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第16章 手に入れた平和篇
第186話 警備隊
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ナバル帝国崩壊より、数日が経過した。あっという間にムガ城も新しく建て直され、何気ない日々が戻ってきた。
「リュート?今日はどうするの?」
「うーん。そうだな…」
平和な世の中になり、俺らの仕事は激減した。別に金銭には困っていないので特に問題は無いのだが、圧倒的に暇だ。サレナとミラは常日頃から訓練に明け暮れており、今日は朝から家にいない。ルージュはマギと共に趣味の魔法の探求をしている頃だろう。今、家にいるのは俺とクリアとローザ、オマケにコットンだけだ。
「せっかくだから街でも見て回るか?クリア?」
「やった。リュートとデート?」
「あっ!ずるい私も行く!」
「くぅーん!」
ローザとコットンも一緒に出かけることにした。
街を歩くだけでだいぶ声をかけられるようになった。それだけ有名人というわけだ。
「それにしても、ローザもだいぶ人間に慣れたみたいだな。出会った頃は人間不信だったもんな?」
「もう!そんな昔のこと忘れてよ!私はリュートに出会って変われたんだから」
ムガ王が魔族との共生を選んだので、街にはちらほらと魔族がいる。中にはお店を開いている魔族もいる。魔族は無事に人間の世界に馴染めたようでよかった。
「リュート殿!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おっ?カーブか!元気そうで何よりだ。今日は仕事は休みか?」
「いや、それが…。王が『平和な世の中になったのだから、兵は要らないだろう』という事で兵団は解散になりました」
「ふっ、ムガ王らしいな。でもそれじゃあ
カーブの仕事は?」
「実はまだ公にはなっていないのですが、ムガ王は『これからは兵ではなく、警備隊の時代だ』との事で、新たな団体の再編成の途中なのです。既に入隊が決まっている私とスティングはそれぞれ休みをもらったという訳です」
「なるほどな。大変だろうけど頑張ってな」
そんな会話をしていると、パリーン!ガラスが割れる音が聞こえた。
「ん?なんだ?」
目の前にある店から何者かが走り去る。
「あの人!食い逃げです!捕まえてください!」
どうやら、食い逃げが発生したようだ。
「せっかくの平和を壊す不届き者は私が捕まえます!」
目の前にいたカーブが食い逃げ犯を追いかけに行った。
「止まれ!大人しく捕まえさせて頂く!」
あっという間に追いつき、カーブは食い逃げ犯を捕まえた。
「クソ!」
カーブは近くを通りかかった兵士を呼び止め、食い逃げ犯はその兵士に連れていかれた。カーブが戻って来る。
「流石はムガ王国の守護者だ」
「いえ、当然のことをしただけです」
「平和な世の中になると、人間側に悪い奴が出るからな。これからも厳しく取り締まった方がいい」
「はい。そのための警備隊ですから」
「あ、あの…ありがとうございました」
店員の女性がカーブにお礼を言う。
「気にしないでください。国民の平和を守るのが私たちの仕事ですから」
「お礼にぜひ、うちの料理を食べていって下さい」
「いや、そんな訳には…」
「いいじゃないか。こういう時は素直になるもんだぜ?」
「わかりました。リュート殿。私はこちらで食事をしていきます。それでは」
「あぁ。またな」
カーブと別れ、俺達は再び街を歩き始めた。
「リュート?今日はどうするの?」
「うーん。そうだな…」
平和な世の中になり、俺らの仕事は激減した。別に金銭には困っていないので特に問題は無いのだが、圧倒的に暇だ。サレナとミラは常日頃から訓練に明け暮れており、今日は朝から家にいない。ルージュはマギと共に趣味の魔法の探求をしている頃だろう。今、家にいるのは俺とクリアとローザ、オマケにコットンだけだ。
「せっかくだから街でも見て回るか?クリア?」
「やった。リュートとデート?」
「あっ!ずるい私も行く!」
「くぅーん!」
ローザとコットンも一緒に出かけることにした。
街を歩くだけでだいぶ声をかけられるようになった。それだけ有名人というわけだ。
「それにしても、ローザもだいぶ人間に慣れたみたいだな。出会った頃は人間不信だったもんな?」
「もう!そんな昔のこと忘れてよ!私はリュートに出会って変われたんだから」
ムガ王が魔族との共生を選んだので、街にはちらほらと魔族がいる。中にはお店を開いている魔族もいる。魔族は無事に人間の世界に馴染めたようでよかった。
「リュート殿!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おっ?カーブか!元気そうで何よりだ。今日は仕事は休みか?」
「いや、それが…。王が『平和な世の中になったのだから、兵は要らないだろう』という事で兵団は解散になりました」
「ふっ、ムガ王らしいな。でもそれじゃあ
カーブの仕事は?」
「実はまだ公にはなっていないのですが、ムガ王は『これからは兵ではなく、警備隊の時代だ』との事で、新たな団体の再編成の途中なのです。既に入隊が決まっている私とスティングはそれぞれ休みをもらったという訳です」
「なるほどな。大変だろうけど頑張ってな」
そんな会話をしていると、パリーン!ガラスが割れる音が聞こえた。
「ん?なんだ?」
目の前にある店から何者かが走り去る。
「あの人!食い逃げです!捕まえてください!」
どうやら、食い逃げが発生したようだ。
「せっかくの平和を壊す不届き者は私が捕まえます!」
目の前にいたカーブが食い逃げ犯を追いかけに行った。
「止まれ!大人しく捕まえさせて頂く!」
あっという間に追いつき、カーブは食い逃げ犯を捕まえた。
「クソ!」
カーブは近くを通りかかった兵士を呼び止め、食い逃げ犯はその兵士に連れていかれた。カーブが戻って来る。
「流石はムガ王国の守護者だ」
「いえ、当然のことをしただけです」
「平和な世の中になると、人間側に悪い奴が出るからな。これからも厳しく取り締まった方がいい」
「はい。そのための警備隊ですから」
「あ、あの…ありがとうございました」
店員の女性がカーブにお礼を言う。
「気にしないでください。国民の平和を守るのが私たちの仕事ですから」
「お礼にぜひ、うちの料理を食べていって下さい」
「いや、そんな訳には…」
「いいじゃないか。こういう時は素直になるもんだぜ?」
「わかりました。リュート殿。私はこちらで食事をしていきます。それでは」
「あぁ。またな」
カーブと別れ、俺達は再び街を歩き始めた。
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