 「この度、王の依頼によりこの兵を仕切ることになったリュートだ。俺が来た限りこの戦いに負けはない。安心してくれ!」

 暗かった兵の雰囲気に明るさが蘇る。

 「リュートさんが一緒に戦ってくれるのか!」

 「クリアさんやサレナさんもいるぞ!」

 「あの人たちがいたら負けはない!」

 兵たちの士気が上がっていく。

 「お前ら!平和を脅かそうとする悪しき帝国からこの国を守るぞ!」

 「「「「「うおーーー!!!」」」」」

 一瞬で暗い雰囲気が吹き飛ぶ。

 『軍団の指揮を確認しました。スキルが付与されます』

 久しぶりにスキルを覚えた。

 名前 リュート・ヤガミ
 種族 真竜王・神越種(ジェニュインドラゴンキング・ディバインクロス)
 rank  777
 称号 怒れる次元王
 
 技能 次元操作 神眼 耐性(全) 神性 創成 魔力錬成(極) 超越感覚 自動発動 魔法(全) 神王圧 付与術 複製 変身 合成 万能術(極) 神軍

 神軍 神の指揮に従うものはあらゆる能力に補正がかかる。

 ほう。この場にもってこいなスキルだ。

 俺は改めて兵を配備する。まず兵を五部隊に分ける。俺の嫁たちをそれぞれの部隊に1人ずつ配置する。

 まず、サレナ率いる第一部隊は、剣兵と槍兵、大半の一般兵450人がひとかたまりになっている近接攻撃部隊だ。この部隊は敵に最初に敵陣に切り込む役目だ。
 次に、ミラ率いる第二部隊は、弓兵と一部の魔法兵約50人を合わせた遠距離攻撃部隊だ。第一部隊を後方から援護し、打ち漏らした敵を排除するのが役目だ。
 ルージュ率いる第三部隊は、残りの魔法兵で構成される魔法部隊だ。攻撃だけではなく補助魔法や軽い回復魔法を使い、第一部隊と第二部隊をさらに援護するのが役目だ。
 クリア率いる第四部隊は残りの兵たちがひとかたまりになった、戦場支援部隊だ。負傷した者を回復させたり、弓兵の矢の補充や魔法兵の魔力の回復などをするのが役目だ。 
 そして、俺が率いる第五部隊は、ほか四つの部隊の援護や別稼働隊としての奇襲が主な役目だ。メンバーは俺、カーブ、スティング、マギの四人だ。

 この布陣なら負けない。仮に危なくなったら全員分俺が相手するだけだ。
 
 「第一部隊の皆様!この戦い私に続いてください!」

 「うおー!サレナ様がいれば百人力だぜ!」

 「私たちは今までの訓練通り、しっかり射抜くだけだ!」

 「はい!ミラ様に続かせていただきます!」

 「わ、私が皆さんを援護できるように頑張りますね!」

 「頼りにしてるぜ!ルージュちゃん!」

 「みんな!私たちは怪我をしっかり治して上げようね!」

 「はい!」

 「あぁ…クリア様は天使だ…」

 戦いの準備は整った。あとはメルーグ帝国を迎え撃つだけだ。この国を狙ったことを後悔させてやる。

 こうして、俺たちの戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...