異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第10章 それぞれの修行篇

第106話 砂漠のダンジョン

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 サレナ、ミラ、ルージュたちと別れた。

 俺、クリア、ローザの三人はサラマ王国に向かった。

 俺たちが向かうのは砂漠のダンジョンと呼ばれているダンジョンだ。砂漠の中心にあるサラマ王国を更に西に行った所にある。
 そのダンジョンはまず到達することが難しい。砂嵐が吹き荒れ、視界は最悪。下手したら方向感覚を失い、砂漠の猛暑の中で彷徨い歩くこととなってしまう。もちろんそんなことになれば、間違いなく死ぬ。この砂漠はそうやって数多の冒険者の命を奪ってきたのだ。
 砂漠のダンジョンは、未だ全容が明らかになっていない。なぜなら、ダンジョンに到達できても帰還ができないからだ。更に、このダンジョンはかなり難易度が高い。階層が30以上あることがわかっている。
 昔に発見はされているが、踏破者は未だ存在しない。
 
 そして、俺は今、サラマ王国から西に出た灼熱の砂漠にいる。

 「あっちいな…」

 「確かに…」

 一応、全員砂漠用の服を着てきたのだが、それでは凌げないほどの暑さだ。

 「ほんとにこんな所にあるの?」

 ローザが聞く。

 「聞いた話だと、恐らくこの辺りのはずなんだがな…」

 砂塵が舞う中、前方に目を凝らす。

 「あっ!なにか見えるよ」

 クリアが何かを発見したようだ。

 「やっと着いたのね…」

 ローザがその影の方に向かう。

 その時、がさりと影が動く。

 「ローザ!モンスターだ!」

 「えっ?」

 砂塵の中から、巨大なサソリが現れた。

 名前 コル・スコルピィ
 種族 砂王蠍・始種(デザートキングスコーピオン・ビギニング)
 rank  624
 称号 砂漠のアサシン
 
 技能 古の力 刺突 劇毒 射出 再装填 超硬化

 なかなか強いサソリだ。しかも名前付きネームドだ。この感じは懐かしい。何時ぞやの巨大なスライムを思い出す。

 「よし、行くぞ二人とも!」

 「「了解」」

 「まずは私が!重力操作グラヴィティプロセス超過重ギガトン!」

 ずずん!サソリに激しい重力がかかる。

 しかし、サソリは尻尾の棘をクリアに飛ばす。

 「させるか!夢幻白夜!」

 すっ…棘は刀によって切り裂かれ、二つに分かれて地面に刺さった。棘が刺さった地面を確認すると、砂が溶けている。かなり強力な毒みたいだ。

 「そんな危ないものは…これで!」

 クリアが胸元から何かを取り出す。魔法武器だ。普段からそこにしまってるの?

 「タスラム!シュート!」

 タスラムと名づけられたブーメランが飛んでいき、サソリの尻尾は切り裂かれた。

 「いいぞクリア!」

 「次は私!はぁぁぁぁ!」

 ローザがサソリの上から棍で貫き、サソリの装甲が貫通する。

 「ローザもナイスだ。最後は俺が決める!二人とも離れろ!」

 ローザが棍を引き抜き、クリアと俺の後ろに下がる。

 「コロナ起動。形状変化モードチェンジ・カノン」

 俺の右腕に巨大な大砲が装着される。

 「これで終わりだサソリ野郎!吹き飛べ!」

 大砲が放れた。巨大な弾丸でサソリが吹き飛ぶ。

 サソリを吹き飛ばした衝撃は、砂塵を晴らし、目の前に遺跡を出現させるのだった。
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