異世界を統べるのは人ではなく竜だ

1ta

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第18章 竜神の日常篇

第212話 天狼

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 「ふぅ。片付いたな」

 「そうみたいだね。流石リュート、圧倒的な強さだったね」

 「いやいや、クリアの攻撃あっての事さ」

 そんな会話をしていると、

 「おい!我も戦ったぞ!」

 女性の声が聞こえた。

 「ん?クリア何か言ったか?」

 「いや、私は何も…」

 「下だ下。貴様は目が見えないのか?」

 視線を下げるとそこにはコットンしかいない。女性などどこにもいない。

 「まさか…」

 「そうだ。先程から話しているのは我だ」

 「お前喋れたのか!」

 「先程話せるようになった。そして、いい機会だから言っておく。貴様の命令は受けん。我が従うのはご主人様のみだ」

 この狼、滅茶苦茶上から目線だ。しかも口調も偉そうだ。

 「わぁ!凄いよコットン!」

 クリアがコットンを抱きしめる。

 「ご、ご主人様!」

 コットンは嬉しそうに尻尾を振る。

 「しかし、急に話せるようになるとは…。モンスターを喰らいまくってランクが上がったのか?」

 「貴様が知る由はない」

 「えー。教えてよコットン」

 「はい。ご主人様。我は下位生物を食し、強くなることが可能です。その力を使いました」

 相変わらず、クリアには従順だ。なんて単純なヤツ…。

 「へぇ。食して強くなるね…」

 俺は気になったので、コットンに真眼を使用する。

 名前 コットン
 種族 小天狼・神種(ミニフェンリル・ディバイン)
 rank 432
 
 技能 神喰 人間会話 

 天狼…だと…?こいつそんなに凄い生物だったのか!

 神喰 喰らった者の力を奪い取ることが出来る。

 恐ろしいスキルだ。いや、待てよ?俺を喰らったらどうなるんだ?

 「なぁ、コットン。お前が俺を食ったらどうなるんだ?」

 「貴様の言うことは聞かんと言っただろう!」

 コットンが吠える。

 「教えてコットン」

 「了解しましたご主人様!我がリュートあいつを一部でも喰らうと我は益々強くなり、一部のスキルを我も覚えることが出来ます」

 なるほど…。それなら俺の体の一部を喰わせれば…。

 「じゃあ、これでも食うか?」

 髪の毛を少し切って渡す。

 「誰が貴様の力なんか…」

 「ご主人様を守る力、欲しくないのか?」

 「ぐっ…」

 コイツの扱い方がわかって来たような気がする。

 「仕方ない。ご主人様のためだ」

 コットンは俺の髪を喰らう。

 「なんて力だ…髪だけでこれほどまでの…。これでは完全なスキルの習得は無理のようだな…」

 「コットン?どんなスキルを覚えたの?使って見せてみてよ」

 「ご主人様の頼みなら仕方がない。これが我が新たに手に入れた力だ!」

 コットンが白い光に包まれる。

 「なんだと…」

 「ん?なんだこの姿は?我はどうなったのだ?」

 俺の目の前には獣耳と尻尾の生えた美少女が全裸で立っていた。
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