異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第15章 帝国決戦篇

第185話 ナバル帝国、崩壊

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 リュートの体が覚醒体から、通常の状態に戻る。

 『戦闘の終了により、経験値が付与されます』

 身体にさらなる力が流れ込む、こういったランクアップの音声を聞いたのは久しぶりかもしれない。ステータスを確認する。

 名前 リュート・ヤガミ
 種族 真竜神・神越種-超過(ジェニュインドラゴンディエティ・ディバインクロスオーバー)
 rank 999
 称号 怒り猛る竜神

 神号 五つの災厄[心] 感情覚醒者[怒] 神々の標的
 
 技能 次元操作 真眼 神越 勇者 神域 飛翔 覚醒

 いつ以来だろうか、ランクがカンストしたようだ。ランクがカンストしたのだが、新たなスキルや進化は来なかった。これが俺の限界ということなのだろうか。

 「リュート!」

 クリアとみんなが駆け寄って来る。ソーマとニューイノセンスも居る。

 「みんな、終わったよ」

 「どうやらその様ですね」

 皇帝が死に、城が虚無になり、ナバル帝国は崩壊した。

 北と南。ナバルとメルーグが滅んだことにより、この大陸に平和が訪れたのだ。

 「さて、みんな帰ろうか」

 ここに居ても仕方が無いのでムガ王国に帰還することにした。

 「行くんですね。リュート氏」

 「あぁ。世話になったよソーマ。君はこの後どうするんだ?」

 「私は、ニューイノセンスとこの世界を旅しようと思っています。操られていたとはいえ、私が開発した兵器で危なくなった国もありますからね。肩身の狭い私はどこかに行こうと思います」

 「そうか。元気でな?暇があったら是非家に遊びに来てくれ」

 「はい。いつか行かせていただきます。それでは」

 「あの…」

 ニューイノセンスが話しかけてきた。

 「私を止めていただきありがとうございました」

 「気にしないでくれ」

 そう言い残し、ソーマとニューイノセンスは去って行った。

 「俺達も帰るぞ」

 俺達は真っ直ぐムガ王国に帰還した。帰りはクリアの城に乗って楽々に移動できた。

 「国の英雄達が帰還したぞ!」

 「ありがとう!」

 「お前らのおかげだ!」

 国民全員が俺達の帰還を出迎えてくれた。拍手喝采を浴びながら、爆発があった城のほうに向かう。

 「さて、私たちもリュートに負けられんぞー!国を立て直さなくては!」

 ムガ王が先陣を切って城の再建築工事を始めていた。

 「王も無事だったようで何よりだ」

 「あぁ。幸い私の怪我は大したことがなかったからな。リュート達も無事で何よりだ。城は崩壊したが、複数の施設は無事だったんだ。だから、国を救った君たちに感謝の食事を用意した。こんなものしか用意できなくて済まないな」

 「いや、気にしないでくれ。腹も減ってるし、王やみんなも一緒に食べようぜ」

 こうして、リュート達は平和を手に入れたのだった。

____________________

 「はぁ…はぁ」

 崩壊したナバル帝国の地下にて蠢く一つの影。

 「よくもやってくれたな!スペアブレインを作ってなかったら終わっていた…。クソ!絶対に復讐してやる!その為にも今は生き延びなければ…」

 一人の研究者が復讐を誓った。
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